北海道・津別町と阿寒摩周国立公園内の屈斜路湖を結ぶ、道道588号屈斜路津別線。道沿いの津別峠から分岐し林道を進むと、屈斜路カルデラ外輪山の標高947mにある津別峠展望施設に到着する。黎明の空に星が瞬き、屈斜路湖を雲海が埋め尽くし、硫黄山、摩周岳、斜里岳、知床連山の山影が浮かぶ。6月から10月にかけて見られる、壮大なスケールの神々しい大雲海。知床連山の方向から朝日が昇るにつれ、雲の海は赤く染まり刻々と色合いを変えていく。自然の素晴らしさに驚嘆する。
阿寒摩周国立公園
日本で最も歴史ある国立公園の一つ。それぞれ異なる年代の火山活動によって生まれた、阿寒・屈斜路・摩周の3つのカルデラ地形と、広大な天然林が織り成す原始的な景観が特徴だ。公園は阿寒地域と摩周地域に分けられ、いずれも美しい湖沼と森の風景をトレッキングやカヌーなどで楽しめるほか、温泉も滞在時の魅力。阿寒湖畔にはアイヌ民族の人々が暮らす道内最大級の集落があり、その文化芸術に触れることもできる。
DATA|指定:昭和9(1934)年12月4日 面積:91413ha 地域:北海道
環境省 日本の国立公園Webサイト
今月の一景へのアクセス
女満別空港から津別峠展望施設…道道588号を経由し車で約1時間30分
※道道588号は例年11月〜5月末は冬季閉鎖。雲海のハイシーズンは6月〜9月。
森田敏隆
もりた としたか/風景写真家。1946年、大阪府生まれ。国立公園の四季折々の絶景、棚田や桜などの日本の原風景を50年以上にわたり撮影し続け、80冊の写真集を発表している。
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