旅の寸景

霧氷の木立と羊蹄山【眼福一景】

文・撮影/森田敏隆

北海道虻田郡真狩村の北側にそびえる羊蹄山(標高1898m)は、別名蝦夷富士と呼ばれる故郷の富士。円錐形の成層火山は富士山によく似た美しい山容を誇る。山麓の夏はジャガイモやニンジン、ユリ根などの作物が栽培され、牧歌的な風景が広がるが、冬は雪が積もり、一面の銀世界へと変貌する。放射冷却の早朝、木々も霧氷に覆われ素晴らしい朝景色。肌を刺す寒気に包まれた雪原のすべてのものが、輝きを増した朝日にまぶしく煌めいていた。

 

支笏洞爺国立公園

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北海道南西部に位置し、森と湖、そして山が織り成す美しい景観で人気の国立公園。洞爺湖エリアは世界ジオパークにも認定されている。羊蹄山、有珠山、樽前山などのさまざまな火山地形や火山現象が見られ、「生きた火山の博物館」ともいわれる。登別、洞爺湖、定山渓など、火山活動の恵みを受けた温泉観光地も魅力だ。日本を代表するカルデラ湖である支笏湖と洞爺湖では、カヌーや遊覧船などのアクティビティーを楽しみたい。

 
DATA|指定:昭和24(1949)年5月16日 面積:99473ha 地域:北海道
環境省 日本の国立公園Webサイト

 

今月の一景へのアクセス

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新千歳空港から真狩村…道央自動車道を利用し、約2時間。

 
森田敏隆
もりた としたか/風景写真家。1946年、大阪府生まれ。国立公園の四季折々の絶景、棚田や桜などの日本の原風景を50年以上にわたり撮影し続け、80冊の写真集を発表している。

 

(SKYWARD2020年1月号掲載)
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