潮風を感じながら約86mの桟橋を渡り、らせん階段を下ると、水深約7mの海中窓の向こうに玄界灘(げんかいなだ)の魚たちが泳ぐ姿が広がる――。佐賀県唐津市・波戸(はど)岬にある玄海海中(げんかいかいちゅう)展望塔は、まさに自然の水族館だ。
開館約50年を迎えた玄海海中展望塔は、2024年4月、驚きの大リニューアルを遂げた。
地下の展望室には天井部分360°をスクリーンとして最新のプロジェクションマッピングが導入され、玄界灘の熱帯魚や迫力ある回遊魚の群れ、幻想的に漂うクラゲが縦横無尽に映し出される。
来場者はまるで海の中にいるかのような、圧倒的な没入体験を楽しめるのだ。
▲魚の大群が押し寄せる、その迫力たるや。出典:唐津市玄海海中展望塔(Instagram)
本記事では、玄海海中展望塔の新たなプロジェクションマッピング体験や口コミ情報、さらにアクセス、料金、駐車場情報やランチスポットなどを、余すところなく紹介。
記事を読めば、玄海海中展望塔での体験を最大限に楽しむヒントが手に入る。海の中に潜ったような感動を、味わってほしい。
目次
海中展望塔とは?
日本海側で唯一の海中展望塔の魅力と歴史
▲外観は至ってシンプル。中に足を踏み入れた人だけが知ることができる世界が広がっている。出典:あそぼーさが(URL)
玄海海中展望塔は1974年に誕生し、日本海側で唯一の海中展望塔として親しまれてきた。波戸岬から延びる桟橋を渡ると、高さ約20m・直径約10mの円筒型の塔がそびえ、水深7mにある展望室には24の海中窓が並ぶ。年間を通して約30種類の魚や海藻、貝類を間近で観察でき、訪れる人々を驚きと感動で迎えてきた。
国内にわずか7カ所しかない海中展望塔の中でも、プロジェクションマッピングを導入しているのはここだけ。外観はシンプルだが、展望室に足を踏み入れると、幻想的で迫力ある海中世界が広がる。約半世紀の歴史と最新技術が融合した、まさに体験型のスポットだ。
リニューアルで加わった新体験
プロジェクションマッピングによる光と海中の融合演出
▲出典:あそぼーさが(URL)
2024年のリニューアルでは、プロジェクター20台に立体音響、ウォーターエフェクトライトなどを設置。
アジやクロダイの群れ、熱帯魚がすぐ目の前をスイスイと泳ぐ姿が映し出され、臨場感あふれる音楽がより海中の世界を幻想的に演出する。まるで自分自身が海に潜り込んだような、没入感に包まれる瞬間だ。
映像は、5分間の「海中を旅するストーリー映像」と15分間の「玄界灘の水面を漂う癒し映像」で構成される。
圧倒的な映像美は、子どもが大喜びすることはもちろんだが、大人も思わず引き込まれてしまうだろう。
施設の基本情報(場所・営業時間・料金)
▲出典:あそぼーさが(URL)
冬は日没が早く、それに伴って海中も暗くなるため、海中窓での観察をメインに楽しむなら早い時間帯の訪問がおすすめ。佐賀県波戸岬海浜公園内に普通車約200台を収容できる駐車場があり、一部は有料になる。
住所 | 佐賀県唐津市鎮西町波戸 |
---|---|
電話 | 090-3464-5337 |
営業時間 | 【4月~9月】9:00~18:00 【10月~3月】9:00~17:00 |
休館日 | 年中無休(荒天時や施設点検日を除く) |
入館料 | 一般1,000円、小・中学生500円、未就学児無料 |
駐車場 | 普通車235台(一部有料) |
URL | https://hadomisaki.jp/ |
滞在時間の目安と利用シーン
▲出典:あそぼーさが(URL)
滞在時間の目安は30分から1時間ほど。季節や天候によって見える魚が変わるので、時間をかけてじっくり観察する人も多い。リニューアルによるプロジェクションマッピングは、特に幼児や小学生に人気。「雨の日の子連れスポットに最適」「子どもたちが、海の生き物に興味を持った」といった声も。
玄海海中展望塔で体験できること
ここで見られる魚や海の生き物
▲出典:唐津市玄海海中展望塔(Instagram)
展望室からはアジ、クロダイ、スズキなど約30種類の魚や海藻、貝類を観察できる。秋には太陽の光を受けてイワシの群れが宝石のように輝く光景に出合うことも。暖流と寒流が交わる波戸岬ではカラフルな熱帯魚も見られることがある。
雨の日でも楽しめる観光スポットとしての魅力
屋内のため、天候を気にせず訪れられる。夏の猛暑や冬の寒さを避けながら海中観察ができるのも大きな魅力だ。
海上デッキからは玄界灘と離島の眺望が楽しめる
▲出典:あそぼーさが(URL)
陸地と約86mの桟橋でつながった海中展望塔の海上デッキからは、玄界灘の島々を見渡すことができる。晴れた日はエメラルドブルーの海が輝き、夕暮れ時にはオレンジ色の空と海が一体化する絶景が待っている。海中だけでなく、外の景観も見逃せない。
玄海海中展望塔ターゲット別の楽しみ方
ファミリー向け
▲出典:あそぼーさが(URL)
プロジェクションマッピングの演出で、子どもは海の仲間になったような気分で玄界灘の海中世界を楽しみながら学べる。海の生き物を紹介するデジタルサイネージもあり、自由研究や夏休みの学習に役立つ。親子で会話をしながら観察する時間は、思い出としても残るだろう。
カップル向け
幻想的な光と海中の景色は、写真映えも抜群で、InstagramやTikTok用に撮影したくなるはず。波戸岬周辺のドライブと組み合わせれば、特別なデートコースとしても楽しめる。
シニア向け
展望室には椅子が設置されているため、座りながらのんびりと海の景色を眺められる。展望塔周辺の散策も心地よく、穏やかな時間を過ごしたい人にぴったりだ。
周辺観光とグルメをあわせて楽しむ
波戸岬(恋人の聖地サテライト)


▲出典:あそぼーさが(URL)
展望塔周辺の波戸岬は「恋人の聖地サテライト」に選定されており、ハート形モニュメントや夕日の絶景スポットはカップルに人気。波戸岬神社などのSNS用の撮影スポットも多数。
波戸岬名物のサザエのつぼ焼き屋台


▲出典:あそぼーさが(URL)
玄海海中展望塔から徒歩で約4分。波戸岬といえば、サザエの壺焼き!屋台のような長屋が連なる一角に、元気なお母さんたちがサザエのつぼ焼きを炭火で焼き上げる。
さざえのつぼ焼き売店
住所:佐賀県唐津市鎮西町波戸1616-1
電話:0955-82-4774
波戸岬海水浴場
▲出典:あそぼーさが(URL)
周辺を散歩するなら「日本の渚100選」にも選ばれた波戸岬海水浴場にも立ち寄りたい。海の透明度が高く、波も穏やかで、小さな子ども連れでも安心して海水浴を楽しむことができる。
波戸岬海水浴場
住所:佐賀県唐津市鎮西町波戸
波戸岬キャンプ場
▲出典:波戸岬キャンプ場(URL)
波戸岬周辺には、玄界灘に面した絶景のキャンプ場があり、そこから見る玄界灘に沈む夕日は感動もの。便利なオートサイトは、AC電源を完備している。
波戸岬キャンプ場
住所:佐賀県唐津市鎮西町名護屋7324
電話:0955-82-2820
URL:https://www.hadomisaki-camp.jp/
道の駅 桃山天下市
▲出典:桃山天下市(URL)
玄海海中展望塔から車で約10分。豊臣秀吉が築いた名護屋城の跡地の玄関口にある「道の駅 桃山天下市」。お土産の他、呼子のイカの活き造りなどを提供する和食処もある。
道の駅 桃山天下市
住所:佐賀県唐津市鎮西町名護屋1859
電話:0955-51-1051
URL:https://momo-ten.com/
玄海海中展望塔へのアクセス
車でのアクセス
▲車なら呼子の朝市にも立ち寄りたい。
・唐津駅から車で約40分
・伊万里市から車で約60分
・佐賀市から車で約80分
・福岡市から車で約90分
公共交通機関でのアクセス
・福岡市から約180分
(鉄道&バス:天神駅→西唐津駅、昭和バス:西唐津駅前→波戸岬)
・西唐津駅から約60分
(昭和バス:西唐津駅前[湊・波戸岬線]→波戸岬)
・唐津駅から約70分
(唐津バスセンター(大手口)まで徒歩約10分、昭和バス:大手口[湊・波戸岬線]→波戸岬)
知っておきたい便利情報
悪天候時・荒天時の営業状況
台風や高波など荒天時には安全のため臨時休館する場合がある。公式サイトやSNSで最新情報を確認してから訪れると安心だ。
海中窓での観察ベストシーズン
▲出典:唐津市玄海海中展望塔(Instagram)
プロジェクションマッピングの演出によって、どんな天候でも楽しめる施設へと生まれ変わった海中展望塔。しかし、「海中のリアルな観察を満喫したい」という方には、7月の晴天で風のない日がおすすめだ。海中の透明度が最も高く、遠くまで魚や海藻の姿を見渡すことができる。
玄海海中展望塔を訪れた人の口コミ・体験談
実際の体験談
「日本海側で唯一の海中展望塔に足を踏み入れた瞬間、プロジェクションマッピングと心地よい音楽が迎えてくれ、その美しい演出に思わず声が出るほど驚きました。水深約7mまで潜るのは少し難しい私でも、ここなら安心して約30種類の魚を間近で観察できます。透明度が高く、魚の姿がより鮮明に見える晴れの日に訪れるのが特におすすめです。海の中にいるかのような感動体験が味わえる、ぜひ一度訪れてほしいスポットです! 」(JALスカイ九州 畑中悠伽)
私が訪れた動画はこちら!(※8:10から海中展望台の紹介)
まとめ|玄海海中展望塔を楽しもう
玄海海中展望塔と周辺観光を満喫するための総まとめ
玄海海中展望塔は、リアルな生き物の観察と圧倒的な映像・音響によるデジタル体験を通して、まるで海の中にいるかのような不思議な感覚になる特別なスポット。
さらに、さざえのつぼ焼きや呼子のイカといった地元グルメ、開放的な海の絶景も楽しめるため、一日中充実した時間を過ごせる。
ファミリーもカップルも、一人旅の方も、ぜひ一度訪れて、ここでしか体感できない海中のイマーシブな世界を楽しんでみてほしい。
玄海海中展望塔とセットで巡りたい東松浦半島の記事はこちら
全国にある半島の魅力をお届けするサイト「半島彩発見」はこちら
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