まるで天空へと駆け上がる坂のよう――。急勾配に見えることから「ベタ踏み坂」の呼び名で一躍有名になったのが江島大橋(えしまおおはし)だ。
島根県松江市と鳥取県境港市とを結ぶこの橋は、テレビCMやSNSで話題になり、今や山陰地方の絶景スポットとして隠れた人気を誇る。
この記事では、
・江島大橋(ベタ踏み坂)の基本情報
・写真映えする撮影スポットや撮影のコツ
・周辺の観光地やご当地グルメ情報
を中心に紹介する。まるでスキージャンプ台のような不思議な絶景写真を撮影しに出かけよう。
目次
江島大橋とは?~話題の「ベタ踏み坂」を徹底解説~
江島大橋の基本情報(所在地・長さ・高さ)
島根県の国宝・松江城から車で約30分。山陰地方の中央に位置する「ベタ踏み坂」こと江島大橋は、鳥取県境港市と島根県松江市を結ぶ、中海(なかうみ)に架かる巨大橋だ。
▲出典:しまね観光ナビ(URL)
橋の全長は1,446m、高さは地上約45m。構造は、橋脚と橋げたを一体化させたPC(プレストレストコンクリート)ラーメン構造で、このタイプの橋としては日本最長を誇る。
「ベタ踏み坂」と呼ばれる理由は?
橋がまるで垂直にそびえる壁のように見えるため、テレビCMで「アクセルを“ベタ踏み”しないと登れない坂道」と表現されたことが由来。
江島大橋はなぜ急勾配に見える? その理由を解説!
一見すると「急勾配過ぎる!」とドキドキしてしまうが、これは写真や映像による、遠近感の圧縮効果によるもの。遠くから一眼レフカメラの望遠レンズなどで撮影すると、手前の道路と奥の橋が圧縮されて重なって見えることで坂の角度が極端に強調され、急勾配に見えるのだ。
実際は橋の勾配は最大6.1%で、アクセルを“ベタ踏み”することなく、軽自動車でも上ることができる。
江島大橋が有名になった理由|車のCMからSNS拡散まで
話題となった車のCMのエピソード
全国的に知られるきっかけとなったのは、2013年に放送された軽自動車のテレビCM。出演した俳優らが「ここをベタ踏み坂と呼ぶ。アクセル“ベタ踏み”だろう?」と話したことで話題を呼んだ。
江島大橋がSNSで拡散されたきっかけとは?
2022年写真・動画共有サイトのインスタグラムで、アラビア語圏のアカウントから投稿された動画が再生回数200万回に迫り、写真映えする絶景スポットとして人気が加速!さらに多くの人が訪れる名所となった。
江島大橋の見どころ・撮影スポットや魅力的な楽しみ方
江島大橋の絶景撮影スポット(島根県側)
断崖絶壁のような写真を撮るなら、江島大橋から松江方面側へ約3km離れた大根島の北西岸がおすすめ。撮影ポイントから江島大橋までは距離があるので、望遠レンズを持参しよう。
車やサイクリング、徒歩でも楽しめる江島大橋ガイド
▲江島大橋の展望スペース。出典:しまね観光ナビ(URL)
江島大橋には歩道があり、徒歩でも渡ることができる。松江側のたもとから頂上の展望スペースまでは約15分で、天気がよければ島根半島や大山まで見渡せる。専用駐車場はないため、路上駐車は厳禁。「ファミリーマート江島大橋店」の駐車場を利用し、マナーとして何か購入してから立ち寄ろう。店内には「ベタ踏み坂」グッズコーナーもある。
また、江島大橋はサイクリングルートとしても隠れた人気があり、中海を一周するコースでは湖畔の景色を満喫できる。
季節で変わる江島大橋のおすすめ鑑賞方法
▲出典:しまね観光ナビ(URL)
年に2回、5月と7月の早朝には、江島大橋の坂道の先に太陽が重なる「ダイヤモンド朝日」を見ることができる。神秘的な瞬間を写真に収められたなら、きっと縁起のいい1年になるに違いない。
江島大橋周辺のおすすめ観光スポットをご紹介!
島根県松江市エリア(八束町・美保関町)の観光地・グルメ情報
牡丹の花で知られる大根島の「由志園(ゆうしえん)」は見逃せない名所だが、2025年の松江市の話題といえばNHK朝ドラ『ばけばけ』。明治時代『雪女』『ろくろ首』などの怪談を海外に紹介した作家・小泉八雲にまつわるスポットも訪れたい。
小泉八雲が愛した「うなぎ処 山美世」
▲小泉八雲御膳 蒲焼 7,000円(数量限定)。出典:うなぎ処 山美世(URL)
江島大橋から松江市中心部方面へ車で約5分。大正3年創業の「うなぎ処 山美世(やまみせ)」は、小泉八雲が愛した味を今に伝える老舗のうなぎ店。洋食好きだった小泉八雲が、鰻の蒲焼は愛した数少ない和食の一つだったとか。予約可能。
うなぎ処 山美世
住所:島根県松江市八束町江島1128-10
電話:0852-76-3198
URL:https://yamamise.com/
牡丹の花を一年中楽しめる「由志園」
▲春の三万輪の池泉牡丹。出典:由志園(URL)
▲夏のドライミスト演出。出典:由志園(URL)
大根島は日本一の牡丹苗の産地として知られ、島内の日本庭園「由志園」では四季折々の牡丹を楽しめる。春の「三万輪の池泉牡丹」や、夏のドライミスト演出、秋の紅葉ライトアップ、冬のイルミネーションなど季節ごとの演出が魅力。
由志園
住所:島根県松江市八束町波入1260-2
URL:https://www.yuushien.com/
地元民にも大人気「味処まつや」
▲海鮮丼(1,980円)。出典:味処まつや(URL)
海の幸をたらふく食べるなら創業約70年の「味処まつや」へ。1日30食限定の海鮮丼は、ボリューム満点で大人気。昼時には行列ができるほどの賑わいだ。松葉ガニのシーズンの11月から2月には、「松葉ガニ定食」もある。
味処まつや
住所:島根県松江市美保関町森山716
電話:0852-72-2327
URL:https://matsuya.shimane.jp/
小泉八雲が訪ねた「美保関」
▲左/小泉八雲記念公園。出典:美保関公式観光ガイド(URL)右/美保神社
小泉八雲ゆかりの地は松江城周辺に多いが、江島大橋から車で約30分、島根半島の東端・三方を海に囲まれた「美保関」も彼が愛した場所の一つ。現在は家族写真の石碑があり、近くには全国のえびす神社の総本宮である美保神社がある。
美保関
住所:島根県松江市美保関町美保関
URL:https://www.mihonoseki-kankou.jp/
江島大橋を訪れた人のリアルな体験談
訪問者の声
▲左/江島大橋。右/日本航空 伊藤宏樹と「水木しげるロード」の鬼太郎。
島根県在住でサイクリストでもある日本航空 山陰支店長・伊藤宏樹が、ロードバイクで“べた踏み坂”こと江島大橋に挑戦!
「遠くから見た時は、“本当にこの急斜面を登れるの?”とドキドキしましたが、いざ走り出すと緊張とワクワクが入り混じり、ペダルを漕ぐのも楽しく感じられました。坂の途中から見える中海の景色が疲れた体に元気をくれて、頂上にたどり着いた瞬間の達成感は格別。下りでは風を切る爽快感もたまりません。距離はそれほど長くないので、体力に自信のあるサイクリストなら十分楽しめるはずです。橋を渡った鳥取県側には『水木しげるロード』などの観光スポットもありますよ」
なお、江島大橋は交通量が多いため、通行時には安全に配慮し、状況によっては歩道で自転車を押して歩くようにしよう。
江島大橋へのアクセス方法と現地情報まとめ
最寄りの空港や駅からのアクセス情報
・JR松江駅より車で約30分
・JR境港駅より車で約10分
・島根県・出雲縁結び空港から車で約50分
・鳥取県・米子鬼太郎空港からは車で約10分
実際に訪問する際の注意点(混雑・マナー)
観光マナーを守ることが、気持ちよく楽しむための基本だ。路上駐車は絶対に避け、横断歩道を含む車道での撮影は大変危険なので、決して行わないこと。歩道等から撮影をする場合も、通行人や車両など周囲の状況をよく確認し、交通ルールを守って、安全に撮影を。
まとめ|江島大橋で非日常を味わおう!
江島大橋観光を満喫するための総まとめ
ベタ踏み坂の愛称で親しまれる江島大橋の周辺には、魅力的な観光地が点在する。ルールとマナーを守りながら、江島大橋でしか撮れない絶景撮影に挑戦し、特別な旅のひとときを満喫しよう。
※掲載施設の情報は変更されていることがあります。お訪ねの際はあらかじめご確認ください。
江島大橋とセットで巡りたい島根半島の記事はこちら
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