赤い空が天頂を越え、広大な浜辺では浅瀬が水鏡となりゆるやかな曲線を描く。ここ、大分県国東(くにさき)半島西側にある「真玉(またま)海岸」は、日本の夕陽百選に選ばれた夕日の絶景スポット。
真玉海岸は干潟の景観で知られるが、鏡合わせのようなリフレクション写真の撮影も可能で、「芸術的に美しい」「日本じゃないみたい」「撮影が楽しい」と、SNSで人気を集めている。
この記事では、真玉海岸の夕陽観賞のベストタイミングや絶景撮影のコツ、アクセス方法や周辺グルメ情報など、初めて訪れる人でも満喫できるポイントをまとめて紹介する。
目次
真玉海岸とは?日本の夕陽百選に選ばれた絶景スポットの魅力
大分の豊後高田市に広がる真玉海岸の特徴

九州北東部・豊後高田(ぶんごたかだ)市にある、真玉海岸。最大の特徴は、沈む夕陽と縞(しま)模様が織りなすダイナミックな美しさ!
“日本の夕陽百選”に選定され、2021年には国の登録記念物(名勝地関係)にも登録された。名実ともに、その美しさはお墨付きといえる。
ではなぜ、夕暮れに美しいしま模様ができるのか。真玉海岸は遠浅の地形で、潮の干満差が大きい。さらに真玉海岸は大分県で唯一、西側にある海岸なので、砂紋の間に残る水に夕陽が映り込むことから、しま模様が一層くっきりと浮かび上がる。
真玉海岸で“鏡面リフレクション”が撮影できる


浜のしま模様で知られる真玉海岸だが、撮影する場所や画角を工夫すれば「まるでウユニ塩湖!?」と錯覚してしまうほど、水面が鏡のように見える、知る人ぞ知る絶景スポットだ。
無風、もしくは風速1m/s以下であれば水面が安定し、鏡のように人物のシルエットをシャープに映し出してくれる。
真玉海岸の夕陽鑑賞:ベストタイミングと絶景スポット

夕陽の見どころと撮影スポット紹介
日の入り前で、潮が引いて海面が最も下がる“干潮”のタイミングがベスト。特に「中潮~大潮」で干潮時刻が日没に近いと、水面の反射が強まり、しま模様がよりくっきり映える。
シャッターチャンスは日の入り時刻の10分前~10分後ほどの限られた時間。撮影にこだわりたい場合は、あらかじめ場所を決めてスタンバイしておきたい。
また、晴天で雲が高めに浮かぶ季節、10月~11月の寒さが訪れ始める秋口には、特に美しい夕焼けに出合えることが多い。
夕陽鑑賞に向けた事前準備(干潮時間・潮見表・ライブカメラ等)
「真玉海岸の干潮はいつ?」「どのタイミングで行けばベストな絶景に出合えるのか?」
ズバリ即答してくれるのが、豊後高田市公式観光サイトにある「真玉海岸 干潟夕陽ごよみ」だ。ここでは“夕陽鑑賞のオススメ日時”が数カ月先まで掲載されているので、絶景を見逃したくない人は事前にチェックしておこう。
さらに、真玉海岸はライブカメラでリアルタイム映像も配信されている。訪問前に確認すれば、現地の状況を把握でき、イメージがぐっと広がるはずだ。
「真玉海岸 干潟夕陽ごよみ」日の入り時間と潮~オススメの日~(公式観光サイト)
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/1462.html
ライブカメラ
www2.city.bungotakada.oita.jp/cam6/local/viewer/live/index.html?lang=ja
大分県の天気予報
https://tenki.jp/forecast/9/47/
真玉海岸へのアクセス方法と駐車場・交通情報

車でのアクセスルート
・東九州自動車道「宇佐IC」または「大分農業文化公園IC」から約40分
・大分空港から約50分
・別府温泉から約70分
公共交通機関の利用案内
・JR宇佐駅から大分交通バス(伊美行き)で約35分、泊下車。徒歩3分
※バスは1日5~6本なので、時刻表の確認を。
【公式】大交北部バス時刻表<豊後高田>
www.city.bungotakada.oita.jp/uploaded/attachment/10837.pdf
訪問時の注意点や混雑予想、駐車場情報
晴天の夕暮れ時、干潮時は写真愛好家が場所取りをしていることが多いため、早めの到着を心がけたい。カーナビには「豊後高田市臼野5125」と設定するとスムーズだ。
なお、3~5月の潮干狩りシーズンは駐車場が混雑することがある。真玉海岸には無料駐車場(約50台)の他、「ゆうひテラス」の駐車場などもあるため、いずれかには停められるはずだ。
四季を通じた楽しみ方:潮干狩り・海水浴
春の干潮時の潮干狩り

潮干狩りといえばアサリが一般的だが、真玉海岸は細長い筒状のマテ貝が採れることで知られている。春(3~5月ごろ)には、干潮時に「マテ貝掘り開放日」として開場し、チケットを販売する。
日程は春先に確定するため、豊後高田市の公式観光サイト「イベント・トピックス」で確認を。
【公式】豊後高田市公式観光サイト(イベント・トピックス)
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/list1.html
夏季の海水浴情報
真玉海岸は遠浅で波が穏やかで、実は海水浴にも適した海岸だ。シャワー施設もある。ただし、ライフセーバーや監視員は常駐していないため、十分に注意したい。
真玉海岸周辺の観光・グルメスポット
真玉海岸周辺の観光スポットと文化・自然の見どころ
昭和の町

昭和30年代の街並みを保存・再現した「昭和の町商店街」でレトロ散歩を楽しめる。古い薬局や雑貨店、喫茶店が軒を連ね、「昭和ロマン蔵」や無料で乗れる「ボンネットバス」など、昭和グルメや駄菓子の食べ歩きも魅力だ。
【公式】昭和の町商店街
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/
チームラボギャラリー真玉海岸

▲出典:大分県観光情報公式サイト(URL)
真玉海岸から約600mの場所にある「チームラボギャラリー真玉海岸」では、国東半島芸術祭(2014年)で発表されたチームラボの参加型デジタルアート作品を常設展示。比較的空いているため、静かにゆったりと没入体験ができる。料金:一般(大学生以上)420円/小・中・高校生270円/未就学児無料
【公式】チームラボギャラリー真玉海岸
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/1288.html
宇佐神宮

真玉海岸へ行くのなら、大分を代表するパワースポットに立ち寄りたい。国東半島の付け根にある宇佐神宮は、全国4万社余りの八幡社の総本宮。切妻屋根の建物が前後に並び、その間を廊下と大きな樋がつなぐ「八幡造(はちまんづくり) 」の本殿は国宝に指定されている。
【公式】宇佐神宮Webサイト
www.usajinguu.com/
飲食店やカフェの紹介
真玉海岸 恋叶♥ゆうひテラス

▲出典:SOBA CAFE ゆうひInstagram(URL)
2023年に真玉海岸沿いにオープンした3階建て施設で、1階にはカフェ「SOBA CAFE ゆうひ」があり、豊後高田産の手打ちそばや地魚の海鮮丼、ソフトクリームなどのスイーツを提供。
【公式】真玉海岸 恋叶♥ゆうひテラス
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/15302.html
【公式】SOBA CAFE ゆうひ
www.instagram.com/sobacafeyuuhi
カフェ バー ブルヴァール

▲出典:豊後高田市公式観光サイト(URL)
「昭和の町」にある、昭和の学校給食をモチーフにしたレトロなカフェ。揚げパン、クジラの竜田揚げ、フルーツポンチ、瓶牛乳などがアルミのトレイで提供される。学校机と椅子が並ぶ奥の座席に座れば、さらに当時の気分を味わえる。
【公式】カフェ バー ブルヴァール
www.bungotakada-onsenza.com/bar.php
恋叶(こいかな)ロード

▲出典:大分県観光情報公式サイト(URL)
真玉海岸に行くなら、約20km続く“恋がかなう道”「恋叶(こいかな)ロード」へドライブ! 縁結びの神様「粟嶋社」では、海中に石を投げ込む願い石“叶え岩”で願掛けができる他、壁画が楽しい「恋叶トンネル(真玉人道トンネル)」も見どころ。ゴールは花とアートで知られる岬エリア「花とアートの岬・長崎鼻」へ!
【公式】恋叶ロードWebサイト
www.city.bungotakada.oita.jp/site/showanomachi/2056.html
【map】恋叶ロード
www.google.com/maps/d/viewer?mid=11bBfOtutzpp_d6IsBr2QttxCgNI&usp=sharing
口コミ・訪問者の体験談で知る真玉海岸の魅力
実際の体験談

JALふるさとアンバサダー(JAL 大分支店)の小原井美月が、真玉海岸へ行ってきました。
「恋叶ロードの沿線にある真玉海岸へ行ってきました。
夕日がゆっくり水平線に近づくにつれて、海岸全体がオレンジ色に染まり始め、潮が引いた海に残った水面がまるで鏡のように茜色の雲や空まで映り込んで、思わず見とれる美しさでした。
夕焼けに包まれながら写真を撮る人々のシルエットも美しく、まるで絵画の中に入り込んだ幻想的な景色に出合えますよ」
まとめ|真玉海岸ならではの感動の絶景体験


真玉海岸は、晴天と干潮が揃った夕暮れ時にだけ現れる奇跡の絶景で、日本の夕陽百選にも選ばれている。
周辺には「昭和の町」やチームラボギャラリー、宇佐神宮などの観光スポットも充実。
干潮時刻や天候を事前に確認して訪れれば、真玉海岸ならではの特別な夕景を心ゆくまで楽しめるだろう。
大分県・国東半島を訪れる際は、夕暮れの真玉海岸を旅程に組み込み、一日の締めくくりとして感動の景色を体験したい。
真玉海岸とセットで巡りたい国東半島の記事はこちら
全国にある半島の魅力をお届けするサイト「半島彩発見」はこちら
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