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2020年は三連休! 「勤労感謝の日」の由来と過ごし方

2020年も残すところあと約5カ月。今年は、新型コロナウイルス感染症拡大により、私たちの働き方を考える機会が増えた。しかし、働き方は変われど、私たちが「働くこと」はこれからも続いていく。

 
11月23日は、労働に感謝する日、「勤労感謝の日」。日々の労働の疲れを癒やす祝日としてゆっくり過ごす。そんな方も多いかもしれない。国民の祝日として馴染み深い日だが、その由来をひもとくと、日本の奥深い歴史を知ることにもつながるだろう。

 

勤労感謝の日の歴史。11月23日に定められた理由とは?

カレンダーイメージ

 
日本の国民の祝日として定着している勤労感謝の日。毎年11月23日で、日付は変わらない。平成から令和になり、「天皇誕生日」が2月になったため、1年で最後の祝日となった。

 
勤労感謝の日は昭和23(1948)年、「国民の祝日に関する法律」で、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを目的に定められた。

 
制定された当時、既に戦後の復興が始まっていた。人々は、家族や会社、国の発展のため、身を粉にして働いていた。そんな時代の日本にマッチした祝日だといえる。しかし、勤労は日常的なことでもある。本来であれば、毎日勤労に対する感謝をしてもよいはずだ。それがなぜ11月23日に制定されたのか。

 
その理由をひもとく鍵は、勤労感謝の日が生まれた背景にある。そこには、「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれる宮中の祭典が深く関係している。

 

勤労感謝の日の由来、新嘗祭

新嘗祭イメージ

 
新嘗祭とは、その年に収穫された新穀を神に捧げ、収穫を感謝する風習のこと。具体的には、天皇陛下が新穀の収穫を天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとした神に感謝し、自らも新穀を食べる宮中行事として、現在も皇室に受け継がれている重要な祭祀の一つである。いわゆる、秋の収穫祭といったところだ。

 
新嘗祭は、明治6(1873)年に祝日として11月23日に制定された。それ以前は、旧暦の「11月の2番目の卯の日」が新嘗祭の日と定められていた。

 
なぜ、11月の2番目の卯の日なのか。2番目の卯の日は「中卯(なかう)」で旧暦の11月13日~24日。旧暦11月15日ごろの「冬至」に当たる。太陽が一年のなかで最も日照時間が少なく、この日を境に昼の時間が増えていく頃である。その太陽は天照大御神のことで、子孫である天皇が新穀を食べることで力をつけるという意味合いがあるようだ。

 
しかし、この祝日としての新嘗祭も戦後に終わりが訪れる。天皇陛下の宮中祭祀としての新嘗祭と国民の行事を切り離すために、昭和23(1948)年に勤労感謝の日という名称に改称。その後、勤労感謝の日は今日まで続く国民の祝日となった。先に述べた勤労に感謝する日として位置づけられ、その意味も含めて、多くの国民に親しまれている。

 

3連休の勤労感謝の日。今年はどう過ごそう

今年の勤労感謝の日は月曜日で、11月21日~23日まで3連休となる。この頃は、ちょうど紅葉が美しく色づき、見頃を迎える。肌寒い季節ではあるが、空気が澄み渡るため、外の空気も吸いたくなるだろう。また、せっかくの連休だから家でゆっくり過ごす方法もある。さまざまな過ごし方があるが、ここではその例を挙げてみよう。

 

勤労感謝の日をきっかけに、感謝の気持ちを伝える

感謝の気持ちイメージ

 
「勤労」とは、心身を働かせて仕事に励むことや、報酬を得て定められた仕事をするということを意味する。

 
そのため、勤労感謝の日は賃金発生の有無にかかわらず、何らかの仕事や労働をしてくれる方々に感謝をする日といえる。報酬を得て働いている方はもちろん、家庭で家事や育児をする夫婦、地域の子どもたちを見守るご年配の方、ボランティアの方々など、勤労している周りのすべての方々に感謝を伝える日ということだ。

 
日頃なら、「いつもありがとう」と感謝の気持ちを伝えるのは気恥ずかしく感じるかもしれない。勤労感謝の日をきっかけに、大切なあの人に感謝や労いの言葉を贈ってみてはいかがだろうか。その言葉は、相手を喜ばせ温かい雰囲気を生みだすだろう。

 

自分をいたわり、少し特別な1日を過ごす

温泉イメージ

 
目まぐるしく過ぎ去る日々に自分のことはつい後回しになってしまう、という方も少なくないだろう。勤労感謝の日は、自分をいたわるにはもってこいだ。この日を自分にとって少し特別なものにしてみよう。例えば、温泉に入って、日々の疲れを癒やす時間をつくってみるのはいかがだろうか。

 
温泉に行って広々とした露天風呂に浸かれば、忙しい日常から少し離れてリフレッシュできるはずだ。インターネット検索サイトで「勤労感謝の日 温泉」などというキーワードで検索してみると、勤労感謝の日に特別な割引やイベントを行っている温泉施設の情報が見つかるだろう。

 
いつも頑張っている自分自身に感謝し、自分をいたわる。そんな一日があれば、多忙を極める年末年始に向けての活力を養うこともできそうだ。

 

自然に感謝。紅葉狩りに行く

紅葉イメージ

 
秋も深まり、冬の足音が近づく晩秋。赤や黄色に色づく紅葉を見に行き、季節の移ろいを感じるのも一案だ。このときばかりは、携帯電話を家に置いて仕事から離れるのもよいだろう。

 
日本各地には、紅葉が美しい観光地が数多く存在する。安全には気を配り、これらの観光地に出向くことを検討してもよいが、近くの公園などへ紅葉狩りに行くだけでも新たな発見があるかもしれない。

 
綺麗な紅葉を眺め、秋の澄んだ空気を胸いっぱい吸い込んで、自然に感謝する。それもまた、勤労感謝の日の乙な過ごし方だ。自然にどっぷり浸かって感謝することは、自分をいたわることにつながり、英気を養うことにもなるだろう。

 

お米の恵みに感謝し、日本酒を楽しむ

お酒イメージ

 
その年の五穀豊穣に感謝し、国家の安泰を祈願する新嘗祭と深く関係する勤労感謝の日。なかでも新米で作る日本酒は格別な味だが、秋に楽しむことができる日本酒といえば、「ひやおろし」が有名だ。

 
ひやおろしは、冬に造られた新酒に春先に火を入れ加熱殺菌し、劣化を防ぐ。その後、貯蔵庫の中でひと夏眠らせて、熟成させる。外の気温と貯蔵庫の中がちょうど同じぐらいの温度になる秋、二度目の火入れをせず、冷やのまま卸され出荷されることから、ひやおろしと呼ばれる。ほどよく熟成した、秋の酒の代表格だ。

 
通常、日本酒は発酵をストップさせ、微生物を殺菌し香りを保たせるため、貯蔵前と出荷前の二度、火入れをする。一方、一度しか火入れをしないひやおろしは、瓶の中で熟成が進み、出荷前には加熱殺菌しないので、例えば9月と11月では味わいが大きく変わることもある。同じ日本酒でも飲む時期によって、米の香りや味わいの変化を楽しめるということだ。

 
米の旨味がふんわりと口いっぱいに広がる日本酒を飲みながら、お米の恵みに感謝する。また、美味しいお米を作ってくれる生産者やお酒を醸造する酒造業の方々へ思いを馳せてみる。そんな勤労感謝の日も、なかなか趣が感じられてよいものだ。

 

人や自然に感謝し、自分もねぎらう

勤労感謝の日が定められて今年で72年がたつ。現在では、労働を感謝する祝日として広く認知されている。しかし、もともとは秋の収穫に感謝し、国家の安泰を祈願する新嘗祭が深く関係していた。
 

今年の勤労感謝の日には、まだまだ知らない日本の美しい秋の風景や味覚を感じたいものだ。もちろん遠出をしなくても、身近な人々や自然に感謝をすれば、自分自身も癒やされるような温かい時間を過ごすことができるだろう
 
 

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