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12月7日は「大雪」。旬の野菜を取り入れよう

12月に入ると寒さが厳しくなってくる。日本の北部や日本海側では積雪や雪かきの話題も聞こえてくる。このような気候を、「二十四節気」ではなんというのだろうか。

 
二十四節気の豊かな世界に触れつつ、この時季ならではの過ごし方を考えてみよう。

 

二十四節気「大雪」の意味と由来

2020年の大雪は12月7日からで、国立天文台によれば、夜中の1時9分から21日の19時1分台までが大雪の期間だ。このように、二十四節気は最初の日だけではなく、本来は期間を示す。

 
文字のとおり、この時期から雪が多くなることに由来する。二十四節気をさらに約5日区切りで分けた「七十二候」では、この15日間を表すのは「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる」)」「熊蟄穴(くまあなにこもる)」「鱖魚群(さけのうおむらがる)」の3つである。

 
「閉塞成冬」の「塞」は「さむ(く)」と読み下すが、「寒」という字ではないところに注目いただきたい。空が厚い雲に覆われ、天地の気が塞がれるイメージで「塞」の字が当てられている。

 
残る「熊蟄穴」と「鱖魚群」は、クマが冬ごもりするため穴に入る様子と、産卵のためサケが川を遡上していく様子をとらえた七十二候の名称。ただ、「鱖魚群」のサケに関しては、遡上だと多少時期外れのため「オイカワ」という魚が冬季に群れて泳ぐことを表しているのでは、という説もある。

 

大雪の頃に旬を迎える食べ物で食養生

大雪(たいせつ)の文字どおり大雪(おおゆき)や大寒波がくるこの季節には、しっかりと滋養をとりたい。旬の食材を上手に取り入れ、美味しく健康的に冬を乗り越えたいところだ。

 
今回は旬の野菜を紹介しよう。

 

春菊(シュンギク)

春菊

 
「春菊」とはその名のとおり、キク科の植物で、西日本では「菊菜(キクナ)」とも呼ばれる。独特の香りがあり、主に東アジアで食べられている野菜だ。

 
東日本と西日本で栽培品種や好まれる香味が違うのが興味深い。東日本の春菊は葉の切れ込みが深く香りが強いものが多く、西日本では葉の切れ込みが浅く香りが少ないものが多い。

 
ヨーロッパではあまり食用にされないが、和食への応用度が高く、味噌汁や炒め物のほか、鍋の野菜としても欠かせない。水耕栽培などで生食用の品種もあり、そうしたものはサラダにしても美味。

 
栄養素としては、βカロテンが豊富。βカロテンは抗発ガン作用や免疫賦活(免疫を活発にする)作用で知られているが、そのほかにも体内でビタミンAに変換され、髪の健康や視力の維持、粘膜や皮膚の健康維持、呼吸器系統などを守る効果が期待されている。

 

白菜(ハクサイ)

白菜

 
冬になればスーパーにずらりと並び、重宝される「白菜」。春菊などほかの旬野菜とともに和風の鍋料理によく用いられるほか、サラダや漬物、炒め物、クリーム煮など和洋中のさまざまな料理に使える。約95%は水分で、みずみずしさが魅力である。

 
白菜は国が取り決めた指定野菜14品目の一つである。指定野菜とは、消費量が多く国民生活にとって重要性が高い野菜として、野菜生産出荷安定法によって定められた野菜のこと。

 
そんな食卓の定番野菜だが、白菜は中国原産の野菜。白菜が日本にもたらされたのは明治8年東京で開催された博覧会がきっかけ。その後、日清・日露戦争の兵士によって種が持ち帰られ、本格的に栽培されるようになったという。

 
気になる栄養素だが、ビタミンやミネラル、アミノ酸などがまんべんなく含まれている。

 

ネギ(長ネギ)

ネギ

 
「ネギ」は奈良時代は日本に伝来したといわれているものの、それ以前に栽培していたという説もある。いずれにしても、日本の食文化に深く根づいた食材である。鍋料理などに具材として用いたり、生のまま薬味として用いたりと重宝されている。ネギのなかでも白い部分を食べる「根深(ねぶか)ネギ」を、一般的に「長ネギ」や「白ネギ」と呼び、これらは青の部分を食す「葉ネギ(青ネギ)」と区別している。

 
ネギといえば、独特の香り。この香りのもととなるのは、硫化アリルと呼ばれる成分である。ネギ類やニンニクなどに含まれ殺菌効果があるとされたため、「ネギを首に巻くと風邪が治る」という迷信が生まれたのだろう。硫化アリルは体の中に入ると、「アリシン」という成分に変わり、疲労回復や殺菌作用が注目される。また、ビタミンB1の吸収を助ける作用があるので、ビタミンB1を多く含む豚肉などと一緒に食べるのがよいとされている。

 
アリシンは水溶性で熱に弱いため、生で食べるのが理想的。ただし、胃が荒れることなどがあるので、生ネギの食べ過ぎには注意が必要だ。また、水に溶け出した栄養成分ごと取り入れられる汁物や鍋料理も効果的である。

 
さらにいうと、ネギの青い葉の部分にはβカロテンが豊富に含有されているので、捨てずにきれいに洗って食べてほしい。ネギは旬を迎えると甘く香りもよくなっていくので、冬の食卓に欠かせない。

 

大根(ダイコン)

大根

 
正月7日の七草がゆに「すずしろ」としても使われる「大根」は、冬が旬。といっても、これは主に関東近郊での話だ。千葉県は2018年の大根の出荷量が全国2位。1位は北海道で、北海道産の大根は6~10月に旬を迎える。

 
そのため、月ごとの出荷量で見たとき、夏から秋にかけては北海道産、冬から春にかけては千葉県や神奈川県、栃木県など関東近郊の大根が出荷量の上位を占める。産地を変えると長期間食べることができるのがわかるだろう。

 
美味しい大根の見分け方だが、肌が白くひげ根が少なく、大きさのわりに重量感を感じるものを選ぼう。活き活きとしている葉付き大根が好ましい。

 
生食・漬ける・煮る・焼くなど、用途豊富な大根だが、特徴的な使い方としてすりおろして食べることもできる。大根にはジアスターゼという消化酵素が含まれており、消化を助ける効果がある。また、大根の葉はとても優秀な栄養源だ。βカロテンやカルシウムの含有量が特に多く、ほかに鉄や葉酸、ビタミンEなども含まれる。

 

水菜(ミズナ)・京菜(キョウナ)

水菜

 
「水菜」は京都原産で、関東では「京菜」と呼ばれることもある。今でこそハウス栽培により一年中手に入るようになったが、それ以前の京都では「水菜が並び始めると冬本番」といわれるほど、冬の定番野菜であった。

 
水菜はクセのない味わいながら、肉や魚の臭みを和らげてくれる。また、その歯ごたえや味から、あまり栄養がないのではと思われることもあるが、βカロテンが豊富。ビタミンCも多い優秀な緑黄色野菜だ。若い水菜は特に穏やかな味わいなので、野菜嫌いな子どもにも積極的に食べさせたい。

 
豊富なビタミンCを活かすには、サラダや和え物にするのがお薦め。鍋に入れるのも定番だ。カサが減るのでその分たっぷりと量を食べられる。少し贅沢に牡蠣と水菜のペペロンチーノなど、パスタの具材にもよい。

 

旬の野菜を食べて、厳しくなる冬を乗り切ろう

忙しい日々のなかで、四季の感覚を見失いがちだが、気節は確実にめぐってくる。空が塞がって動物たちも冬支度を始める師走には、寒さと年末の忙しさとが相まって体調を崩しがち。また、これから訪れるクリスマスや大晦日、お正月に備えて少しでも体調を整えておきたい。

 
そんなときこそ、旬の食材が頼り。美味しいだけでなく安価で、さらにその季節の身体に望ましい栄養を提供してくれる。美味しく冬を乗り切りたいものだ。
 
 

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