日本のスキー場は、世界中から注目を集めていることをご存じだろうか。なかでも北海道は、海外からも多くの観光客が訪れる人気のスキー王国。そう、北海道には世界に誇れるスキーリゾートがたくさんあるのだ。
ここでは、もう何十年もスキーに行っていないけれど久しぶりにスキーに行こうか考えている人のために、この10年、20年で劇的に進化した最新スキー事情と合わせて、北海道のおすすめスキーリゾートを紹介しよう。
目次
初心者でも1日で滑れるように! 進化した最新スキーギア
「何十年ぶりにスキーに行ってみたいけれど、道具もないし、うまく滑れるか不安……」という方こそ、ぜひスキーを再開してほしい。
1990年代のスキー板は長く、ターンをするのも難しかったが、現在のスキー用具は劇的に進化し、昔に比べてはるかに扱いやすくなった。もしも久しぶりにスキーをする方は、かつてのスキー用具との違いに驚くにちがいない。昔は何度もスキー場に通ったけれどなかなかできなかったパラレルターン(両スキーを揃えて滑るテクニック)が、カンのいい人ならば1日で習得でき、2日もあれば滑れるコースは確実に増えているだろう。
だからブランクがあっても大丈夫。スキー板は「長い、曲がらない、難しい」から「短い、曲がる、簡単」へと変貌し、スキーはより身近なスポーツへと変わったのである。
最新スキーがその場でレンタルできる
こうした最新のスキー用具が、各スキー場でレンタルできるようになったのも嬉しい変化だ。かつてスキー場のレンタルといえば、最新のスキー用具など借りることはできず、使い古されたものが貸し出しされていた時代もあった。しかし、今は違う。最近は、最新のウェアや小物なども充実しているので、気軽に手ぶらでスキー場に行ってもレンタルで楽しめるのだ。
【ニセコ・ユナイテッド】世界に類をみない極上のパウダースノーを満喫!
北海道には、大小さまざまなスキー場があるが、なかでも世界的に有名なのがニセコだ。最大の魅力は、“Japow(ジャパウ/ジャパンとパウダーを組み合わせた造語)”と称されるパウダースノー。世界に類を見ないフカフカの雪質は世界中のスキー愛好家に評判が広まり、シーズンになるとそのパウダースノーを求めて海外からも多くのスキーヤー・スノーボーダーが集まるようになった。
ニセコは、「ニセコ・ユナイテッド」と呼ばれる、ニセコHANAZONOスキー場、ニセコグラン・ヒラフスキー場、ニセコビレッジスキー場、ニセコアンヌプリ国際スキー場の4つの個性的なスキー場が連なる一大スキーエリア。各スキー場は、コースやバスで連結され、初心者からエキスパートまで、すべてのスキーヤー・スノーボーダーを満足させるバリエーション豊かなコースを楽しむことができる。
ニセコに行くならぜひ体感してほしいのが、やはり世界中のスキーヤー、スノーボーダーを虜にするパウダースノーだ。パウダースキーの醍醐味は、真っ白なキャンバスのようなゲレンデに自分のシュプールを描けること。スキー場によってはあえて圧雪しないコースも多く、深夜にしんしんと雪が降り積もった翌日の朝一のゴンドラ前には、その手つかずの新雪を求めて長蛇の列ができる。
ファットスキーで深雪を滑ろう!
もしもこのパウダースノーをとことん楽しみたいならファットスキーをおすすめしたい。スキー板に浮力を持たせるため通常のスキー板よりも幅広に設計されたファットスキーは、深雪に埋まっていくのではなく、表面を浮くように滑れるため、より手軽にパウダースキーを楽しめるようになっている。ニセコではこのファットスキーをゲレンデに隣接するレンタル施設や、ニセコ町内のスキーショップでも借りることができるので、ぜひ試してみよう。雪の上を滑るようなその独特の浮遊感は、きっと新しい発見になるはずだ。
より詳しいニセコ・ルスツのスノーリゾートに関する記事はこちらへ!SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ
【ルスツリゾート】大人も子どもも“贅”を尽くしたスキー旅行を!
ファミリースキーならば、ルスツリゾートをお勧めしたい。ゲレンデはもちろん、エリア内には温泉やプール、レストランから小さなショッピングモールまで、スキー以外の楽しみもたくさんそろっているからだ。
以前、友人家族と2泊3日でルスツにスキー旅行に行ったときのこと。同リゾートでは最新のサロモンやアトミックなどの高級ブランドの用具を借りることができるため、自分のスキー用具は持って行かずにホテルでスキー一式をレンタルすることにした。荷物が少なくて済み、飛行機での移動もとても楽なのは、ファミリースキーには大変助かる。
朝、羽田空港から新千歳空港へ。空港からルスツリゾート直通のバス(約2時間)に乗ればお昼頃には到着するため、午後から早速滑ることができる。
宿泊はホテルではなく、ゲレンデ内にあるログハウスを1棟まるごと貸し切った。これは大勢だからこそできる贅沢だ。食事はホテル内にある郷土料理の店で北海道の幸と旬にこだわった会席料理を堪能。子供たちはイルミネーションを楽しみつつログハウスでゆっくり過ごし、大人たちは暖炉の前で薪が燃えるのを眺めながらグラスをかたむけ、時間を気にすることなく深夜まで語り合った。
2日目も朝からスキーを楽しみ、ランチ後はお昼寝。夕方からは波の出る温水プールで遊んでから温泉へ。この日のディナーはフレンチ。食後は国内最大級のガラススクリーンに映し出されたアイヌの物語をベースとした北海道賛歌の迫力のある映像を鑑賞するなど、時間が許される限り北海道旅行を満喫した。
このほかにも、スノーバイクや犬ぞりなど雪上を満喫するアウトドア・アクティビティーをはじめ、ロウソクづくりやレザーワーク、マイ箸づくりのクラフト体験や、地元の素材を使ったアイスクリームやジャムづくりのインドア・アクティビティーなど、2泊3日では遊びきれないほどさまざまな“遊び”が用意されている。スキー以外にも楽しみがたくさんあるので、たとえば女性陣はエステやショッピングなどでゆっくり寛ぎ、男性陣は朝から晩までスキーを満喫、なんて楽しみ方もできるのだ。
より詳しいニセコ・ルスツのスノーリゾートに関する記事はこちらへ!SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ
【富良野スキー場】「ファーストトラック」で誰もいないゲレンデを独り占め!
ドラマ『北の国から』の舞台としても知られる富良野。豊かな大自然に恵まれたこの富良野には、スキーワールドカップも開催された富良野スキー場がある。
旭川空港からバスに乗って約1時間20分。北海道の中央部に近いところに位置する富良野スキー場は、富良野ZONEと北の峰ZONEの二つに分かれており、バリエーション豊かな24ものコースが用意されている。
富良野スキー場に行ったらぜひ体験してほしいのが、富良野ZONEのザイラーコース(スピースコースの場合もあり)で行われる「ファーストトラック」。これは、通常営業前のロープウェーに乗って、まだ誰も滑っていない、きれいに圧雪されたバーンを滑るという期間限定のサービスだ(完全予約制)。コースには誰もいないのでいつもより少しだけスピードを出して楽しむのもよし。広いゲレンデを独り占めする気分をじっくり味わいながら優雅にクルージングするのもよし。朝一のきれいに圧雪されたバーンを滑る快感は、きっと貴重な体験となるだろう。
富良野スキー場「ファーストトラック」
期間:2020年1/5(日)〜2/9(日)までの毎週日曜日、2/11(火・祝)、2/16(日)、2/24(月・祝)
時間:AM7:20富良野ロープウエー山麓駅舎前集合(AM7:40出発)
料金:1人1,400円
申し込み方法:完全予約制。前日17:00までに富良野スキー場ファーストトラック係に申し込み。
問い合わせ先:0167-22-1119
富良野スキー場
URL:princehotels.co.jp/ski/furano/winter/
【星野リゾート トマム】“極寒”を楽しむユニークな冬体験
最後にご紹介したいのが、星野リゾートが運営するトマムスキー場だ。“ありのままの自然を楽しむ”をコンセプトとした「上級者限定解放エリア」や、レベル別に3つのレーンで構成されたスロープスタイルエリアなど、ファミリーから上級者まで幅広いスキーヤー・スノーボーダーが楽しめるスキー場以外にも、宿泊者の好奇心を刺激する独自のツアー企画がいくつも用意されている。
たとえば、満月の夜に雪原をスノーモービルで駆けめぐる「月光スノーモービルツアー」。1日1組限定のツアーなので広大な雪原は貸し切り状態。ガイドが一緒に走ってくれるので、スノーモービルを運転したことがない人でも安心してツアーに参加できる。
ツアーのハイライトは、「お月見ベース」でのちょっとした冬キャンプ体験。テントの前に準備された焚き火で暖をとりながら、ウィスキーや日本酒のグラスを片手に月を鑑賞する。そんな贅沢な大人の時間が体験できる。
そのほかにも雪上車で行くスノーシューツアーや、気温がマイナス30度まで下がるトマムならではの気候を生かしてつくられたアイスヴィレッジの探索など、ここでしか味わえない冬の体験がたくさん用意されているのだ。
星野リゾート トマム
TEL:0167-58-1111
住所:北海道勇払郡占冠村中トマム
URL:snowtomamu.jp/winter/
スキー王国・北海道には、このほかにも魅力的なスキー場がたくさんある。共通しているのは、北海道ならではの良質なパウダースノー。雪に包まれた大自然に癒やされ、大斜面を滑り降りる快感は、きっと旅心を満たしてくれるだろう。
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