風が涼しくなった秋、澄んだ空気が気持ちよい冬。秋や冬にこそキャンプがおすすめだ。夏に比べると利用者も少なく、のびのびと過ごすことができる。
キャンプで大事なのは心地よく過ごす場所づくり。そのために、秋冬のキャンプでは、まずは暖かさを確保したい。
なかでもストーブは必須だろう。安全に暖かく、さらには便利で、雰囲気もよいストーブがあれば、秋冬キャンプの満足度はアップするはず。
ストーブは、暖をとるだけでなく、テントの中では照明代わりにもなり、さらには熱を利用して調理ができるものもある。
本記事では
・キャンプ用ストーブのバリエーションと選び方
・キャンプストーブのおすすめ9選
について紹介する。
ではさっそく、アウトドアにおすすめのストーブを見ていこう!
目次
キャンプ用ストーブのバリエーションと選び方
アウトドアで使用するなら、燃料のタイプ、求める暖かさのレベル、持ち運びのしやすさ、テントとの相性、安全性などをしっかりとチェックしてほしい。
使用頻度や、キャンプ以外での使用なども考えながら選ぶことで、大活躍のストーブが見つかるはず。
燃料タイプ別の性質を知ろう(石油・ガス・薪・電気)
まずは燃料のバリエーションを知り、自分に合ったタイプを選んでみよう。キャンプストーブの燃料は、石油、ガス、薪、電気が多い。以下に簡単に解説した後、項目別に詳細に紹介していこう。
石油はガソリンスタンドなどで「灯油」として販売されており、気軽に入手できる。燃料の入手のしやすさ、あたたかさなどは魅力だが、しっかりとした造りで重いタイプが多いので、車での移動が前提となる。
ガスストーブはカセットボンベを使うものが多い。コンパクトなタイプも多く、荷物を軽くしたい人に向いている。比較的暖かい季節や、サブ暖房として使うのがおすすめ。
薪ストーブは、薪ストーブが使用できる専用テントでなければ、屋外での使用となる。薪も運ぶので、荷物は多めになる。暖かさの満足度は一番高いはず。
上記いずれのストーブも、テント内で使用する場合は一酸化炭素中毒と火災に注意しよう。換気を十分に行い、空気をこまめに入れ替えよう。一酸化炭素検出器を持っていくと安心だ。
この点電気ストーブなら安心だ。さらに転倒を検知して自動で停止する装置がついたタイプも多く、子どもやペット同伴のキャンプにも心強い。発電機と併用するか、電源が使用可能なサイトを選んで活用したい。
電気ストーブも含め、ストーブの周辺には、燃えやすい衣類、カセットボンベ、灯油などの危険物を置かないように注意しよう。テント幕も化学繊維の場合が多いため、距離をとって設置したい。
手軽にあったか・・・石油(灯油)
暖かさと手軽さで選ぶなら、石油(灯油)タイプがおすすめ。広い範囲を暖めることができ、やかんやお鍋などをのせて調理ができるストーブも多い。ただしダッチオーブンなどの重い鍋には対応できない場合もあるので、ストーブの耐荷重はチェックしておきたい。
日常生活においても灯油は安価で手に入れやすいので、自宅で使うのにもおすすめだ。(間違えてガソリンを給油すると非常に危険なので、注意してほしい。)
ちなみに石油ストーブは、大きく対流式と反射式の2タイプがある。対流式は、暖気が上昇するため、広い空間を暖めるのに適している。一方、反射式は石油ストーブの前面に暖かさが集められる。壁際での使用や、体を早く温めたいときにおすすめ。炎が見えるタイプは柔らかな灯りにもなる。
軽さ・コンパクトさで選ぶ・・・ガス
持ち運びに便利な軽さ、コンパクトさで選ぶなら、ガスタイプがおすすめ。カセットボンベは手に入れやすく、使い勝手もよく、非常用として常備するのにもおすすめだ。
なお、多くのカセットボンベは気温10度以上での使用が推奨されており、それ以下の気温では燃焼が弱くなり点火もできなくなる。事前に注意書きを必ずチェックしてほしい。
低温の場合は、低温でも使えるタイプや、アウトドア用のカセットボンベを用意しよう。そしてもちろん、テント内での使用時は一酸化炭素中毒にも注意してほしい。
キャンプならではの観点もチェック・・・薪
炎を楽しむなら、薪ストーブ。一番、暖かさが体感できるストーブだろう。たとえ家には設置できなくても、アウトドア、キャンプなら薪ストーブが楽しめる。
料理をするのにも薪ストーブはおすすめ。オーブンとしても使えるタイプや、直火で使えるタイプも多い。肉を薪火で焼くのは、キャンプならではの贅沢な体験。ぜひお試しを。
また、薪ストーブ初心者は火起こしに時間がかかる可能性もあるので、サブの暖房があるといい。さらには、一酸化炭素中毒への注意も必要だ。煙突を出せる専用のテントを必ず使用し、煙突のメンテナンスも忘れずに行ってほしい。
安全性で選ぶ・・・電気
長時間暖房が必要な冬のキャンプでは、安全性の観点から電気ストーブを選ぶのもいい。火を使わないため、小さな子どもやペットなどがいる場合は、比較的安心だ。電源がとれるキャンプサイトを選んだり、発電機、ポータブルバッテリーなどを持参して使おう。
電気ストーブにもいくつかのタイプがある。炭素繊維に通電させて発熱させるカーボンヒーターやグラファイトヒーター、セラミックに通電させるセラミックヒーター、難燃性のオイルを温めて循環させるオイルヒーターなどである。
カーボンヒーターは少ない電力で遠赤外線を放射する。空間全体というよりはスポット暖房向き。なかでもグラファイトヒーターは炭素の純度が高く、素早く温まり、遠赤外線の量も多い。
セラミックヒーターはファンを使って温風を送り出すタイプが多く、速暖性に優れる。空気が乾燥せず、さらに加湿機能がついたものも多い。こちらも空間全体というよりはスポット暖房的な使い方が向いている。電力量は大きめ。
オイルヒーターは立ち上がりは遅いものの、空間全体をやさしくじんわり温める。空気も汚さず風も起こさない。メンテナンスも楽だが、重さがそれなりにあり、電力量も大きいので、使うサイトや移動手段によっては有効。
キャンプストーブのおすすめ9選
ここからは、キャンプストーブのおすすめを紹介していこう。石油、ガス、薪、電気からそれぞれ2~3種類ずつを厳選した。
約40Wの光が七色にきらめく|トヨトミ レインボーストーブ RL-250(石油)
1952年に石油コンロを生み出し、石油燃焼機器、家庭電気機器メーカーとして知られる名古屋のメーカー「トヨトミ」。暖房器具の使い勝手のよさと安全性への信頼感は高い。
「レインボーストーブ RL-250」は、点火つまみを回すだけで点火できる“電子点火”の石油ストーブ。単2電池を4本使用するが、着火がとにかく簡単だ。対流式で、コンクリート造では約9畳、木造では約7畳の空間を暖め、家庭用としても使い勝手がよい。
ガラスの円筒には、7色の光が浮かび上がり、まるでランタンのような雰囲気。キャンプでは照明としても楽しめる。ちなみに白熱球では40W相当だ。二重タンク構造なので、万が一転倒しても、油がこぼれにくい。さらには別売りで専用バッグ(9,240円)もあるので、持ち運びや収納に便利。
暖房出力:2.5kW
サイズ:幅388×奥行388×高さ485.7mm(置台含む)
重さ:6.2kg
税込価格:34,100円
コンパクトで高火力|newアルパカストーブコンパクト(石油)
新色の半ツヤ“オリーブドラブカラー”がおしゃれな「newアルパカストーブコンパクト」は、自然通気形開放式の石油ストーブだ。コンパクトながらも、暖房の目安は13~17平米、3.0kWと高火力なのが嬉しい。ストーブ上部で煮炊きもできる。
海外で一つ一つ手作業で組み立てられ、日本燃焼機器検査協会(JHIA)の認証を受けているため、室内用暖房器具としても安心して使える。点火用ライターまたはマッチなどで点火するため電気不要。災害時にもおすすめだ。
暖房出力:3.0kW
サイズ:幅350×奥行350×高さ405mm
重さ:約6.6kg
税込価格:34,100円
反射型ストーブの女王を復刻|アラジン ポータブル ガス ストーブ シルバークイーン(ガス)
1919年、イギリス生まれの「アラジン」は、青い炎が特徴の石油ストーブ「ブルーフレーム」があまりにも有名。1978年には反射型ストーブの女王と呼ばれる名作「シルバークイーン」が発売され、大人気となった。
今回ご紹介するのは、こちら「シルバークイーン」の復刻版。全面反射板に映し出される炎がとても美しい。復刻版はカセットボンベ式のガスストーブとなり、持ち運びもしやすい。キャンプだけでなく、日常でも使いたくなるデザインだ。
弱燃焼時でも暖房能力は高く、放熱ネットに風防板が設置されているため、風にも強い。真冬のキャンプなど低温時に使用する際は、低温対応の専用カセットがある。専用バッグが付属し、持ち運びにも収納にも便利。
暖房出力:1.4kW~0.5kW
サイズ:幅370×奥行296×高さ335mm
重さ:約4.2kg
税込価格:33,000円
おしゃれでパワフル|アラジン SAG-BF02A(ガス)
アラジンのストーブといえば、90年以上の伝統を誇る石油ストーブ「ブルーフレームヒーター」も有名。そのフォルムを継承したコンパクトタイプが、10月22日に発売された「SAG-BF02A」だ。
カセットボンベ式なので、室内だけでなくキャンプにもおすすめ。カラーリングもテント内のおしゃれなアクセントとなる。
暖房出力:2.0kW~0.8kW
サイズ:幅330×奥行335×高さ386mm
重さ:約5.7kg
税込価格:34,100円
災害時にも安心|イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ マイ暖 CB-STV-MYD(ガス)
カセットコンロやカセットガスで知られる「イワタニ」。最近ではアウトドア仕様のカセットコンロなども手がけており、いずれも大人気だ。
さて今回、おすすめしたいのは、コンパクトなカセットガスストーブ「マイ暖」。かなり小ぶりのサイズで、軽量でコードレス、さらに取っ手付きなので持ち運びが簡単だ。点火後の立ち上がりも速く、約1分で暖かさを感じる。
カセットガスは非常時のために用意している人も多いはず。電気を使用せずに着火できるので、災害時の備えとしてもおすすめ。
暖房出力:最大発熱量1.0kW
サイズ:幅312×奥行222×高さ290mm
重さ:約2.6kg
税込価格:20,460円
調理もお任せ|キャプテンスタッグ KAMADO(かまど) 煙突ストーブ(薪)
1976年にバーベキューコンロを発売した新潟県三条市のアウトドアブランド「キャプテンスタッグ」。バーベキューへのこだわりはもちろんのこと、確かなものづくりと手頃な価格帯で、ファミリーキャンプには欠かせないアイテムが揃うブランドだ。
こちら「KAMADO煙突ストーブ」は調理にも便利な万能薪ストーブ。上部に網をのせてバーベキューを楽しんだり、下部で薪をたいて上部に鍋をのせたり、オーブンとして使用したり、シーンにあわせて五つの用途に使うことができる。
しっかりした造りにもかかわらず、重さは6.3kgと軽量。暖房としてだけでなく、焚き火も楽しめるので、アウトドアを思いっきり満喫したい方におすすめ。
サイズ:本体/幅450×奥行550×高さ950mm、網/約360×360mm
重さ:約6.3kg
税込価格:28,600円
手軽に暖をとりたいなら|ソロストーブ ライト(薪)
「UPI」こと「アンプラージュインターナショナル」は、“自然の中であたたかく生きる人々と共に歩む”アウトドアライフ企業。北欧、アイルランド、北米などの、家族経営や小規模な海外アウトドアブランドのアイテムを取り扱っている。
「ソロストーブ」は、ガスを使わずに、小枝などの自然素材でも簡単に燃焼させることができるストーブだ。
軽くて丈夫なステンレス構造で、二重壁で燃焼効率が高い。最小サイズの「ライト」では、約950mlの水を8~10分で沸かすことができる。別売りの「ポット900」にぴったり収納できるので、あわせて使用するのもいい。
この「ソロストーブ」シリーズには、さまざまなサイズが揃っており、大きくなるに従い火力が強くなる。ファミリー向けの「キャンプファイヤー」では、約950mlの水を2~4分で沸かすことが可能。使用シーンにあわせて選んでほしい。
サイズ:直径約108×高さ約100mm(収納時)/145mm(使用時)
重さ:約255g
税込価格:8,800円
障害物や転倒を検知して停止|ヤマゼン 遠赤外線電気ストーブ DSE-SKC101(電気)
さまざまな電化製品を手がける「ヤマゼン」の電気ストーブ「遠赤外線電気ストーブ DSE-SKC101」。
こちらのモデルは、本体の上下に障害物センサーが搭載されているので、上から布がかぶさったり、床の布団などがかかったりしても、通電がストップしてヒーターが消える。安全面から、子どもやペットとのキャンプにもおすすめだ。
また、電源を入れてから温まるまでの立ち上がりも速く、軽量なのも嬉しいポイント。本体に取っ手が付いており、持ち運びも簡単だ。加湿機能も付いているので、家でも快適に使用できる。
暖房出力:強990W、中660W、弱330W
サイズ:幅365×奥行160×高さ450mm
重さ:2.5kg
電源コード長さ:160cm
税込価格:7,980円
転倒検知とパワフル温風|パナソニック セラミックファンヒーター DS-FS1200(電気)
パナソニックの「セラミックファンヒーター」は、コンパクトさに反したパワフルな温風が特長。セラミックヒーターは非燃焼系暖房器具なので、空気も汚れにくい。火を使うストーブに比べ、火災の心配も少ないので安心だ。
さらに倒れても自動でスイッチがオフになる二重安全転倒OFFスイッチ付き。家庭でも台所や洗面所、書斎など、ちょっとした場所に持ち運んで使うのにぴったり。広い空間を温めるよりも、足元などを温めるのにおすすめだ。
冬のキャンプは地面からの冷えが厳しいので、テーブルなどの足元に設置するだけでも、快適さが増すはず。タイマー付きなので、夜間の使用も安心感がある。電源付きのサイトを利用するなら、持参したい一台だ。
暖房出力:強1170W/1120W(50/60Hz)、弱640W/615W(50/60Hz)
サイズ:幅280×奥行135×高さ315mm(ツマミ含む)
重さ:2.6kg
電源コード長さ:180cm
税込価格:オープン価格(実売参考価格1万円前後)
使わなくなったアウトドア用品は買い取りに出すのもおすすめ。買ってみたけど収納に困るアイテムやなかなか出番がなかったアイテムは、思い切って手放してみては。
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お気に入りのストーブで暖かく快適に
秋や冬でも、暖かく過ごすキャンプのイメージが湧いてきただろうか?
「焚き火があるから大丈夫!」などと軽く考えずに、暖房器具はぜひ用意してほしい。あなたが思う以上に、秋や冬のキャンプ場は冷えるのだ。
アウトドア用のストーブを手に入れると、秋冬だけでなく、春先や気温の低い高山でのキャンプ時にも活用できる。さらに自宅や災害時など、活躍の場は多いはず。
キャンプの楽しみの一つは、どんな季節や環境でも、自分にとって快適な場所をつくり出すこと。暖かい居場所づくりは、そのままキャンプの満足度につながっていく。居場所づくりの難易度が上がるほどワクワクしてきたら、あなたのキャンパー度は確実に上がっているといえるだろう。
ぜひ、秋冬のキャンプを楽しくする、素敵なストーブを選んでほしい。
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