一人でアウトドアを楽しむソロキャンプの人気が高まっている。仲間と行くのとはまた別の魅力があるソロキャンプ。これからソロキャンプをやってみたいという人のために、必需品であるおしゃれなソロキャンプ用テントについてお話しすしよう。
この記事では以下の内容を紹介していく。
・ソロキャンプの何が素晴らしいのか?
・理想的な「ソロテント」を見つけるポイント
・「ソロテント」おすすめ8選
・そのほかに必要なギアとは?
これらを参考に、魅惑のソロキャンプの世界へ足を踏み入れてほしい。
目次
自由気ままで、スキルアップも図れる
仲間や家族とスケジュールを立て、準備をして、互いのことをケアしながら行動するのはもちろん楽しく有意義だ。が、キャンプの本来の醍醐味は、普段の暮らしを離れ、自然の中に身を置いて自分自身と語り合い、束の間の非日常を楽しむことであるはず。
極言すれば、それは「社会から離れる行為」。となれば、単独で出かけ、自由気ままに行動するほうがベターという人もいるだろう。
ソロキャンプは装備も必要最低限で済むので、予算を抑えることができるのも利点。また、焚き火、クッキング、テント設営など、キャンプに必須のスキルを「自主練」することができ、人知れずキャンパーとして昇級することも可能。ソロキャンプでの学びは仲間や家族と行く次のキャンプで大いに役立つだろう。
最近は、ソロキャンプの装備で仲間と集まり、食事や語らいの時間は一緒に過ごす一方で、それぞれがテントを張って、個としての時間も大切にするという、成熟したスタイルも増えているようだ。
理想のソロテントを選ぶポイント
ソロテントを選ぶときの最重要ポイントは、いかに持ち運びが楽か、と、いかに設営が楽か。また軽さと居住性のどちらを重視するかで、サイズやタイプが決まってくる。
自立型か非自立型か
テントはその設営の仕方によって、自立型と非自立型に分かれる。
自立型
テントとポールだけで張れるもの。1人でも扱いやすく、省スペースなので、こちらが現在の主流になっている。なかでもドーム型は小ぶりでも内部がゆったりとしていて居住性が高い。
非自立型
張り綱を張り、ペグで地面と固定して立てるテント。ポールの数が少なくて済むので軽量かつコンパクト。しかし、高さがあると張り綱を張るのにある程度の広さが必要なため、狭い場所には張れない。クラシカルな雰囲気を重視したい人にはこのタイプが根強い人気を持つ。
シングルウォールかダブルウォールか
テントの外部と内部を仕切る幕(ウォール)の枚数によって重量や快適性が異なる。
シングルウォール
フライシートのないテントがシングルウォール。軽量かつコンパクトで、装備をできるだけ少なくしたい山岳キャンプなどには好適だが、結露しやすいというデメリットがある。
ダブルウォール
一方、フライシートとテントの二重構造になったダブルウォールは、重量と収納サイズの点でシングルウォールに劣るが、テント内が結露しにくく、快適さにおいて勝る。
前室付きかどうか
構造上の最後のポイントは、前室付きテントの有無。前室は雨よけや荷物置き場として重宝する。あいにくの悪天候の際にもテント内で簡単な調理ができるのもありがたい。ソロテントの発展形として、前室付きを検討してみてほしい。
そのほかに留意すべき点を挙げておこう。
デザイン性やおしゃれ度にこだわる
ソロキャンプのよいところは、あらゆるギアをとことん自分の好みにこだわって揃えることができること。最新のトレンドを追うもよし、個性際立つデザインを選ぶもまたよし。テントの見た目、デザインが好みに合致しているかは、大いに重視したい。
コスパの見極めも重要
経済性の高さもソロキャンプの長所ではある。しかし、価格はあくまでも機能(スペック)とのバランスが大事。安物買いの銭失いということわざがあるが、安物買いが命取りにならぬよう、今一度、自分が目指すのはどのようなフィールドでのキャンプなのかをしっかりと見直し、それにふさわしい耐久性、耐寒性などの機能を持ったテントを選ぶこと。
おしゃれで高機能なソロテント8選
それでは、編集部がおすすめするソロテントを8種ご紹介しよう。
モンベル ステラリッジ テント1
モンベルのロングセラー「ステラリッジ テント」。本体とレインフライの生地に新開発の素材を使用し、世界トップクラスの軽さと剛性を実現。
独自の吊り下げ式構造で強風時にも素早い設営が可能。別売りのフライシートやスノーフライ、グラウンドシートなど、豊富なオプションとの併用で、シーズン、状況を問わず使うことができる。
素材:本体/10デニール高強力ポリエステル(はっ水加工)、フロア/30デニール・バリスティック(R)ナイロン・リップストップ(耐水圧1,500mmウレタン・コーティング)、ポール/アルミニウム合金
サイズ:210×90×高さ105cm
重量:1.14kg(別売りのレインフライを含む)
税込価格:30,250円、レインフライ 13,750円
スノーピーク ミニッツドーム Pro.air 1
2020年の発売開始以来、人気沸騰中のソロテント。キャッチコピーの「軽い、早い、過ごしやすい」がその魅力を端的に語っている。居住性もキープしつつ軽量化されており、スピーディーに設営することができる。
広い前室を備え、ユーティリティーが高い。左右にメッシュの窓を設けることで通気性もバッチリ。ブラウン×ベージュ×ブラックのカラーリングがシックで上級者感が漂う。
素材:フライシート/20Dシリコンポリエステルミニリップストップ・PUコーティング耐水圧1,500mmミニマム、インナーウォール/20Dポリエステルミニリップストップ、ボトム/30Dナイロンリップストップ・PUコーティング耐水圧1,500mmミニマム、フレーム/ジュラルミンA7001
サイズ:230×235×高さ116cm
重量:2.95kg
税込価格:76,780円
コールマン ツーリングドーム/ST
キャンプギアの定番ブランド、コールマンから、オールシーズン対応のソロキャンプ用テントをご紹介しよう。自然に馴染むモスグリーン。一人でも設営しやすいポールポケット式。コンパクトながらも内部は横幅210cmと十分な広さがあり、丈の高い前室も使いやすい。
1万円台と手頃な価格もソロキャンパーを目指す者には嬉しいポイント。2021年発売の新商品。
素材:フライシート/ポリエステル約1,500mm、インナーテント/ポリエステル、フロア/ポリエステル約1,500mm、フレーム/FRP
サイズ:210×120×高さ100cm
重量:4kg
税込価格:16,800円
キャプテンスタッグ トレッカー ソロテントUV
A式フレームに吊り下げ式インナーテントという構造で、設営と撤収が簡単かつスピーディーに行える。左右にベンチレーション、インナー側面にメッシュを採用。通気性も高く、内部は常に快適。
迷うことなく設営ができるよう、ポールが色分けされているのも嬉しい配慮だ。別売りのトレッキングステッキを使ってキャノピーを張り出せば、その下にあなたのお気に入りの居場所ができ上がるだろう。
素材:フライ/ポリエステルリップストップ210T(PU2,000mm)UVカット・はっ水加工、インナー・ウォール/ポリエステル185T(通気性はっ水加工)、フロア/ポリエステルOXF150D(PU3,000)、メッシュ/ポリエステルノーシームメッシュ、ポール/アルミニウム合金
サイズ:フライ/210×140×高さ110cm、インナー/210×100×高さ103cm
重量:2.16kg
税込価格:33,000円
ニーモ・イクイップメント タニ 1P(NM-TN-1P)
日本の山岳シーンのためにデザインされたフラッグシップモデル。フライシートの素材に高い強度を誇るシリコンコーティングリップストップナイロンを採用するなど、従来のモデルから素材を変更し、耐久性が向上している。
また、ベンチレーションを新たに追加。これによりさまざまなコンディション下で効果的な換気と温度調整を行える。フロアはレギュラーパッド(183×51cm)を敷いてもなおバックパックなどが置ける余裕の広さ。
シンプルな吊り下げ式のため、スピーディーな設営が可能。本体重量がほぼ1kgという軽さも大きな魅力。
素材:本体/15Dナイロン・メッシュ、フライ/15D Sil/Silナイロン、フロア/15D Sil/PeUナイロン
サイズ:105×202×高さ103cm
重量:1.06kg
税込価格:56,100円
DOD ムシャテント T1-819-KH
本体には耐火性に優れたポリコットン生地を採用。焚き火の火の粉が当たって、テントに穴が開くというような「キャンプあるある」を免れ、テントのそばでも焚き火を楽しむことができる。
広い前室を確保した快適な2ルーム構造。付属のロープや別売りのポールを使って、さまざまな形にアレンジ可能なキャノピードアがあらゆる状況に対応する。
フライシートには巻き上げ可能なスカート部分があり、各辺のスカートを巻き上げ調整することで、テント内の風通しを自由に変えられ、虫の侵入を防ぐこともできる。重量は5.7kgとやや重めだが、その分安定感がある。
素材:フライシート/ポリコットン(ポリエステル65%、綿35%)、インナーテント/68Dポリエステル、ポール/アルミ合金、ペグ/スチール
サイズ:290×290×高さ183cm(インナー/255×133×高さ173cm)
重量:5.7kg
税込価格:31,900円
キャプテンスタッグ UA-55 キャンプアウト ポップアップテントフルクローズ
ポップアップ式の簡単に広げられるテント。通気性と開放感を高めるメッシュをテント後面に使用。インナー部分はシルバーコーティングされているため強い日差しを跳ね返し、紫外線を95%カットする。
フロアの広さは約2.7畳。価格も1万円以下と求めやすいのでデイキャンプ用に検討したい。
素材:ウォール/ポリエステル(シルバーコーティング・防水)、フロア/ポリエステル(PU加工)、ポール/バネ鋼
サイズ:200×220×高さ130cm
重量:2.5kg
税込価格:8,800円
テンマクデザイン パンダ
女性目線のキャンプスタイルを提唱するキャンプコーディネーターのこいしゆうかさんが企画した、ピュアレッドが愛らしい軽量三角型テント。「ソロキャンプ」はもちろん「トレッキング」や「島旅」「フェス」などでも使えそう。
インナーは縦、横どちらでも設営可能で使い勝手がよい。インナーの素材は風通し重視のメッシュ。また、オプションで買える「パンダ スタンダードインナーDX」(税込価格11,550円)があれば秋冬の寒冷期でも安心。
素材:フライシート/40Dリップストップナイロン(PUシリコンコーティング)、インナーボトム/68Dポリエステルタフタ(PUコーティング)
サイズ:240×240×高さ150cm(インナー/220×100×高さ135cm)
重量:2.26kg
税込価格:22,330円
知っておきたいそのほかの必携品は?
ソロキャンプの装備はなるべくコンパクトにまとめたい。必要な道具に絞って、行動の流れに沿って紹介していこう。
キャンプサイトに着いたら、まずは拠点となるテントを張る。テント設営用にハンマーを一つ持っていこう。日差しを遮り、雨対策にもなるタープもあると便利。
焚き火と調理はキャンプの楽しみの最たるものだ。焚き火台や小型のバーベキューグリルは必須。薪・炭などの燃料、着火剤、ライターも忘れずに。お湯を沸かす程度ならガスバーナーで十分かもしれない。
コッヘル、シェラカップといったアウトドア用の調理器具は食器としても使えるし、「気分」をあげてくれるだろう。そして、一人の時間を快適にしてくれるのがチェアとテーブルだ。チェアは座面が低く、背もたれが付いたものを用意しておくといい。
夜はシュラフ(寝袋)で眠る。暖かい季節でも野外は冷え込むのでシュラフは必ず持っていきたい。地面は思いのほか、凸凹や傾斜があるので、マットがあるといい。
キャンプ場の夜は想像以上に暗い。テント内やトイレへの道を照らすためのランタンを用意したい。エコなLEDライトを選ぶもよし、雰囲気重視でガスランタンを選ぶもよし。そのほかの必需品として軍手、万能ナイフ、トング、炭バサミ、ゴミ袋を挙げておく。
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テントはソロキャンプのよき相棒
一人でアウトドアで過ごすのには不安や緊張もあるだろう。それでもテントという「居場所」がしっくりときていたら、安心感がグッと増すに違いない。テントはソロキャンプの相棒だと考え、それぞれの特徴を比較検討して、「気の合うあいつ」を見つけてほしい。
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