とっておきの話

日本最西端の島へめんそーれ!【キャプテンの航空教室】

文/野々村牧斗 イラスト/高橋潤

本日もJALグループをご利用いただき、誠にありがとうございます。皆さまは沖縄県の島々をつないで運航しているRAC(琉球エアーコミューター)にご搭乗されたことはありますでしょうか。今回は、RACが単独で運航している与那国空港のほかの空港とは異なる管制の特徴や、与那国島のお薦め品を紹介いたします。

 
与那国空港は、日本の最西端の空港です。上空の追い風や向かい風の影響によって異なりますが、与那国空港までの所要時間は、那覇空港から西南西へ離陸後約1時間10分、新石垣空港から西へ離陸後約25分です。与那国空港への定期便は、那覇空港からはRAC721便、新石垣空港からはRAC741、743、745便があります。

 
通常、日本の空港は「福岡FIR(Flight Information Region、飛行情報区)」という日本管制の管轄空域に存在しています。しかし、西表島上空より西に位置する与那国空港は「台北FIR」という台湾の管制の空域となります。厳密にはさらに複雑なのですが、与那国空港はほかとは異なる管制なのです。

 
ここで質問です。与那国空港へ向かう際、管制官とはどちらのFIRと、どの言語で交信しているでしょうか。正解は、福岡FIRの管制官と航空英語を使って交信しています。この空域に関しては、日本と台湾で取り決めがあり、日本の管制が台湾と調整しているからです。与那国空港へ運航する際は、運航する前に関係先へ提出する飛行計画に台北FIRへ入域する予定時刻を記載し、安全かつ円滑に運航しております。台湾は与那国島や石垣島から近く、よく晴れた日の石垣島付近の上空では、コックピットから台湾の島がきれいに見えることもあります。

 
飛行機が与那国空港へ向けて飛行を続けると、福岡FIRから与那国リモートへ管制が交信移管されます。リモートとは、リモート対空援助局を指します。与那国島には管制官が不在のため、遠隔運用を利用し、無線で那覇にいる管制官(情報官)と交信しています。空港や飛行場周辺の天候、ほかの航空機などの情報を入手するため、管制官とのやり取りは欠かせません。

 
余談ですが、この与那国島のカマボコがとても美味で、気に入っています。原料はカジキ、シイラ、イカ、食塩のみで、なんと製造日が消費期限という「その日しか食べられないカマボコ」なのです。季節ものの与那国パクチー(クシティ)も有名です。機会がございましたら、ぜひご賞味ください。

 
ほかにも、ドラマ『Dr.コトー診療所』の撮影場所としても有名で、ダイビングスポットの海底遺跡や、与那国馬など魅力溢れる島です。与那国空港にて、JAL特注の自転車を使った『JALレンタサイクル』もご利用いただけますので、与那国島の風を肌で感じてはいかがでしょうか。皆さまのご搭乗を心よりお待ちしております。

 

野々村牧斗 Makito Nonomura
琉球エアーコミューター
デハビランド DHC-8-400 カーゴコンビ 機長
出身地:沖縄県
趣味:釣り
座右の銘:継続は力なり

 

(SKYWARD2021年4月号掲載)
※記載の情報は2021年4月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 
 

関連記事

EDITORS RECOMMEND~編集部のおすすめ~

キーワードで記事を探す