旅への扉

沖縄の海と満点の星に抱かれて|瀬底島・小浜島

文/真下武久 撮影/秋田大輔

▲馬に乗って日が沈むまでゆったりとした時間を過ごす。小浜島の「はいむるぶし」にて。

本島北部、本部半島(もとぶはんとう)沖に浮かぶ瀬底島(せそこじま)。とはいえ、本島とは橋でつながっており、気軽にアクセスできる(そして意外と知られていない)人口900人ほどの離島だ。この日は、橋を渡ってすぐのアンチ浜の高台に構える、一日一組限定のヴィラ「瀬底山水(せそこさんすい)」に滞在することに。

ゆったりまったりの島時間。

▲左/沖縄の食材を使ったマカロンが名物の「りんごカフェ」。(http://oisi-okashi.com)右/テイクアウトメニューも豊富な「pizzeria UKAUKA」。夜は要予約。(https://ukauka.jp

 
本島北部、本部半島(もとぶはんとう)沖に浮かぶ瀬底島(せそこじま)。とはいえ、本島とは橋でつながっており、気軽にアクセスできる(そして意外と知られていない)人口900人ほどの離島だ。この日は、橋を渡ってすぐのアンチ浜の高台に構える、一日一組限定のヴィラ「瀬底山水(せそこさんすい)」に滞在することに。

 

▲ヴィラの設計をはじめ庭やプールの施工も、オーナーの宮城さんが自ら手がけたそう。

 
オーナーの宮城英樹さんは本島の出身で、長年沖縄でロケーションコーディネーターとして活躍してきた。そんな沖縄を隅々まで知り尽くした彼が心から惚れ込んだ場所が、この立地というワケ。実際に宮城さん自身も瀬底島に居を構えている。

 
「どうです? いいでしょう? 橋を渡っただけなのに、ここは紛れもなく離島。本島とはちょっと違う島時間が流れているんですよ」

 

▲左/「瀬底山水」オーナーの宮城さん。右/ちゃぶ台の上には、ちんすこうとシークワーサー。

 
常に笑顔を絶やさない宮城さんの陽気なキャラクターもあって、我が家に帰ってきたような気分。客室はローベッドを配したフローリングに琉球畳の小上がりから成り、同じ間取りの客室がプールを経由して鏡合わせになっている。最大大人6名まで宿泊可能なので、3世代ファミリーやグループ客にも人気だという。

 
おまけにキッチンや洗濯乾燥機なども完備。夕食こそつかないものの、暮らす感覚で自炊してもいいし、島周辺の情報は宮城さんがコンシェルジュとなって親身に相談に乗ってくれる。

 

▲島の西側に広がる瀬底ビーチは美しいサンセットで有名。

 
琉球畳の上にゴロンと横になると、ちゃぶ台越しにプールと海と森、そして空とが一体となって見える。テラスのデッキからも、窓がフルオープンになるバスタブからも、このランドスケープを独り占め。ちょうど対岸の山の端から朝陽が昇るというので、今夜はカーテンを開け放ったまま眠ることとしよう。

 

瀬底山水
住所:沖縄県国頭郡本部町瀬底2471-26
電話:0980-43-7610
URL:https://discoverokinawa.net/sansui

 

八重山ブルーの海へ。

▲小浜島の沖合にて。

 
最後に向かったのは、沖縄本島から石垣島を経由してさらにフェリーで約30分の小浜島。島南東部の一角を占有するリゾート「はいむるぶし」にチェックインした。開業は1979年というから、まさに沖縄の離島リゾートの先駆けといっていい。

 

▲左/オーシャンビュースイート。右/シーサーがお出迎え。

 
とはいえ40年以上を経た今も、リゾートは古びた様子もなく、むしろ小浜島の素朴でのんびりとした空気感にしっくり溶け込んでいるように感じられる。

 

▲左/ピクニックブレックファストは敷地内のお好みの場所で。右/美発酵コースの一皿。

 
さて、ここまでは少々優雅なステイ旅だったので、小浜島では思い切りアウトドアへと繰り出すことにしよう。カヌーとサーフィンの中間のようなSUP(サップ/スタンドアップパドルボード)で海に漕ぎ出せば、足もとは目の覚めるようなウルトラマリンブルーの世界。

 
地元の人は「まだまだ、こんなもんじゃない」というけれど、驚くほどクリアだ。石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれる国内最大のサンゴ礁海域の真ん中に位置する小浜島の海は、基本的に穏やか。島を回り込むように吹く風が背中を押してくれるせいで、SUP初心者の筆者でも約7kmを楽々クルージングできた。ほかにもヨガに乗馬にバギーと、とにかく遊びきれないほどのアクティビティーが待っている。

 

▲小浜島探検にはバギーが最適。

 
夜、海を望む大浴場で汗を流し、ダイニングで発酵食品を取り入れた夕食を満喫した後は、敷地内の一番奥にあるビーチへ。ここまで来ると、遠くにうっすら見える石垣島の街灯りさえ明るく感じるほどに暗い。

 
スマートフォンのライトを頼りにデッキチェアに寝転び、しばらく目を閉じる。暗闇に慣れた頃に目を開けると、そこは無数の星たちがきらめく宇宙。大袈裟ではなく、本当に自分が宇宙の一部になったような不思議な気持ちに包まれてしまった。12月から6月頃は、南の水平線の上に、ホテルの名前にもなっているはいむるぶし(南十字星)が見えるという。

 
今は気軽に旅に出るようなムードではないかもしれないけど、日本に沖縄があってよかった。もう単純に、そう強く感じた旅だった。「早く自由に旅ができる世界に戻りますように」。最後は流れ星に、そんな祈りを込めた。

 

▲はいむるぶしのビーチに隣接する「星空Café」の屋上の展望スペースは、沖縄の星空に抱かれる特等席。

 
流れ星に祈りを込めて。

 

はいむるぶし
住所:沖縄県八重山郡竹富町小浜2930
電話:0980-85-3116
URL:www.haimurubushi.co.jp

 
真下武久
ましも たけひさ/エディター&ライター。男性ライフスタイル誌、企業広報誌、Webサイトなどで、旅、カルチャー、食、ワイン&リカーといったジャンルをメインに活動中。また各種ブランドの広告制作も手がける。

 
秋田大輔
あきた だいすけ/フォトグラファー。建築、ファッション、フード、旅行などのライフスタイル雑誌や、広告の撮影など、グローバルに活躍する。日本広告写真家協会アワードをはじめ、受賞歴も多数。

 

沖縄へのアクセス

 
東京(羽田)、大阪(伊丹・関西)、名古屋(中部)、福岡などから、沖縄(那覇)までJALグループ便が運航。小浜島へは、沖縄(那覇)からJALグループ便で南ぬ島石垣空港へ行き、石垣港からフェリーで約30分。

 

(SKYWARD2020年11月号掲載)
※記載の情報は2020年11月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
※最新の運航状況はJAL Webサイトをご確認ください。
※掲載地の状況は変更になっていることがあります。お訪ねの際はあらかじめご確認ください。

 

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