冬の北海道──。そこには真っ白な景色が広がる。そして、ウィンタースポーツを楽しもうと世界中から人々が訪れる。スノーリゾートに詰まった魅力を体感するために、ニセコ、ルスツへ向かった。
目次
ニセコ ここは日本!?ニセコという名の無国籍リゾート
新千歳空港からニセコ行きのバスに乗り込むと、そこはもう異国。英語やドイツ語、中国語がフツーに飛び交い、おそらく日本人の乗客は我々だけなのではないだろうか。この時点で、国内旅行とはいえ、いつもとは少し違う旅を予感させた。
約2時間半後、ゲレンデ下にあるバス停に到着すると、さらに驚かされることとなった。スキー板やスノーボードを担いで周囲を歩いているのは、ほぼ外国人。ニセコが外国人に人気とは聞いていたけれど、まさかここまでとは。看板や案内板は当たり前のように複数の言語で表記され、ショップに入ればスタッフに「ハロー!」と迎え入れられる。それにしても、なぜここまで外国人に人気なのだろうか?
「このパウダースノーですよ」と即答してくれたのは、ひらふ十字街にあるダイニング「THE ALPINIST」でジェネラルマネージャーを務めるジョン・ラベンさん。フランス・アルザス出身のジョンさんはニセコの雪に魅せられ、2年前の冬に移住してきたという。「フランスやスイスにも世界有数のスキー場はありますが、実は雪質という意味では固いアイスバーンがほとんど。それに比べてニセコの雪は、質も量もパーフェクト。ほら、またサラサラの雪が降ってきたでしょ。ニセコの冬は、もう毎日がパウダー天国なんです」
蝦夷富士こと羊蹄山を東に望むニセコエリアは、標高1308mのニセコアンヌプリを中心に、俱知安町とニセコ町、さらにはその周辺一帯を指す。そもそもニセコでスキーが始まったのは、明治45(1912)年、日本スキーの祖とされるオーストリア人のレルヒ中佐が同地でスキー登山を成功させてから。大正時代に入ると小樽や札幌の学生がスキー登山に訪れるようになり、いつしか「ニセコ=山スキー」というイメージが定着していった。その後、昭和36(1961)年にニセコ初のリフトが完成したのをきっかけに、次々とスキー場が開設された。
バブル崩壊後、ニセコの魅力を“再発見”したのは、オーストラリアのスキーヤーやスノーボーダーたちだった。ニセコの冬はちょうどオーストラリアの夏休み。時差もほとんどなく、北米やヨーロッパよりも圧倒的に近い。そして何より、信じられないほどサラサラのパウダースノー。昨年度はニセコエリアの外国人宿泊客延べ数が年間60万人を突破し(そのほとんどが冬)、日本であって日本でない、無国籍なスノータウンが形作られることとなったのだ。
Vol.2へつづく
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.1]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.2]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.3]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.4]
Information about Niseko & Rusutsu
バーギュータス
電話:0136-23-1432
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田167-21
営業時間:17:00〜23:30(L.O.)
営業時期:詳細はウェブサイトにて要確認。
URL:
www.gyubar.com
THE ALPINIST
電話:0136-21-7003
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田190-13 Odin Place3階
営業時間:7:30〜18:00(月〜木・日)、〜22:00(金・土)
URL:www.alpinistniseko.com
ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ
ニセコエリアの4つのスキー場のなかでも最大の規模を誇る。30のコース、15基のリフト・ゴンドラを有し、初心者から上級者まで楽しめる。羊蹄山を見ながらパウダースノーを滑る、極上の時間が味わえる。
電話:0136-22-0109
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田204
URL:www.grand-hirafu.jp/winter<
ホテルニセコアルペン
グラン・ヒラフのゲレンデの目の前にあり、部屋からスキー・スノーボードウェアを着て直接滑りに行くことが可能。温泉や岩盤浴も完備されており、冷えた体をゆっくり癒やせる。
電話:0136-22-1105
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田204
URL:www.hotel-nisekoalpen.jp
タウンハウス「カサラ」
電話:0136-44-3311
住所:北海道虻田郡ニセコ町東山温泉
URL:www.niseko-village.com/ja/stay/kasara-niseko-village.html
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