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10月8日は二十四節気の「寒露」。過ごしやすい秋を楽しもう

2020年10月8日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「寒露(かんろ)」。寒露とは、草花に降りる冷たい露のこと。この時期、山野では紅葉が始まり、秋の草花も見頃となる。朝晩は冷えてくるので、ようやく夏の疲れが取れて体力も回復する時期でもある。そう、食欲の秋の到来だ。ここでは、寒露の由来やこの時期に行われる行事を紹介する。

 

10月8日は二十四節気の寒露

二十四節気とは、1年を24等分して、それぞれに季節を表す名前をつけたもの。この区切りとなる「日」を指す場合と、次の節気までの「期間」を指す場合がある。寒露の期間としては、例年の寒露である10月8日ごろから次の節気である「霜降(そうこう)」、すなわち例年10月23日ごろまでを指す。

 
長雨の季節が終わり寒露の頃ともなれば、空気はほどよく乾燥し、澄んだ秋の晴天が続く。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉があるとおり、気候がよくなり、秋の味覚が出揃う季節だけに食欲も全開になる。ところで、この「天高く馬肥ゆる秋」には、もともと中国で「秋になると馬が十分に育って騎馬民族が攻めてくるから要注意」という意味があったようだ。

 

寒露の食養生で冬に負けない体作り

食欲が増すこの頃、腹八分を心がけたいところだが、旬のものは食べ過ぎなければさまざまな面で利点は多い。近年は流通や農業技術が発達したため、ありとあらゆるものが通年で手に入るようになったが、栄養や美味しさの点から旬のものは格別だ。価格も安定している。理想的な環境で育って成熟した旬の食材は、私たちに多くのエネルギーを与えてくれる。

 
焼き芋

 
秋に旬を迎える食材は、サツマイモやサトイモなどのイモ類、カボチャ、キノコなど多種多様。夏の間に日差しをたっぷり浴びて栄養を蓄えた食材を取り入れ、冬の寒さに負けない体づくりをしておきたい。

 

七十二候で小さな移ろいを楽しむ

二十四節気よりさらに細かく季節を区切る「七十二候(しちじゅうにこう)」というものがある。二十四節気の一節気を、さらに約5日ずつ区切って3つに分けた期間のことだ。

 
寒露を七十二候で表すと、「鴻雁来(こうがんきたる)」「菊花開(きくのはなひらく)」「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」となる。「鴻雁来」は冬鳥である雁(がん)が日本に渡ってくる頃。「菊花開」は菊の花が咲く頃。「蟋蟀在戸」はコオロギが鳴き出す時期という意味。蟋蟀はかなりの難読漢字で、現在は一般的にコオロギを指す。キリギリスはコオロギの古名である。

 

寒露の頃に行われる伝統行事を紹介

10月6日 六殿神社 (ろくでんじしゃ)「流鏑馬(やぶさめ)神事」(熊本県)

六殿神社

 
流鏑馬(やぶさめ)とは疾走する馬に乗ったまま的をねらい矢を射る、日本の伝統的な儀式だ。武芸でありながら、豊作や天下泰平を祈るための神事でもある。

 
室町時代以降に一時衰退するが、江戸幕府八代将軍の徳川吉宗が復興させた。流鏑馬といえば神奈川の鶴岡八幡宮の例大祭で行われる流鏑馬神事(9月16日)や京都の下鴨神社(5月3日)、栃木の日光東照宮(10月16日)などが有名だが、全国各地の神社でも行われている。

 
ここで紹介したいのが、熊本県の六殿神社の「流鏑馬神事」。六殿神社は、熊本県で初の重要文化財となった朱塗りの楼門を有する。流鏑馬は、秋の例大祭の奉納神事として行われ、神楽(かぐら)や馬追いなども行う。流鏑馬や馬追いは氏子地区が輪番で奉仕しており、地域の人の手で受け継がれてきた伝統を感じる。

 

六殿神社
実施場所:熊本県熊本市南区富合町木原2378
URL:www.rokuden-jinja.com/

 

10月7日~9日 「長崎くんち」(長崎県)

長崎くんち

 
「くんち」という言葉は聞き慣れないかもしれないが、旧暦9月9日を重陽(ちょうよう。陽の数字のうち最も大きい9が2つ重なるめでたい日)として祝う中国の風習がルーツとされる。九州の北部で行われ、「博多おくんち(福岡県)」、「長崎くんち」、「唐津くんち(佐賀県)」をあわせて「日本三大くんち」と呼ぶ。ここでは、長崎くんちを取り上げる。

 
寛永11(1634)年、当時の太夫(たゆう)町の遊女が長崎の氏神である諏訪神社神前に、謡曲「小舞(こまい)」を奉納したことが長崎くんちの始まりといわれ、これを歴代の長崎奉行が奨励したことから年々盛大となった。市民にも伝統行事として深く浸透しており、祭り期間に、「くんち料理」というハレの日の料理を食べる家庭もある。

 
3日にわたる祭りは、10月7日の諏訪神社境内での奉納踊りで幕を開ける。この奉納踊りは、中国だけでなくオランダやポルトガルなど外国からの影響が色濃い長崎らしく、異国情緒溢れる踊りだ。よく知られているのが「龍踊り」で、「じゃおどり」と呼ぶ。「鯨の潮吹き」「太鼓山(コッコデショ)」などもあり、これらの奉納踊りは国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 
残念ながら、2020年の長崎くんち奉納踊・御神幸(お下り・お上り)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止が発表されている。

 

長崎伝統芸能振興会
実施場所:長崎県長崎市(諏訪神社・中央公園・お旅所・八坂神社)
URL:http://nagasaki-kunchi.com/
※2020年の長崎くんち奉納踊・御神幸(お下り・お上り)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止

 

10月11日 「那覇大綱挽」(沖縄県)

那覇大綱挽

 
沖縄では旧暦6月~8月(新暦7月~9月頃)に、巨大な綱を使った大綱引きを行う。「那覇大綱挽」、「糸満大綱引き」、「与那原大綱曳」は沖縄三大大綱曳きと呼ばれる。

 
屈指の人気を誇るのがこの「那覇大綱挽まつり」で、那覇三大祭りの一つに数えられている。内容は、ギネス世界記録に認定された世界一の綱を使って行う綱引きで、商売繁盛や家庭円満などの願いを込めて行うというもの。「支度我栄(したくがーえー)」という、綱の上で見栄を切るパフォーマンスなどが実施される。スケールが大きく楽しい行事で、歴史は古く琉球王朝時代から続いている。当日は、地元の人だけでなく観光客なども参加できるため大勢の人で賑わう。

 
2020年は「第50回那覇大綱挽」を10月11日に開催する予定だったが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止が発表された。2021年は、那覇大綱挽50周年、那覇市制100周年の節目を迎える年のため、より一層盛り上がりそうだ。

 

那覇大綱挽保存会
実施場所:旗頭行列は国際通り/那覇大綱挽は国道58号線久茂地交差点
URL:http://naha-otsunahiki.org/
※2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止

 

10月13日前後 「御会式(おえしき)」

御会式(おえしき)

 
「御会式」とは、日蓮宗の開祖である日蓮聖人の命日である10月13日を中心に行う法要のこと。日本全国の日蓮宗の寺院で、10月13日前後に御会式が営まれる。

 
日蓮宗の大本山である池上本門寺(東京都・大田区)では、御会式が最も盛大に行われる。12日の18時になると、池上徳持会館から本門寺までの約2kmにわたって、総勢約3,000人もの行列が灯明を手に歩き、深夜まで賑わう。なんと30万人もの参拝者が訪れるという。法要自体は11日から営まれ、13日まで続く。

 

日蓮宗
URL:www.nichiren.or.jp/

日蓮宗大本山池上本門寺
実施場所:東京都大田区池上1-1-1
URL:https://honmonji.jp/

 

寒露の頃に冬支度を

野菜や果実、穀物などの実りがたけなわとなり、秋の本番が到来。夜はすっかり長くなり、秋晴れの日も増えて活動しやすくなる。家で過ごすにしろ、出かけるにしろ、季節を意識しながら日々の暮らしを楽しみたいものだ。

 
凍えるように寒くなる前に、冬支度を始めよう。

 
※掲載情報は、2020年6月26日時点のものです。天候や新型コロナウイルス感染症の感染状況などにより変更や中止となることがあります。お出かけの際は、各自治体の要請に従ってください。
 
 

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