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純米大吟醸酒おすすめ10選|定番から高級レア銘柄までを紹介

一年の締めくくりとなる年末や新しい年を迎えるお正月、お祝い事などのハレの日には、本当にうまい日本酒が飲みたい!……でも、どれを買ったらいいの?と迷ってしまう方も多いだろう。

 
特別な日だからこそ、いつもよりも上等な日本酒を。ならばここは「純米大吟醸酒」から選んでみよう!酒蔵のこだわりが詰まった純米大吟醸酒には、個性的で上質な銘柄が数多く揃っている。本記事では、愛好家はもちろん、初心者でも安心して極上の日本酒を選べるよう、

 
・純米大吟醸酒とは?日本酒の種類の基礎知識
・1度は飲みたい極上の純米大吟醸酒10選
・プレミアム日本酒はどうやって購入する?

 
を紹介する。最高の純米大吟醸酒で、ぜひ日本酒の神髄を堪能してほしい!

 

純米大吟醸酒とは?日本酒の種類の基礎知識

 
米、米こうじ、水などを原料に発酵させ、濾(こ)したお酒を「清酒」といい、アルコール度数は22度未満という決まりがある。このうち、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造されたものが「日本酒」と呼ばれる。

 
日本酒のラベルには、「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」などさまざまな表示があるが、製造方法や原料によって分類は異なる。醸造アルコールが添加されているかどうか、米こうじの使用割合、原料となる米がどのぐらい精米されているかを示す「精米歩合」などで、表示が分けられる。

 
「純米大吟醸酒」とは、白米、米こうじ、水のみを原料として造られ、醸造アルコールは添加されていない。米の精米歩合は50%以下とされ、さらに製法は「吟醸造り」であることが特徴。吟醸造りとは、吟味した材料や酵母などを低温でゆっくりと発酵させ、「特有な芳香を有する」ように醸造する製法。

 

 
そんな「純米大吟醸酒」には、酒蔵の個性や技術、こだわりが詰まった銘柄が多く、繊細な味わいや、ワインやフルーツのような華やかな香りを楽しめるものも。これまでの日本酒とは違うアプローチで造られるものもあり、例えば香りのよさを楽しむためにワイングラスで飲んだり、ロックで飲んだり、なかにはシャーベット状で飲むものなど、新しい楽しみ方が広がっている。

 
また、材料を吟味し、手間をかけていることもあり、価格は全体的に高め。生産量も少なく、手に入りにくいプレミアムな銘柄もある。一方では、大吟醸酒に特化したり新しい技術を導入したりすることで、手に入りやすくうまい酒を目指す酒蔵もある。

 
知れば知るほど奥深い、純米大吟醸酒の世界。では早速、究極の日本酒を見ていこう!

 
日本酒の種類や特徴についてもっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

日本酒の種類を知りたい!味や香りの特徴・合う料理も紹介

 

一度は飲みたい極上の純米大吟醸酒10選

ここからは編集部がおすすめする極上の純米大吟醸酒を紹介していく。

 
有名酒蔵の定番のおすすめから、なかなか手に入らない幻の日本酒まで、「一度は飲んでみたい」と思えるような日本酒を揃えた。

 
手土産やプレゼントにも最適な純米大吟醸酒10選。もちろん日本酒初心者にも、試してほしいおすすめの10本だ。どれを購入するかもし迷っているなら、ぜひ参考に。

 

間違いなしの王道!迷ったらまずは|久保田 萬寿 純米大吟醸(新潟県)

▲出典:朝日酒造URL

 

朝日酒造(新潟県)
税込参考価格:1,800ml 8,921円/720ml 4,004円
原料米:麹米 五百万石/掛米 新潟県産米
精米歩合:麹米 50%/掛米 33%
アルコール度数:15度

 
日本酒好きでもそうでなくても、多くの人が知っている「久保田」は、1830年創業の新潟県長岡市にある酒蔵「朝日酒造」で造られている。「久保田」は1985年に誕生した銘柄だが、それまでの「甘口で濃厚」な日本酒のイメージとは違い、キレのある「淡麗辛口」という新たな方向性を打ち出し、人気となった。現在「久保田」には「萬寿」のほか「千寿」など16種類が展開されているという。

 

▲出典:朝日酒造URL

 
純米大吟醸「久保田 萬寿」は、精米歩合が33%と磨き上げられた米を使用しており、キレがありながらも柔らかで深みのある味わいが人気。香りは華やかでフルーティー。飲み方は香りをしっかりと楽しめる冷酒か常温がおすすめだ。天ぷらや、鯛などの魚料理にもよく合う。

 
また萬寿には「自社酵母仕込」や冬限定の「無濾過生原酒」などのラインナップもあり、気に入ったなら、ほかのラインと比べながら味わえる楽しさがある。記念日や節目の行事の贈り物としてもぴったりの日本酒だ。

 

世界で愛される大吟醸|獺祭 純米大吟醸45(山口県)

▲出典:旭酒造URL

 

旭酒造(山口県)
税込参考価格:1,800ml 3,421円/720ml 1,738円/300ml 743円
原料米:山田錦
精米歩合:45%

 
日本だけでなく海外にもファンが多い「獺祭(だっさい)」は、山口県の旭酒造で造られている。旭酒造で醸される日本酒のほとんどは純米大吟醸酒だ。そのため精米歩合などの違いがそのまま「獺祭」のラインナップとして展開され、純米大吟醸酒であっても、手に入れやすい価格帯が多い。

 
こちら「獺祭 純米大吟醸45」は精米歩合が45%の純米大吟醸酒。遠心分離機を導入し無加圧状態でもろみを搾るなど、新しい技術も導入している。日本酒初心者にもはっきりとわかるほどの華やかな香りと、豊かで軽やかな味わいは記憶に残るはず。

 
旭酒造は「おいしい酒・楽しむ酒」を目指し、生活の一つの道具として楽しめるお酒を造っているという。酒造りのこだわりはもちろんだが、大切にしているのは、暮らしのなかでおいしいと楽しめるお酒。「獺祭」の圧倒的な人気は、その思いに直結しているともいえる。

 

軽やかなロングセラー|上善如水 純米大吟醸(新潟県)

▲出典:白瀧酒造URL

 

白瀧酒造(新潟県)
税込参考価格:1,800ml 5,500円/720ml 2,750円/300ml 943円
原料米:国産米
精米歩合:45%
アルコール度数:15度以上16度未満

 
1855年に創業した越後湯沢の白瀧酒造。「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」は、1990年、淡麗辛口の日本酒全盛の時代に、水のような日本酒を理想に掲げ、軽やかな味わいで登場した、今なお人気のロングセラー。さらりとしていて、とても飲みやすく、日本酒初心者にもおすすめだ。

 
なかでも「上善如水 純米大吟醸」は、華やかな香りに、口の中でゆっくりと広がる豊かな味わいが特徴的。香りを楽しめるように、冷やして飲むのがおすすめ。新潟県内のお米を原料に、精米歩合は45%となっている。牡蠣料理、アボカドとエビのサラダ、ちらし寿司など、繊細な味わいの海鮮系のお料理にもぴったり。おせち料理にも間違いなく合う。

 

ワイングラスで味わいたいふくよかな香り|勝山 暁(あかつき)純米大吟醸(宮城県)

▲出典:勝山酒造URL

 

勝山酒造(宮城県)
税込参考価格:720ml 12,100円
原料米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール度数:16度

 
江戸時代から続く宮城県仙台市の勝山酒造。1週間にタンク1本を仕込むという贅沢な製法で、独自の日本酒を造り出している。

 
まるでワインボトルのように重厚な佇まいの「勝山 暁(あかつき)」は、兵庫県産の最上格付の山田錦米を35%まで磨き、丁寧に醸した純米大吟醸酒。「遠心しぼり」技術により、低温で抽出することで、純でふくよかな香りを生み出している。また、ワイン界の巨匠ロバート・パーカー氏による評価法の、日本酒版パーカーポイントではなんと95点の高評価を獲得したことも。

 

▲出典:勝山酒造URL

 
どっしりと重厚感のある味わいなので、旨味の濃い食材、ブリなどのお刺身、お寿司などにも合う。肉料理やフレンチにもおすすめ。冷やして、または常温で、ぜひワイングラスで香りを楽しんでほしい。お正月をはじめ賑やかな席で、こだわりや味わいについて語り合いたくなる、盛り上がる日本酒だ。

 

幻の酒米「雄町」の魅力を知る|愛友純米大吟醸 備前雄町(茨城県)

▲出典:愛友酒造URL

 

愛友酒造(茨城県)
税込参考価格:1,800ml 5,500円/720ml 2,800円
原料米:備前雄町
精米歩合:50%
アルコール度数:15度

 
茨城で1804年に創業した「愛友酒造」。“四海皆兄弟”を社是に「互いに心を開いて酒を酌み交わせば、世界の人々は、皆、兄弟のように睦みあえる」との精神を受け継いできた。

 
岡山県産の酒米「雄町(おまち)」を使用した「愛友純米大吟醸 備前雄町」。この「雄町」は、100年以上前から栽培されている酒米で、「山田錦」や「五百万石」のルーツともいわれている。栽培が難しく、酒造りでもコントロールが難しいとされ、一時は幻の酒米と呼ばれた。「雄町」を使った日本酒を愛する「オマチスト」と呼ばれるファンもいるほど。

 
「愛友純米大吟醸 備前雄町」は、南部杜氏・多田一郎氏によって仕込まれ、2016年には「SAKE COMPETITION」で純米大吟醸部門で第1位を獲得している。「雄町」らしい、ふくよかな味わいは、常温がおすすめ。少し冷やしたり、ロックで味わうのもいい。

 

遊び心溢れる本格派|ゴールド人気 純米大吟醸(福島県)

▲出典:人気酒造URL

 

人気酒造(福島県)
税込参考価格:1,800ml 2,860円/720ml 1,386円/300ml 660円
精米歩合:50%
アルコール度数:15度

 
1897年創業の福島県の「人気(にんき)酒造」は、現代の食生活にも合うような、カジュアル大吟醸やスパークリング日本酒など、新しい形の日本酒を積極的に生み出している。新しい試みに挑みながらも、日本酒のほとんどは木製の大桶で発酵させ、タンク貯蔵ではなく瓶で貯蔵を行うなど、手間をかけた酒造りにこだわっている。さらには精米歩合50%で、低温発酵による吟醸酒しか造らないという。

 
こちら「ゴールド人気 純米大吟醸」は、しっかりとした味わいで人気だ。ほんのりと甘いけれども、軽やかな後味で、料理に合わせやすい。冷酒か常温で、香りを堪能してほしい。2012年には、ノーベル賞のパーティーで振る舞われ、2019年には「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で金賞を受賞している。ワイングラスでもぜひ試してほしい。

 

シャーベット状で味わう長期熟成凍結酒|純米大吟醸 銀河鉄道(愛媛県)

▲出典:千代の亀酒造URL

 

千代の亀酒造(愛媛県)
税込参考価格:1,800ml 22,473円/720ml 11,374円/180ml 2,871円
精米歩合:40%
アルコール度数:16度

 
1716年より続く愛媛県の千代の亀酒造「純米大吟醸 銀河鉄道」。おすすめの飲み方は、日本酒のイメージを覆す「シャーベット状」!マイナス18度以下で保存されており、飲むときには半分ほど解凍し、瓶をシェイクしてシャーベット状にするのを薦めている。

 
また、千代の亀酒造は「田園風景を守る」ことを掲げており、720mlのお酒を1本購入することで、稲約10束が保護されるという。昔ながらの製法で丁寧な日本酒を造る歴史ある蔵元でありながら、新しい形の日本酒造りにも挑戦し、地元の米作りも大切にしている。

 
「純米大吟醸 銀河鉄道」は、地元契約栽培の農薬未使用米から大粒のものを選び、中心部を使用している。昔ながらの槽搾り(ふなしぼり)で醸され、低温で長期熟成させた日本酒は香りが豊かで、まろやかな味わい。カルパッチョやお刺身、牡蠣やアサリなどにもよく合う。シャーベット状でいただくという珍しい日本酒なので、祝い事の集まりなどで、ぜひ賑やかに楽しんでほしい。

 

平成の大ブレーク以降入手困難に|飛露喜 純米大吟醸(福島県)

▲出典:マツザキURL

 

廣木酒造本店(福島県)
税込参考価格:720ml 2,970円
原料米:山田錦
精米歩合:麹米 40%/掛米 50%
アルコール度数:16.1度

 
福島県で江戸中期に創業した廣木酒造本店。9代目の蔵元により生み出された「飛露喜(ひろき)」は、なかなか手に入らないといわれるほど人気の日本酒だ。「飛露喜」は「無濾過生原酒」での販売から始まり、その後は研究と技術の追求を重ね、火入れを行う酒も展開し今なお大人気。味わいを大切にしている銘柄だからこそ、飲み手側も、しっかりと冷蔵保存されたベストな状態のものを味わいたい。

 
「飛露喜 純米大吟醸」は吟醸酒ならではのフルーティーな香りと、透明感のある味わい、酸味のバランスが絶妙。限定本数で出荷されるため、もし出合ったならぜひ飲んでみてほしい。存在感のあるお酒なのでワイングラスでいただくのもいい。特別な日に選びたい、記憶に残る日本酒だ。

 

老舗酒蔵から生まれた至福の酒|而今 純米大吟醸(三重県)

▲出典:木屋正酒造URL

 

木屋正酒造(三重県)
税込参考価格:1,800ml 11,000円/720ml 5,500円
原料米:伊賀産山田錦
精米歩合:40%
アルコール度数:16度

 
三重県の伊賀盆地で1818年に創業した木屋正(きやしょう)酒造。創業時からの築約200年の蔵があり、昔ながらの製法で酒造りをしている。2005年に6代目の蔵元が自ら杜氏となり醸した「而今(じこん)」は、酒蔵を代表するブランドになっている。

 
この而今という言葉には「過去にも囚われず未来にも囚われず、今をただ精一杯生きる」という意味がある。地元の伊賀産の山田錦を使用し、麹も手作り、お米も手作業で少しずつ丁寧に洗っているという。そしてゆっくりと発酵させることで「而今」らしい、フレッシュでジューシーな味わいを生み出している。さらに純米大吟醸酒は「袋吊り」という伝統的な製法を用いて搾っている。人気銘柄で、なかなか出合えないかもしれないが、日本酒好きにも、初心者にもぜひおすすめしたい銘柄だ。

 

日本を代表する「幻の酒」|十四代 純米大吟醸 七垂二十貫(山形県)

▲出典:アマゾンURL

 

高木酒造(山形県)
税込参考価格:1,800ml 11,000円
原料米:愛山
精米歩合:40%
アルコール度数:15度

 
日本酒好きにとって、憧れの銘柄である「十四代」は、創業1615年、山形県にある高木酒造が醸す幻の酒。特約店での抽選販売や、限定販売などで手に入れられたなら、本当にラッキーだ。なかには定価の数倍以上のプレミアム価格で販売されるケースもあるので、保管状態や、適正な価格かなどを吟味して、慎重に選んでほしい。

 
こちら「十四代 純米大吟醸 七垂二十貫(しちたれにじっかん)」は、「十四代」のラインナップのなかでもさらに希少な純米大吟醸酒。この「七垂二十貫」は、高木酒造での大吟醸揚げふね時の垂れ歩合、粕歩合を表したもので、現代でいう「雫酒」の量を意味しているという。つまり、20貫(約75kg)のお米からとれるお酒がわずか7垂れ程度という希少さを表している。日本酒好きはもちろん、誰もがその味わいに魅了されてしまう、一度は飲んでみたいお酒だ。

 

プレミアム日本酒はどうやって購入する?

 
では「十四代」をはじめとする、プレミアムブランドの日本酒はどうやって出合うことができるのだろうか?

 
まずは、手に入れたい銘柄の特約店を探して、こまめにチェックしてみよう。特約店では、品質管理をしっかりと行い、蔵元が決める適正な定価で販売している場合がほとんど。最近では入手困難な銘柄は、高額で転売されるケースが増えているため、特約店でも販売を制限していることがある。オンライン販売や、抽選販売、会員限定の販売を行っているお店もあるので、信頼できる店が見つかったなら、こまめに通って情報を入手するのがおすすめだ。

 

 
もう一つは、日本酒が飲めるバーなどで、希少な人気酒に出合えるケースも多い。料理と一緒に幻の酒を味わうのもおすすめだ。たとえ1杯だけでも、贅沢な時間となるはず。

 
また、オンラインショップなどでプレミアム価格で販売されている場合は、品質管理がなされているかをしっかりとチェックしてほしい。手間をかけ丁寧に造られる日本酒は、流通時や保管時の管理によって、味わいが変化してしまう。そのため、希少だからこそ、しっかりと品質管理された最高の状態で味わってほしい。

 
出会えたならぜひ味わってほしい「幻の酒」。それを求めて、希少な銘柄や特約店について調べるうちに、きっとお気に入りの日本酒専門店に出合えるはず。本記事では純米大吟醸酒を特集したが、同じ銘柄でも季節によってさまざまなラインが販売されていたり、地域によって酒店おすすめの名酒もあるはず。1年を通じて日本酒の世界を探求するのも面白い。暮らしのなかで、気軽に日本酒を楽しんでみてほしい。

 

最高の純米大吟醸で、日本酒の神髄を味わってほしい

 
日本全国にさまざまな酒蔵があるからこそ楽しめる、多様な日本酒の世界。種類が多いからこそ、間違いのない1本を選ぶのが難しい、と感じてしまう人も多いはず。

 
純米大吟醸酒は、厳選された素材に製造方法、じっくりと手間をかけた、酒蔵を代表する日本酒だ。本記事でご紹介したものは、どれも一度は飲んでみたいものばかり。

 
また、海外での日本酒の評価も年々高まっており、純米大吟醸酒の価値は特に高まっている。日本にいるからこそ出合える貴重な純米大吟醸酒も多くある。価格や希少さだけではなく、自分の味覚と感覚で、お気に入りの日本酒を発見するのも楽しい。

 
ぜひ、賑やかな年末年始の集まりや、記念日などの特別な日に、「美味しい!」と記憶に残る日本酒を選んでほしい。

 
 

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