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日本酒の種類を知りたい!味や香りの特徴・合う料理も紹介

お食事に、お祝い事や季節の行事にと、いつも暮らしのそばにある「日本酒」。

 
日本には全国に1,000を超える酒蔵があり、地域に愛される日本酒や、それぞれに特色のある日本酒が造られている。

 
そんな身近にある「日本酒」だが、意外と知られていないことも多い。

 
たとえば、日本酒の定義とは?清酒とは?
同じ銘柄でもいろいろな種類があるのはなぜ?
純米酒や大吟醸は、どんな料理と合う?

 
本記事では、知っているようで知らない

 
・日本酒の定義
・「大吟醸」や「本醸造」などが読み解ける特定名称酒の種類と特徴

 
といった日本酒の基礎知識を解説していく。

 
製造法などの基本を知ることで、自分好みの日本酒を見つけられるようになる。今晩は好きな日本酒で乾杯だ。

 

知っているようで知らない?日本酒の定義

 
「日本酒」とは、米、米こうじ、水などを原料に発酵させ、濾(こ)したお酒のこと。アルコール度数は22度未満という決まりがある。これらの条件を満たすと「清酒(せいしゅ)」と呼ばれ、このうち日本国内で造られたものが「日本酒」だ。

 
「日本酒」は製造方法によって、香りや味に違いが出るため、原料となる米や造り方などによって「特定名称酒」と、それ以外の「普通酒」に分けられる。

 
日本酒のラベルに表示されている「吟醸酒」「純米酒」などは、特定名称の分類の一つだ。

 
つまり、同じ銘柄の日本酒でも、味や価格に違いがあるのは、製造方法が異なるから。それを表す「特定名称酒」を理解することで、香りや味の特徴がわかるようになる。

 

吟醸?本醸造?特定名称酒8種類を読み解く

 
日本酒のラベルで見かける「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」などは、「特定名称酒」といわれる呼称。

 
8種類あり、精米歩合(せいまいぶあい)、醸造アルコールの添加有無、米こうじの使用割合など、さまざまな条件で分けられている。

 
ちなみに「精米歩合」とは、お米を削って(磨いて)、どのくらい残したかを示す値。

 
例えば「精米歩合70%以下」の場合は、お米を30%以上削って、残りの70%以下が日本酒の原料として使用されているということ。

 
お米は中心部ほど雑味が少ないといわれ、磨く部分が多いほど高級な日本酒になる。

 
さらに醸造アルコールが使われているかどうかで、「純米タイプ」と「本醸造タイプ」に分けられる。

 
この「醸造アルコール」とは、サトウキビなどを発酵させた純度の高いアルコールのこと。香りはほとんどなく、辛口でクリア。添加することで日本酒の味わいを軽くクリアにしたり、本来の酵母の香りを引き出したりといった働きがある。

 
そして吟味して醸造される「吟醸造り」かどうかで、さらに細かく分けられていく。

 
この「吟醸造り」には精米歩合60%以下などの規定があるが、製造方法の細かな統一規定はない。そのため、酒蔵それぞれのこだわりが生かされた日本酒になっていることが多い。

 

 
純米酒:
白米、米こうじ、水を原料として造った日本酒。醸造アルコールは添加されていない。精米歩合の規定はない。

 
純米吟醸酒:
純米酒のなかでも、精米歩合が60%以下のもの。吟味して醸造する「吟醸造り」による。醸造アルコールを加えず、低温でゆっくりと発酵させて醸す。

 
特別純米酒:
純米酒のなかでも、精米歩合が60%以下のもの。または、特別な醸造方法によるもの。「特別」を表示するための厳密な決まりはないが、原材料や製法など、どのように「特別」なのかがわかるように表示されている場合が多い。

 
純米大吟醸酒:
純米酒のなかでも、精米歩合が50%以下のもの。「吟醸造り」により、固有の香味、色沢がとくに良好。

 
本醸造酒:
精米歩合70%以下の白米、米こうじ、醸造アルコールや水を原料として造った日本酒。

 
特別本醸造酒:
本醸造酒の中でも、精米歩合が60%以下または、特別な醸造方法で造られている。醸造アルコールが加えられている。製造方法や、原料米などに、酒蔵のこだわりが生かされているものが多い。

 
吟醸酒:
精米歩合60%以下の白米と米こうじ、水や醸造アルコールを原料とした日本酒。「吟醸造り」による。

 
大吟醸酒:
精米歩合50%以下の白米と米こうじ、水、醸造アルコールを原料として、「吟醸造り」によって造られた日本酒。香味、色沢がとくに良好。

 

つくりで変わる味・香り・価格

 
ここでは、特定名称酒8種類それぞれの、味の特徴や、合わせて楽しみたい料理をご紹介する。

 
精米歩合が50%以下である大吟醸や純米大吟醸酒など、精米歩合が高くなるほど、価格が高くなる傾向がある。「特定名称」は、あくまで材料や製法の違いによる区分なので、造り手が使う原材料の原価によって値段も変化する。

 
「美味しさ」は価格に比例するとは限らない。お酒の温度、合わせる料理、個人の好みによって、日本酒の味わいは大きく変化する。身近にあるからこそ、いろいろな日本酒をためして、自分の好みの日本酒を見つけてほしい。

 

純米酒

 
米の風味をしっかりと感じさせる濃醇なものが多い。中でも口あたりの良い甘口は初心者にも飲みやすい。

 
基本的に白米に合う料理なら、相性が良い。煮物や肉料理などのこってりとしたおかずから、バターの風味にも合うため、グラタンなどの洋風料理にも。

 
温度は常温やお燗がおすすめ。

 
日常酒としても手に入れやすい価格帯が多い。種類が豊富なので、いろいろな酒蔵の純米酒を味比べするのも楽しい。

 

純米吟醸酒

純米酒のしっかりした飲み口と、吟醸造りならではの華やかさが特徴。芳醇な味わいと、フルーティーな香りがバランスよく楽しめる。

 
ローストビーフなどの肉料理に合わせるのもおすすめ。カルパッチョや天ぷらなどもぴったり。幅広い料理と楽しめる。

 
冷酒や常温、ぬる燗など、料理に合わせた温度で楽しんで欲しい。

 
純米酒に比べると、価格帯はやや高め。

 

特別純米酒

一般的には、純米酒の特徴をさらに際立たせたものが多いため、すっきりとしていながら、純米酒らしいしっかりとした味わいが特徴。酒蔵によって、こだわりの方向性は異なるが、個性が感じられる銘柄が多い。

 
純米酒と同じように、和食から濃厚な料理まで幅広く合わせやすい。

 
常温からお燗までおすすめだが、ぜひ、その銘柄の「特別」を生かした飲み方を楽しんでほしい。

 
ジャンルは純米酒なので手に入れやすい価格帯が多い。だが、酒蔵のこだわりや個性が感じられる銘柄が多いので、ぜひチェックしてほしい。

 

純米大吟醸酒

純米吟醸酒と比べ、さらに華やかな香りと、すっきりとした味わいが特徴的。

 
塩焼きや、昆布じめのお刺身など、素材を生かした料理と合わせるのがおすすめ。食前酒や食後酒として、お酒だけをじっくり味わうのもいい。

 
香りを感じるために、冷やしすぎない温度での冷酒がおすすめ。

 
材料を吟味していたり、製法によっては生産量が少なかったりすることもあり、高価なものが多い。贈り物や特別な日にもぴったり。

 

 

本醸造酒

すっきりとしていて淡麗で、清涼感がある。

 
湯豆腐やお刺身、焼き魚など、さっぱりした料理から、焼き鳥、煮つけなどのこってりとした料理にもぴったり。

 
冷酒ですっきりと飲むのも、少しぬるめの燗で軽さを味わうのもおすすめ。

 
日常的に楽しみやすい価格帯が多い。

 

 

特別本醸造酒

さらりと淡麗な味わいが特徴。本醸造酒よりもさらにすっきりとした飲み口が楽しめる。

 
お刺身や冷奴などのさっぱりとした和食から、中華や洋食まで、さまざまな料理と合わせやすい。

 
基本的には冷酒から熱燗までおすすめだが、銘柄によって、温度を変えて楽しんで。

 
リーズナブルな価格も多いため、晩酌のお供などで、長く愛されている定番品も多い。

 

吟醸酒

フルーティーな香りとスッキリした味わいが特徴。

 
お刺身や天ぷらなど、素材を生かした料理との相性がよい。

 
基本的には冷酒がおすすめだが、雑味がないので常温でも美味しく楽しめる。

 
本醸造酒に比べると価格帯は高め。

 

大吟醸酒

香りをしっかりと楽しめる大吟醸は、精米歩合が50%以下のため、雑味の少ない、すっきりとした味わい。

 
カルパッチョなど新鮮な素材を生かした料理との相性が良い。食前・食後酒として、お酒そのものを楽しむのがおすすめ。

 
飲み方は香りがたつ10度前後の冷酒がおすすめ。季節によって温度を変えて楽しんでほしい。

 
高価格なものが多いので、特別な日や、日本酒をじっくり味わいたい時に。

 

生酒?生詰?火入れによる種類もある

 
日本酒には「火入れ」という、加熱処理の工程がある。搾られた新酒を加熱することで、酵母の発酵が止まり、飲み頃の味わいと品質を長く保つことができる。多くの日本酒では通常2回の「火入れ」が行われている。

 
この火入れの有無、火入れの回数によって日本酒の味わいが変わるため、特定名称酒とはまた異なる名前がつけられている。

 
火入れをしない日本酒は、「生きているお酒」でもあるので、温度変化により品質が変わりやすい。そのため冷蔵での保存がおすすめだ。かつて冷蔵技術が発達していなかった時代には、酒蔵でしか味わえなかった貴重なお酒でもある。

 

生酒(なまざけ)

火入れを一切行わない日本酒を「生酒(なまざけ)」と呼び、搾ったままのフレッシュな味わいを楽しめる。

 
華やかで軽い飲み口のタイプが多いので、初心者にもおすすめ。ぜひ、キリッと冷やして飲んでみて。お豆腐やお刺身など、さっぱりした料理とよく合う。

 
デリケートなお酒なので、保管は必ず冷蔵庫で、開栓後は早めに飲みきってほしい。

 

生詰酒(なまづめしゅ)

火入れを行ってから貯蔵し、その後は火入れを行わずにビン詰め出荷するのが「生詰酒(なまづめしゅ)」。生酒のような爽やかな味わいに加え、熟成によりほどよくまろやかな口あたりが楽しめる。

 
ちなみに、9月から11月頃に発売される「ひやおろし」は、夏の間に熟成させて、秋に出荷する「生詰酒」のこと。秋刀魚やきのこ、さつまいもなど、旬の食材に合わせて味わってほしい。

 

 

生貯蔵酒

火入れを行わずにそのまま貯蔵し、瓶詰めの直前に一度だけ火入れする「生貯蔵酒」。しぼりたてのフレッシュさがありながらも、まろやかで旨味がある。生酒よりも扱いやすいが、冷蔵庫で保管がおすすめだ。

 

火入れ酒

一般的な日本酒のほとんどは「火入れ酒」。貯蔵前と出荷前に、約60度の低温殺菌を行うことで、雑菌の繁殖を防ぎ、発酵を止め、飲み頃の風味を保つ。冷蔵技術のなかった時代から続く方法で、常温での保存や輸送にも適している。

 

新酒?古酒?保存期間による味わいの違い

 
日本酒には「新酒」と「古酒」があることをご存知だろうか?

 
日本酒の「新酒」とは、製造年度内に造られた日本酒のこと。その製造年度とは、7月1日から6月30日までが一区切りだ。

 
一般的に日本酒は、米の収穫がはじまる秋~冬から仕込みがはじまり、冬から春にかけて造られることが多い。そのため新酒の販売は、12月から3月にかけてが多くなる。

 
同じ時期に仕込んでも、熟成させて翌6月30日をすぎて出荷する場合は「古酒」と呼ばれる。熟成期間は1年でも数十年でも、同じく「古酒」なのだ。

 
また「古酒」は、長期熟成することで、新酒とは全く違う味わいを楽しめる。熟成年数が増えると、色味も琥珀色に変化し、熟成香と呼ばれる香りになっていく。

 
新酒はフレッシュな香りが楽しめるため、こってりしたものや濃い味の料理にもおすすめ。

 
古酒は、重厚で、個性的な香りのものが多いため、甘味の強い料理や、肉料理、スパイス料理、チーズなどとも相性がよい。料理とは別に、少しずつ味わうのもおすすめ。

 

日本酒の種類を知って、好みの味を見つけよう

 
水やお米、こうじなどの原料、気候など、地域ならではの自然の恵みによって造り出される「日本酒」。味のバリエーションも広く、冷酒、冷や(常温)から熱燗まで、さまざまな温度で異なる味わいを楽しめる。

 
料理ごとに日本酒の種類を変えるなど、ペアリングを楽しむのもおすすめだ。

 
また酒蔵が日本全国にあるからこそ、その地域性を味わうのも楽しい。一般的に寒い地域は辛口が多く、暖かい地域は甘口が多いともいわれている。

 
ご当地の名物料理と、その地方の酒蔵の日本酒を合わせるのもいい。食卓から、日本各地の酒蔵や景色に思いをはせてみてはいかが。

 
さあ今夜は、お好みの日本酒を選んで、ゆっくりと味わってほしい。

 
 

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