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【金沢】観光スポットおすすめ20選!【2024年最新版】

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石川県の県庁所在地であり、古き良き街並みや美術館、美しい景色などが楽しめる金沢。兼六園やひがし茶屋街などの定番観光から、近江町市場などグルメスポット、武家屋敷や鼠多門・鼠多門橋などの歴史的建造物など、金沢の魅力に惹かれ、多くの観光客が訪れる。

 
この記事では、

 
・金沢で観光すべきスポット
・金沢観光の目的別特徴
・金沢で楽しむグルメ

 
を紹介していく。

 
これを読めば、自分の好みにあった金沢の観光スポットを見つけられるはず。
それぞれのスポットには興味にあわせたジャンルがわかるマークも付けているので、参考にしてほしい。

 

金沢の観光を楽しみたい!

本州中央部の日本海側、石川県のほぼ中心に位置する金沢市。市域の南部は白山山麓へと連なる山地が占め、北部は金沢平野を経て日本海へのぞむ自然豊かな地となっている。春や夏は晴天の日が多く、冬は曇りの日が多く積雪もみられる日本海側らしい気候が特徴。四季の移り変わりがはっきりとしており、豊かな自然と相まって季節ごとに際立った景観が楽しめる。なかでも金沢の冬は「弁当忘れても傘忘れるな」といわれるほどで、雨・雪が多いが、兼六園の雪化粧に象徴されるように、金沢ならではの風情を楽しめる。

 
金沢といえば「加賀百万石の城下町」として全国的に知られる。前田利家が金沢城に入城したのは1583(天正11)年のことで、以来、加賀、能登、越中を合わせて加賀藩は栄華を極める。その影響は経済から産業、文化に至るまで絶大で、400年以上の歴史の中で培われた伝統にさまざまな場面で触れることができるのも、古都・金沢ならではといえるだろう。

 
兼六園、金沢城公園をはじめとした前田家ゆかりのスポットをはじめ、藩政時代に武士の住まいが連なった武家屋敷跡、ひがし茶屋街に代表される町人文化の花ひらいた街々など、今も市内各所で古き良き時代の面影に触れられるのはもちろん、食にもその伝統が息づいている。加賀藩主の保護のもとに発達した加賀料理、茶の湯文化とともに発達した和菓子、加賀の自然が育む加賀野菜、そして日本海で揚がる魚介の数々。こうした金沢ならではの食も旅の大きな楽しみだ。また、同じように加賀藩の庇護のもとに発達を遂げた陶芸、漆芸、染め、金工なども、その伝統を脈々と受け継いでいる。

 
独自の風土と大藩・加賀百万石の伝統文化が育んだ金沢。目にするもの、触れるもの、食べるものをはじめ五感でその奥深さを体感することができるだろう。

 

金沢といえばここ!定番観光スポット

観光スポットに事欠かない金沢だが、まずは抑えておきたい定番スポットをご紹介。手軽に金沢の魅力に触れるなら外せないスポットばかりだ。

 

兼六園

 
水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び、日本三名園のひとつに数えられる兼六園。17世紀中頃から加賀藩の歴代藩主により、金沢城の外郭に営々と造営されてきた。敷地面積は約11.4万平方メートルと広大で、園内を回遊して楽しむ林泉回遊式庭園となっている。

 
早春の梅、春の桜、夏のカキツバタ、秋の紅葉、そして金沢の冬の風物詩でもある雪の重みから木の枝を守るために施される「雪吊り」など、四季折々庭園美が堪能できる。園内には、「徽軫灯籠」をはじめ「唐崎松」「雁行橋」「霞ヶ池」「時雨亭」「夕顔亭」などなど見どころが満載。効率よく回るならガイドツアーに参加するのがおすすめだ。また、早朝か夜間に訪れれば、静かな佇まいに巡り会える。

 

兼六園|
住所:金沢市兼六町1
URL:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/japanese/top.html

 

ひがし茶屋街

 
江戸時代、加賀藩が城下のお茶屋を集めて誕生した茶屋の町(花街)で、金沢には三大茶屋街が現存。中でも浅野川東岸に広がるひがし茶屋街は、金沢で最も格式の高い花街として知られた。

 
キムスコ(木虫籠)と呼ばれる美しい出格子が特徴的な茶屋としっとりとした石畳からなる街並みは、古き良き茶屋街の雰囲気が感じられ、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また、江戸時代の建物を今に伝える格式ある割烹や、町家をリノベーションしたお洒落なカフェや伝統工芸品を扱うセレクトショップなどが立ち並び、金沢ならではの食や買い物が満喫できる。ほとんどの店舗が17時前後で閉店するので、訪問時間には注意を。

 

ひがし茶屋街|
住所:金沢市東山
URL:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10212.html

 

湯涌温泉(ゆわくおんせん)

 
金沢市の中心部である兼六園周辺から車で20分ほど。山間に9軒の宿が佇む温泉地で、「金沢の奥座敷」として親しまれる。開湯から約1300年の歴史を有し、かつては加賀藩御用達の湯として歴代藩主に愛された。また、大正期の美人画家・竹久夢二が逗留したことでも知られる。

 
温泉共同浴場の「総湯白鷺の湯」、夢二滞在中の作品などを展示する「金沢湯涌夢二館」、江戸時代の農家、町家などを中心に展示公開する「金沢湯涌江戸村」などもあり、温泉街の奥にはホタルの里として知られる玉泉湖も。温泉風情と豊かな自然に触れられる温泉地だ。

 

湯涌温泉|
住所:金沢市湯涌町
URL:https://yuwaku.gr.jp/yu/

 

金沢駅

 
金沢の玄関口であるJR金沢駅は、駅そのものが観光名所としても人気。兼六園口にある「もてなしドーム」は、雨や雪が多い金沢において『駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心』がコンセプト。幾何学模様のガラス天井からは、日中は降り注ぐ日の光、夜はライトアップされた姿で人々を迎えてくれる。

 
そして、もてなしドームの正面には、金沢の新しいシンボルであり記念撮影スポットとして人気の「鼓門」が。金沢で古くから盛んな能楽に用いる鼓をイメージ。高さは約13.7m。2本の太い柱に支えられた門構えは見るものを圧倒する。日没から24時まではライトアップが実施され、曜日ごとに異なる色合いで照らし出される。

 
そのほか、新幹線ホームの柱には金箔、通路には加賀友禅や和紙の柱、他にも九谷焼、輪島塗、山中漆器など加賀百万石の伝統工芸が駅のいたるところに用いられているのも金沢駅ならではだ。

 

金沢駅|
住所:金沢市木ノ新保町1-1
URL:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10050.html

 

妙立寺(みょうりゅうじ)

 
日蓮宗の寺院で、加賀藩の第三代藩主前田利常の命により創建。複雑な構造や外敵を欺く仕掛けから、「忍者寺」の異名を持つ。

 
創建当時、加賀藩は徳川幕府と緊張状態にあり、万一の襲撃に備え、出城、砦としての役目も持たせることに。金沢城への抜け道が整備されていたとされる井戸をはじめ、落とし穴になる賽銭箱、床板をまくると出現する隠し階段、掛け軸の裏にある隠し扉など、そこかしこに敵を欺くための仕掛けが施されている。

 
また、外観は2階建てだが、実際には7層になっており、部屋数は23、階段は29もある。このような迷路状態の構造のため、内部に入る際はガイドの案内が必要。事前に予約を。

 

妙立寺|
住所:金沢市野町1-2-12
URL:http://www.myouryuji.or.jp/

 

尾山神社

 
加賀藩初代藩主・前田利家公と正室お松の方を祀る神社として1873(明治6)年に創建。国の重要文化財に指定されている「神門」は、和漢洋の三つの建築様式を混用した全国的にも珍しいもので、最上階にはめ込まれたギヤマン(ステンドグラス)の美しさでも有名。夜には明かりが灯り、幻想的な雰囲気を醸す。また、避雷針は現存する日本最古のものといわれている。

 
本殿の建造は古式に則った三間社流造。社殿右側の玉垣はレンガ造りとなっており、剣梅鉢のご紋すかしになった珍しいもの。金沢でレンガを使用したのは尾山神社が最初とされる。

 
なお、2020年にかつて玉泉院丸庭園と尾山神社を結んでいた鼠多門と鼠多門橋が復元され、金沢城公園から鼠多門・鼠多門橋を通って尾山神社へ参拝が可能に。そのまま長町武家屋敷跡界隈まで行くこともできるようになった。

 

尾山神社|
住所:金沢市尾山町11-1
URL:http://www.oyama-jinja.or.jp/

 

金沢21世紀美術館

▲出典:金沢市観光公式サイトURL

 
アンディ・ウォーホルや横尾忠則、草間彌生をはじめとしたアーティストの1980年以降に制作された国内外の現代美術作品を多数所蔵する。無料で入れる「交流ゾーン」と有料ゾーンで構成。

 
何といっても人気は有料ゾーンにある、レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール(通称:レアンドロのプール)」。地上から見るとまるでプールの中に人が入っているような光景、地下部から見ると水の中から外をのぞく光景になり、プールを介して地上と地下で人と人が出会うことができる体験型の作品だ。なお、地下部への入場には、事前予約が必要だ。

 
他にも楽しい作品が数多く展示されており、無料ゾーンだけでも十分にアートを満喫できる。また、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニットSANAA(サナア)によって建築設計された建物自体にも注目を。ミュージアムショップ、レストランも併設しているので、いろんな過ごし方ができる美術館だ。

 

金沢21世紀美術館|
住所:金沢市広坂1-2-1
URL:https://www.kanazawa21.jp/

 

金沢城公園

 
難攻不落の名城として知られた、加賀藩前田家の居城・金沢城の城跡につくれらた都市公園。明治時代から第二次大戦までは帝国陸軍、戦後は金沢大学が所有。市民が城跡に入れるようになったのは2001(平成13)年のこと。

 
天守閣は1602(慶長7)年の焼失以来再建されていないが、2001年に復元され公園のシンボルとなっている菱櫓や五十間長屋(ごじっけんながや)、橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)が当時の姿を今に伝える。そのほかにも国の重要文化財に指定されている石川門、三十間長屋、鶴丸倉庫など園内は見どころが多数。

 
広大な敷地は起伏があり、まるでハイキングコースのよう。かつて天守のあった場所は森となっており、多様な動植物の宝庫に。すべてを回るのは難しいので、目的地を決めて訪れるのがおすすめだ。金・土、祝日の前日には夜間も開園。園内はライトアップされ幻想的な風景を楽しめる。

 

金沢城公園|
住所:金沢市丸の内1-1
URL:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/

 

国立工芸館

 
前身は、東京の皇居北側に位置する北の丸公園にあった東京国立近代美術館工芸館で、2020(令和2)年に日本海側初の国立美術館である「国立工芸館」として、金沢市へ移転・開館。日本を中心に近・現代の工芸・デザイン作品を専門とする美術館であり、工芸文化の発信拠点を目指している。

 
建物は、明治後期に建てられた2つの旧陸軍の施設。1997(平成9)年に国の登録有形文化財に登録された木造の旧陸軍第九師団司令部庁舎と、旧陸軍金沢偕行社を移築し活用。展示室部分はRC造で復元して新築されており、外観は建築当時の色を再現している。

 
兼六園の近接地にあたり、藩政期から各時代の歴史的建物や文化施設が集積した「兼六園周辺文化の森」と呼ばれるエリアに位置。周辺には石川県立美術館や石川県立伝統産業工芸館もあり、工芸の街・金沢を堪能することができる。

 

国立工芸館|
住所:金沢市出羽町3-2
URL:https://www.momat.go.jp/cg/

 

金沢南総合運動公園バラ園

 
運動公園の一角にあるバラ園で、北陸最大級の規模を誇る。大・中・小輪あわせて140品種以上、約1,800株のバラがシーズンになると咲き乱れる。園内は、アーチ仕立てやフェンス仕立てで立体的に空間を演出。ロマンチックな雰囲気を醸している。

 
例年見頃は、春シーズンが5月中旬から6月上旬、秋シーズンが9月下旬から10月中旬。なかでも5月の見頃は花数も多く、見ごたえがあると評判だ。

 

金沢南総合運動公園バラ園|
住所:金沢市富樫3-8-30
URL:https://www.kanazawa-sports.jp/rose/

 

金沢グルメも外せない!

豊かな自然と加賀百万石の伝統により培われた金沢の食。古き良き食文化を伝える料亭をはじめ、近年は伝統に新たな感性を吹き込む飲食店も増えている。また、金沢の台所である近江町市場に代表されるように、新鮮な魚介や加賀野菜をはじめ、金沢でしか味わえない食の数々もぜひチェックしたい。

 

主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい)

 
ひがし茶屋街と浅野川大橋を挟んだ対岸に位置する茶屋町。ひがし茶屋街、にし茶屋街とともに金沢の三茶屋街のひとつに数えられ、浅野川沿いに昔ながらの料亭や茶屋が並ぶ。

 
多くの観光客で賑わうひがし茶屋街とは対照的に、人出もそれほど多くなく、落ち着いた雰囲気で情緒あふれる散策が楽しめる。日中も薄暗い石段が続く「暗がり坂」、作家・五木寛之氏が命名した「あかり坂」などの人気スポットも。

 
昼間は営業している店も少ないが、夕暮れ時になるとお茶屋や小料理店、バーなどに明かりが灯り、どこからともなく芸妓が奏でる三味線と太鼓の音が聞こえてきて、往時を彷彿とさせる雰囲気に包まれる。

 

主計町茶屋街|
住所:金沢市主計町
URL:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10048.html

 

近江町市場

 
2021(令和3)年に開場300周年を迎えた近江町市場。加賀藩前田家の御膳所として、また市民の台所としてもにぎわい、「金沢の台所」として金沢の食文化を支えきた。狭い小路には約180の店が並び、店先には新鮮な海の幸や地元産の野菜や果物などが豊富に揃う。

 
場内は、鮮魚店が集まるエリアと、青果店が集まるエリアに分かれており、いずれも地元民、観光客で活況を呈している。観光客に人気のランチは、海鮮が山盛りになった「海鮮丼」。日本海で獲れた新鮮な魚介が、器からはみ出るほど豪快に盛り付けてある。

 
昼食時間はどこの店も混み合うが、早朝から営業している店もあるので、朝食代わりに海鮮丼や金沢おでんなどを金沢の味を楽しみに出かけてみては。

 

近江町市場|
住所:金沢市上近江町50
URL:https://ohmicho-ichiba.com/

 

にし茶屋街

 
金沢の繁華街である香林坊や片町から犀川を渡った西側にあり、約100mの目抜き通りには出格子の茶屋建築が連なり、加賀藩公認の茶屋街だった当時の面影を色濃く残す。現在も5軒のお茶屋が営業しており、三大茶屋街で最も多くの芸妓が所属。お茶屋は「一見さんお断り」の伝統を受け継いでいるが、夕暮れ時になると、着飾った芸妓が街を歩き、家並みからは三味線の音色が流れるなど情緒たっぷりだ。

 
お茶屋の座敷を再現した空間を観光ボランティアガイドが無料で案内してくれる「金沢市西茶屋資料館」があるほか、かつてのお茶屋を改装したショップやカフェも増えており、「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」もオープンするなど、犀川沿いのエリアを含め散策には絶好のスポットといえる。

 

にし茶屋街|
住所:金沢市野町
URL:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10199.html

 

あめの俵屋

 
1830(天保元)年創業。金沢で最も古くから営業する飴屋。名物は水飴状のやわらかな「じろ飴」。創業当時、母乳が出ずに困っている母親たちの姿を見た初代が、代わりになる栄養価の高い食品をと考案したといわれ、以来、乳児の哺育用や妊産婦・病人の滋養に用いられ、代々金沢の人々に愛用されてきた。

 
飴の原料は国内産の米と大麦のみ。そして霊峰・白山の伏流水を使用。砂糖が普及する以前の時代、穀物の甘味を知っていた先人の知恵が生きている。舌にのせれば、どこか懐かしく、優しくて滋味深い甘みが口中に広がる。お菓子としてだけでなく、調味料として利用するのもおすすめだ。

 
金沢駅構内や小松空港などでも購入できるが、ぜひ本店を訪問してみたい。金沢市の指定保存建造物に指定されている店構えは一見の価値あり。白地に墨文字ののれんをくぐった店内では、対面式の販売が行われ、試食も可能。じろ飴をはじめ、バリエーション豊かな飴が揃う。また、桶から竹の箸でじろ飴をすくい取って詰める、飴詰め体験も実施している。

 

あめの俵屋|
住所:金沢市小橋町2-4
URL:http://www.ame-tawaraya.co.jp/

 

西田家庭園玉泉園

 
藩政期の初期、兼六園がまだ作庭される前の時代につくられた、約400年の歴史を有する庭園。台地の断崖を利用してつくられた園内は傾斜を活かし、樹齢数百年になる大木をはじめとした草木により構成された池泉回遊式庭園となっている。

 
園内には金沢最古の茶室で、裏千家の始祖・千仙叟宗室の指導によって造られた「灑雪亭(さいせつてい)」があり、茶道体験を楽しむことができる。抹茶には、老舗和菓子店・吉橋の和菓子がセットに。吉橋は料亭などへの仕出しのみを行っており、通常はなかなか口にすることのできない和菓子が味わえるのもここならでは。

 

西田家庭園玉泉園|
住所:金沢市小将町8-3
URL:https://gyokusen-en.net/

 

金沢の伝統文化に触れたい!

建物、庭、通りをはじめ、かつての面影が大切に守られている金沢だが、21世紀に入ると、明治時代に失われてしまった建物などの復元も進み、観光に新たな魅力を加えている。とくに金沢城公園は、2015(平成27)年に公開された玉泉院丸庭園、2020(令和2)年に公開された鼠多門・鼠多門橋など、時代考証にもとづき復元された建築物も増えており、ぜひ訪れてみたい。

 

武家屋敷跡 野村家

 
繁華街の香林坊から歩いてすぐの一角である長町界隈。周辺は、藩政期に中級武士が暮らしたエリアで、黄土色の土塀、石畳の小路などが当時の面影を宿し「長町武家屋敷跡」として人気の観光地になっている。

 
この周辺で唯一公開されているのが、加賀藩の重臣、野村伝兵衛信貞の「武家屋敷跡 野村家」だ。格式を誇る建物と情緒のある庭園の見事な調和は見応えあり。加賀藩のお抱え絵師による上段の間の襖絵や野村家伝来の刀剣、甲冑など貴重な文化財も多数。最大の見どころである庭園は、2階の茶室からの眺めが最高とされる。

 

武家屋敷跡 野村家|
住所:金沢市長町1-3-32
URL:http://www.nomurake.com/

 

鼠多門(ねずみたもん)・鼠多門橋(ねずみたもんばし)

 
金沢城の西側の郭であった玉泉院丸(現在の玉泉院丸庭園)と金谷出丸(現在の尾山神社)を結ぶ出入り口として使われていた鼠多門は、2階建ての櫓門。そして、水堀をまたぐ木橋で、城内最大規模を誇ったのが鼠多門橋だ。

 
江戸前期にはすでに存在していたことが確認されており、以後、1759(宝暦9)年の大火も免れ明治期まであったが、1884(明治17)年に惜しくも焼失した。2014(平成26)年より復元に向かって動き始め、2020(令和2)年に140年余を経て復元された。

 
鼠多門は、屋根は鉛瓦、外壁上部は白漆喰(しろしっくい)塗りで、腰壁は海鼠(なまこ)壁仕上げに。その壁の目地が黒漆喰(くろしっくい)で仕上げられており、他の門には見られない特徴となっている。

 
この完成により、金沢城公園から鼠多門・鼠多門橋を経由して尾山神社へ。さらに長町武家屋敷跡界隈まで気軽に城下町巡りを楽しめるようになった。毎週金・土や祝前日などにはライトアップもされ、夜の散策にも絶好のスポットだ。

 

鼠多門・鼠多門橋|
住所:金沢市丸の内1-1
URL:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/nezumitamon/

 

玉泉院丸庭園

 
織田信長の四女で、二代加賀藩主・前田利長の正室・玉泉院(永姫)の屋敷跡に、三代藩主の前田利常がつくった庭園を金沢城公園の整備の一環として復元。北陸新幹線の開業に合わせ、2015(平成27)年3月から一般公開された。

 
池泉回遊式庭園で、池には3つの浮島があり、木橋、石橋、土橋を合わせて5つの橋で結ばれており散策を楽しめる。また、庭園美とともに、色紙短冊積石垣と呼ばれる大きな石垣も見どころとなっている。

 
庭園内には「玉泉庵」と命名されたお茶室が設けられており、抹茶とオリジナル生菓子のセットを提供。庭園を眺めながらひと休みすることができる。また、金沢城公園と同様に、毎日夜間開園を実施。幻想的にライトアップされた風景を楽しんでみては。

 

玉泉院丸庭園|
住所:金沢市丸の内1-1
URL:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/gyokusen-in/

 

浅野川大橋

 
金沢城の東側をゆったりと流れる浅野川は、地元では「男川」と呼ばれる犀川に対して、「女川」の愛称で親しまれる。この川に交通の要衝として藩政時代に建設されたのが浅野川大橋。現在の橋は、1922(大正11)年に建設されたもので、2022(令和4)年は誕生から100年の節目にあたる。橋長55m、幅員17m、鉄筋コンクリート造3連充腹のアーチ橋で、どこか大正ロマンの雰囲気を感じさせる人気の撮影スポットにもなっている。

 
5月には普通は空に浮かぶ鯉のぼりを友禅流しのように川に流す、全国でも珍しい「浅の川・鯉流し」、9月には河川敷をキャンドルや灯籠でライトアップする「女川祭」を開催する。

 

浅野川大橋|
住所:金沢市橋場町先
URL:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10003.html

 

成巽閣(せいそんかく)

 
13代藩主前田斉泰が母・真龍院のために建てた隠居所。寄棟造りの2階建ての建物で、階下は大名書院造り、階上は数寄屋風書院造りという2つの様式を取り入れており、風格あふれる佇まいが印象的。国の重要文化財に指定されている。

 
加賀の工人の技術の粋を集めて造られており、「謁見の間」の花鳥の欄間や「松の間」の小鳥の絵が描かれたオランダ渡りのギヤマンなど、小鳥や花が多くあしらわれているのが印象的で、女性の隠居所にふさわしい雅な雰囲気を醸している。必見は、天井に高価な顔料「ウルトラマリンブルー」を使用した「群青の間」。前田家のみに許されたといわれる高貴な色で、北陸新幹線「かがやき」のグリーン車には、この色がモチーフとして用いられている。

 
念入りに手入れされた庭園は国の名称に指定されており、「つくしの縁」に腰掛け、庭の佇まいに目をやりながらゆったりくつろいでみたい。

 

成巽閣|
住所:金沢市兼六町1-2
URL:http://www.seisonkaku.com/

 

まとめ

金沢の観光では、自然、食、温泉、歴史文化と、一度の旅では味わいきれない魅力を満喫できるだろう。季節や目的、滞在期間などにあわせたプランで、金沢の旅をぜひ楽しんでほしい。

 
 

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