とっておきの話

機長のアナウンスはアドリブなの?~JAL機長たちが教えるコックピット雑学①~

JALグループの飛行機の操縦かんを握るキャプテンたち。コックピットの中からしか見えない景色、キャプテンだから知っている意外な事実など、あっと驚く雑学をキャプテン自身がご紹介します。

 

パイロットアナウンスに思いを込めて

私たちの仕事は、基本的に、ご搭乗いただく皆さまと接点を持つ機会が多くありません。
そんななか、直接声を届けることができるPA(パブリック・アドレス)は、パイロットにとって大切なコミュニケーションツールです。直接お会いしてお伝えすることが難しいからこそ、アナウンスの言葉に感謝の気持ちを込めてお話しするようにしています。

 
例えば、夏休みや冬休みなどの時期はお子さまのご搭乗が増えますので、状況が許せば、空の旅が少しでも楽しくなるように「今飛んでいる高さは、富士山の3倍の高さです」「飛行機の重さは、シロナガスクジラの約3頭分です」などと、ものに喩えた説明をすることがあります。

 
また、駐機場に着き、業務に余裕がある際には、なるべく機長の私自身からも、ご搭乗の御礼をアナウンスするように心がけています。
このようなアナウンスに対して、今でも覚えているのは、小さなお子さまが自分で書いた手紙を持って、私たちが降機するまで搭乗ゲートで待っていてくれたことです。とても嬉しく、今でも私のモチベーションとなっています。

 
ところで、私にとってのPAは、ご搭乗の皆さまに向けたものであると同時に、一緒に乗務する客室乗務員に向けたものでもあります。
接点が限られているのはお客さまだけでなく客室乗務員もまた同様で、十何時間のフライトをともにしても、直接話すことがほとんどない人もいます。だからこそ、アナウンスを通して自身の人柄を感じてもらうことで、相談しやすい雰囲気を作りたい、また、お客さまと客室乗務員が接点を持つきっかけになればという思いを込めて話しています。

 
以前、社内の研修で、コミュニケーションは言葉7%・声の抑揚38%・表情55%で構成されると聞いたことがあります。
この考え方に則ると、客室乗務員と行うインターフォンのやりとりでは、最高の言葉と抑揚で伝えても、伝えたいことの半分しか伝わらないことになります。そのため、本当に大切なことは、コックピットに来てもらい、顔を見て直接伝えるように心がけています。

 

(JALカード会員誌AGORA 2016年1・2月号掲載)
※記載の情報は2016年1月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 
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