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8月31日は「野菜の日」|世界の珍しい野菜5選を紹介

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毎日の食事に欠かせない野菜。野菜には旬があり、季節や体調にあわせて食べたり、美味しさを引き出して調理したりと、楽しみ方も千差万別だ。

 
健康意識が高まっている昨今は特に、サラダ専門店やスムージー専門店など野菜に特化したお店も多くなり、ヘルシー志向の女性のみならず、男性からの人気も高まっている。

 
また、バジルや大葉、スプラウトなど気軽に自宅で育てられる野菜があることも魅力の一つともいえるだろう。

 
近年では流通の発達により、スーパーや青果店ではさまざまな種類の野菜も並び、珍しい野菜が気軽に手に入る。

 
そんな時代だからこそ、野菜に親しむという想いが込められた「野菜の日」について、珍しい野菜に焦点を当てて紹介したい。

 

「野菜の日」はいつ制定された?

野菜

 
野菜の日が制定されたのは昭和58(1983)年。全国青果物商業協同組合連合会など9団体の関係組合が、「野菜についてもっと知ってもらいたい、野菜の魅力を広く伝えたい」との想いで、8月31日を野菜の日と制定した。

 
例年野菜の日には、全国の農業協同組合や、百貨店、スーパー、コンビニなどで野菜にまつわるフェアやイベントが開催されている。食品メーカーでも野菜の日にちなんだキャンペーンが行われている。

 

8月31日が野菜の日に制定された理由

なぜ野菜の日は8月31日に制定されたのか。単純に「8(や)3(さ)1(い)」の語呂合わせがその理由だ。

 
また、野菜に「掛ける(8×3×1=24)」という意味で、野菜の日の一週間前の8月24日が「ドレッシングの日」として制定されている。

 
そのため、8月24日から31日までの1週間を野菜週間とする自治体や企業もあり、さまざまなイベントやキャンペーンが行われている。

 

現代の日本人は、1日にどれだけの野菜を食べているか?

健康意識の高まりから、意識的に野菜を摂ろうという人が増えているようにも感じるが、実際はどうだろうか。

 
厚生労働省が提唱する健康づくりの指標「健康日本21」では、健康な生活を維持するための成人1日の野菜摂取量の目標を「平均350g以上」と掲げた。

 
ちなみに厚生労働省の「平成30年国民健康・栄養調査」によると、成人男女の1日の平均野菜摂取量は281.4g。上記の目標に達していないうえ、年間で比較すると、1985年比で2割減少している。最も多く野菜を摂取している70代でも1日320.6g。20代・30代に至っては1日約250gと、若者がいかに野菜不足の生活を送っているかが理解できる。

 

珍しい野菜、どこまで知っている?

野菜

 
野菜の消費量が減少しているとはいっても、毎日口にしていることだろう。そんな身近な存在であるにもかかわらず、知らないことも意外と多いのではないか。

 
実は野菜には共通の定義が存在しない。はるか昔から、食べるために育てた植物を野菜と呼んできただけのことなのだ。ただし、食用部位によって分類されることもある。その分類の一例を紹介しよう。

 
「葉菜類」は、色が濃いほど味が強いといわれる。代表的な野菜は、キャベツやホウレンソウなど。生でも食べられるため、調理の手軽さから食卓に並ぶ頻度も高いだろう。

 
花頭やつぼみを食べる野菜は「花菜類」に分類される。ブロッコリーやカリフラワーが代表的だ。

 
土の中で水分と栄養を吸収し育った根や球茎を食べる「根菜類」も、よく食べられる野菜だろう。ジャガイモやニンジンなどが挙げられる。

 
芽や茎を食べる野菜は「茎菜類」と呼ばれる。アスパラガスやセロリなどが一般的だが、なんとタマネギも茎菜類に分類される。そういわれると、タマネギのお尻に生えた細い髭が本来の根であり、地中部分にあったとしてもタマネギはあくまで茎の一部ということが理解できる。

 
実を食べる野菜は「果菜類」だ。パプリカやナス、カボチャなどが分類される。

 
このように、野菜とひと口にいっても、その種類は数えきれない。特に最近では、流通の発達により海外を原産とする野菜もスーパーで頻繁に見かけるようになった。色鮮やかで独特な形状をした海外の野菜は、物珍しさとお洒落さからSNSで注目を浴びている。

 
特に野菜不足といわれる若者は、こうした切り口から興味を持ち始めてみるのもよいかもしれない。

 

食卓に咲くバラ「カステルフランコ」

カステルフランコ

 
まるで花にも見間違える「カステルフランコ」は、チコリの一種。イタリアが原産で、葉菜類に分類される。

 
見た目はバラのように美しく、淡いクリーム色に浮かぶワインレッドの斑点は実に艶やかだ。愛称も、「ウインターローズ(冬のバラ)」や、「オーキッドレタス(蘭レタス)」など、華麗な名で親しまれている。

 
発祥は、野菜のネーミングにもなったイタリア北部のカステルフランコヴェネトという町とその近郊。西暦800年から栽培されていたという記録が残されている。

 
本場イタリアでは高級野菜として扱われ、幅広い調理法で食べられる。メインディッシュとしても美味しいし、デザートの装飾として利用してもよい。そのほか、チーズを添えたり、サラダとして生食にしたり、リゾットやパスタにトッピングしたり、加熱調理でも味わえる。葉はレタスよりもまろやかな甘みを感じ、独特の風味がサラダの味をより深めてくれる。

 

栄養素も色とりどりの「スイスチャード」

スイスチャード

 
赤、白、黄、オレンジ、紫、ピンクなどのカラフルな茎と、緑の葉が食卓に彩りを添えてくれる「スイスチャード」。地中海沿岸が原産といわれる、ホウレンソウと同じアカザ科の野菜だ。

 
抗がん作用や免疫力を高める効果があるβ-カロテンや、抗酸化作用があるビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄分、カリウムが多く含まれており、夏バテや高血圧の予防にもよいといわれる栄養価抜群の野菜だ。

 
病気や害虫にも強いため、栽培しやすく、青菜類が不足する夏にも収穫ができるので、ホウレンソウの代わりとして利用されてきた。

 
実はこの野菜、日本でも広い範囲で栽培されており、和名では「不断草(ふだんそう)」と呼ばれている。また、地域によっては「アマナ」「うまい菜」「トウチシャ」など、多くの呼び名で古くから親しまれている。

 
和食との相性もよく、おひたしや和え物、バター炒めにして調理するのもよし、てんぷらにしてもよし。もちろん生食も可能で、サラダにしても美味しい。近年ではスーパーでも目にすることが少しずつ増えてきた。

 

世界一美しい野菜と評される「ロマネスコ」

ロマネスコ

 
次にご紹介するのは、「ロマネスコ」というアブラナ科の野菜。花菜類に分類される、カリフラワーの一種だ。

 
ブロッコリーとカリフラワーを掛けあわせて作られたともいわれている。その一方で、古代から存在するロマネスコこそブロッコリーやカリフラワーの起源だという説もあり、正しい起源ははっきりしていない。

 
またロマネスコとはイタリア語で「ローマ」を意味し、イタリアではローマで栽培され食べられてきた野菜として、「ブロッコロ・ロマネスコ」と呼ばれる。

 
ごつごつした独特の形と、鮮やかな黄緑色が印象的な見た目のロマネスコ。特徴的なこの形状は「フラクタル構造」と呼ばれ、小さなつぼみをとっても全体の形と同じ形状になるもののことをいう。この複雑な構造と色合いから、「世界一美しい野菜」とも評される。

 
食感はカリフラワーに近く、味はブロッコリーよりもややまろやか。ゆでてそのまま食べたり、パスタやピクルス、グラタンの材料にしたりなど、ブロッコリーやカリフラワーと同じように調理することができる。栄養価も高く、ビタミンCや鉄分、食物繊維などが豊富に含まれる。

 

小ぶりながらも存在感のある「きゅうりメロン」

きゅうりメロン

 
ネーミングはいささかお洒落さに欠けるかもしれないが、見た目はスイカやライムのようなかわいらしさの「きゅうりメロン」。大きさはブドウの粒ほどで、キュウリやライムのようなすっきりした味わいが特徴だ。

 
もちろんウリ科の野菜なので、果菜類に分類される。原産地はメキシコや中央アメリカ。乾燥にも強く、悪天候にも耐えられるため、家庭のプランターでも栽培しやすい。そのため人気が高く、海外では一般的な野菜ともいえる。

 
特に欧米では、サラダの食材として好まれているそうだ。ほかにもジュースやピクルスとして調理したり皮をむかずにそのまま食べられるので、食後のフルーツ感覚で味わう人も多い。

 
日本でも栽培を始める農家が近年増加し、道の駅や直売所などで見かけるようになってきた。

 

アレンジは無限大「バターナッツかぼちゃ」

バターナッツかぼちゃ

 
こちらも独特な形が特徴的な「バターナッツかぼちゃ」。ウリ科カボチャ属に分類される、その名のとおりカボチャの一種だ。南アメリカが原産だが、植物分類上はなんと日本のカボチャの仲間。

 
味も名前のとおり、ナッツのような甘い風味と、ねっとりとした果肉が非常に味わい深い。部位によって味に違いがあり、下の膨れている部分に詰まっている種の周りは甘みが強く、上の細長い部分は少し水っぽくあっさりしている。カボチャよりも実が比較的柔らかく、薄切りにすれば生で食べても美味しい。

 
栄養素は食物繊維やマグネシウム、カリウム、ビタミンCなどが多く含まれている。一般的なカボチャより繊維質が少ないため、ポタージュなどに最適。もちろんカボチャ同様、ソテーなどの料理やケーキやプリンなどのお菓子の材料としても活用でき、非常に万能な野菜だといえる。

 

野菜の日に考える私たちの食生活

もっと多くの人に野菜の魅力を知ってほしいという想いで制定された野菜の日。健康意識の高まりにより、野菜をさらに食べようという消費者も増えている一方で、全体的には野菜の消費量はいまだ減少傾向にある。

 
その背景には、生活様式の変化、核家族化、単身世帯の増加などさまざまな要因があると考えられるが、それでももう少し摂取量は増やせるのではないかとも思える。

 
スーパーでは単身世帯用に一人分にカットされた野菜などが多種多様に並ぶようになった。さらにチルド配送の発達により、新鮮な野菜が家庭に直接届けられるサービスも登場している。

 
こうした便利なサービスを利用しながら、少しでも多くの美味しい野菜を口にしてほしいと生産者は願ってやまない。野菜の日が私たちの食生活を見直すきっかけになれば、これほど嬉しいことはないだろう。
 
 

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