翌朝8時過ぎ。リフト乗り場にはゲートオープンを待ちきれないパウダースノーマニアが、既に行列を作っていた。リフトを乗り継いで山頂付近まで上ると、そこはまっさらなパウダースノー天国。森林限界を超えているために樹木が一本もなく、見渡す限り新雪の大雪原が広がっている。試しに雪を触ってみると、あまりにもサラサラでグローブから滑り落ちてしまうほどだ。
目次
ニセコ 世界中から“JAPOW”を探し求めて
ちょっと緊張しながらのニセコでの一本目。でも滑り出した途端、緊張はすぐに興奮へと変わる。これまで滑ってきた新雪はなんだったのか、というくらい、雪はとにかくフワフワで軽い。特に踏み込まずともエッジを軽く立てるだけで、板が勝手に運んでいってくれるようなフィーリング。視界の端に大量のスプレーが舞い、映像で何度も観たトッププロさながらのシュプールを描く(ような気分になっている)。
外国人が「JAPOW」と呼ぶこの極上のパウダースノーは、シベリアからの寒気団が運んでくる。日本海で水蒸気をたっぷり含んだ寒気は、ニセコアンヌプリ山頂を越える頃には乾いた粉雪となって大量に降り積もる。年間降雪量は約13m。しかも天然のパウダースノー製造マシーンのごとく、夜が明ける度に理想的なパウダー天国を誕生させるのだ。
「ここまで条件が揃ったエリアは、世界中を探してもないかもしれません」と語るのは、「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」の田中竜之介さん。田中さんによると、ニセコの森林限界は1000m前後。ゆえに山頂付近はオープンバーン、中腹部では木立のなかを滑るツリーランを楽しめるという。またベースの標高が250m前後と低いおかげで、酸素もたっぷり。さらに地域独自のニセコルールを設けることで、バックカントリーと呼ばれるコース外の山野を楽しむシステムも整備されている。とはいえ、もともと山スキーで名を馳せたエリア。コース内といえども、整備され過ぎたスキー場とは一線を画す、自然のままのパウダーフィールドが待っている。
Vol.3へつづく
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.1]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.2]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.3]
・SNOW PARADISE ニセコ・ルスツ [Vol.4]
Information about Niseko & Rusutsu
バーギュータス
電話:0136-23-1432
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田167-21
営業時間:17:00〜23:30(L.O.)
営業時期:詳細はウェブサイトにて要確認。
URL:www.gyubar.com
THE ALPINIST
電話:0136-21-7003
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田190-13 Odin Place3階
営業時間:7:30〜18:00(月〜木・日)、〜22:00(金・土)
URL:www.alpinistniseko.com
ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ
ニセコエリアの4つのスキー場のなかでも最大の規模を誇る。30のコース、15基のリフト・ゴンドラを有し、初心者から上級者まで楽しめる。羊蹄山を見ながらパウダースノーを滑る、極上の時間が味わえる。
電話:0136-22-0109
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田204
URL:www.grand-hirafu.jp/winter
ホテルニセコアルペン
グラン・ヒラフのゲレンデの目の前にあり、部屋からスキー・スノーボードウェアを着て直接滑りに行くことが可能。温泉や岩盤浴も完備されており、冷えた体をゆっくり癒やせる。
電話:0136-22-1105
住所:北海道虻田郡倶知安町字山田204
URL:www.hotel-nisekoalpen.jp
タウンハウス「カサラ」
電話:0136-44-3311
住所:北海道虻田郡ニセコ町東山温泉
URL:www.niseko-village.com/ja/stay/kasara-niseko-village.html
ニセコ&ルスツへのアクセス
東京(羽田)、大阪(伊丹)、福岡などから、新千歳空港までJALグループ便が毎日運航。
新千歳空港から車、バスなどでニセコまで約2時間30分、ルスツまで約2時間
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