札幌市街を抜けると、サイロや牛の姿が現れ始める。そして空が開ける石狩湾の近くに「石狩ひつじ牧場」がある。代表の山本知史さんは、22年間、札幌で「チーズマーケット」を営んできた。妻の美奈子さんと、フランスやイタリアなどの生産者を訪れて、チーズや食材を直輸入している。
旅を重ね、羊飼いの暮らしやチーズを深く知るにつれ、北海道でチーズを作りたい、羊乳チーズの魅力を広めたいと思うように。そこで2016年、2haの原野に畜舎を建て、井戸を掘り、牧場を始めた。乳用羊はオーストラリアとニュージーランドに出向き、アワシー、イーストフリージアン種などを自ら輸入。石狩は海が近く風があり、砂地のため、乾燥を好む羊にぴったりだった。
まさか54歳で羊飼いになるとは思わなかったよ、と山本さんは笑う。そして小規模な牧場だからこそ、多品種のチーズを少しずつ作って紹介していきたいという。直営店ではクリーミーな「石狩平野」(100g/税込1,500円)が人気。今後は、南仏で作られるロックフォールのような羊乳ブルーチーズにも挑戦していく。ここにしかない、農家製の羊乳チーズにぜひ出合ってほしい。
石狩ひつじ牧場
電話:070-6601-1116(要予約)
住所:北海道石狩市樽川485-1
直営店「チーズマーケット」で販売。
(住所:札幌市北区新琴似3条6丁目2-2 電話:011-765-1116)
URL:www.cheesemarket.jp/index2.html
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