くぎ煮はいかなごの稚魚を甘辛く炊いた佃煮のようなもので、茶色に煮上がった様子が折れ曲がった古釘に似ていることからその名がついたといわれています。稚魚は東では小女子、西では新子と呼ばれ、主に瀬戸内海沿岸部で漁獲量が多く、昔から漁が始まる2月から3月にかけては新鮮な新子を求めて人々が集まりました。家々から新子を炊く甘辛い匂いが漂ってくると春のおとずれを感じるのだそうですよ。本来地元では新鮮な新子を炊きますが、レシピは手に入りやすい干した小女子、新子を使ってくぎ煮を作り、ごはんに混ぜました。
目次
【 材料(くぎ煮は作りやすい分量、おむすびは6個分くらい)】
●小女子(または新子)の干したもの……100g
●しょうゆ、みりん……各大さじ3
●砂糖……大さじ1〜2
●ショウガ……ひとかけ
●ごはん……2合分
【 作り方 】
1)小女子は鍋に入れて乾煎りする。
2)鍋に調味料を入れて沸騰させてから、(1)をあわせて、煮汁がなくなるまで絡めながら煮詰める。
3)煮上がりにショウガのすりおろしをしぼって加え、よく絡め、バットなどに広げて、手早く冷ます。
4)炊きたてのごはんに(3)を適量加えて軽く混ぜ、塩を馴染ませた手でおむすびを握る。(メモ:くぎ煮には実山椒やゆずの皮などをあわせてもおいしい。)
飛田和緒
ひだ かずを/料理家。その土地の素材の味を生かし、日々の食卓で楽しめる家庭料理のレシピが人気で、テレビや書籍、雑誌を中心に活躍。著書に『常備菜』『飛田和緒の郷土汁』など多数。
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