旅ごはん

香りとコクが重なる緑色の「ゲーン」【ご当地カレー進化論】

文/水野仁輔 写真/合田昌弘 構成/森 麻衣佳

タイ・グリーンカレー

バンコクの市場ではバラエティーに富んだ屋台料理に出合える。ずらりと並んだ角バットの中身は、「ゲーン」といって、タイを代表する汁物料理の総称である。このなかのごく一部が一般的にカレーと呼ばれていることは前から知っていたが、初めてこの目で見たときは「これが噂の!」と感動を覚えた。「ゲーンペッ」をレッドカレー、「ゲーンカリー」をイエローカレー、「ゲーンキョワーン」をグリーンカレーと呼んだのは、異国人だったそうだ。いずれも、スパイスを石臼ですりつぶしてココナツミルクで煮る。唐辛子をはじめ、レモングラスやホーリーバジルなど生のスパイスたちが主役。日本でも手に入りやすいミントやパクチーを加えてすりつぶすと、フレッシュな香りが立ち上った。

 
味の決め手はカレーペーストに含まれる「カピ」という小エビの発酵調味料だ。深みとコクを増す独特の風味を生むアイテムなのだが、僕はエビの頭を炒めてアレンジすることにした。ここにタイの魚醬、ナムプラーが加わるから無敵。ジャスミンライスを炊いてあわせれば、香りにも味にも妥協しないタイ料理の真価が垣間見えるに違いない。

 

【材料(3~4人分)/作り方】

〈フレッシュスパイス〉
・スイートバジル 40g
・グリーンチリ 30g(約14本)
・スペアミント 15g
・パクチー 45g
にんにく 1片
しょうが 1片
サラダ油 大さじ3
大正エビ(有頭) 12尾
ココナツミルク 400ml
ヤングコーン 80g
マッシュルーム 4個
ししとう 8本
ナムプラー 大さじ2
ジャスミンライス 3~4人分

 
〈下準備〉
にんにくは皮をむき、しょうがと共に適当なサイズに切る。スパイスと少量の水(分量外)と一緒にミキサーでペーストにする。エビは、頭を切り離し、背ワタを取っておく。

 

【作り方】

1)鍋に油を熱し、ペーストを加えて炒める。水分が飛び、香ばしい香りが立つまで。
2)エビの頭を加えて色が変わるまで炒める。木べらでつぶすようにしてエキスを抽出しながら
3)ココナツミルクを注いで煮立て、弱めの中火にして鍋中をざっとかきまぜる。
4)エビとヤングコーン、マッシュルーム、ししとうを加えて10分ほど煮込む。
5)ナムプラーを加えてさらに1~2分ほど煮込み、味見をして足りなければナムプラーをさらに加えて味を調える。ジャスミンライスを添える。

 
みずの じんすけ
スパイスお届けサービス「AIR SPICE」代表。20年以上にわたって全国各地でカレーのライブクッキングを実施。「カレーの学校」も運営中。カレーに特化した著書を50冊以上出版し、近著に『スパイスの教科書』(パイ・インターナショナル)がある。

 

(SKYWARD2018年1月号掲載)
※記載の情報は2018年1月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 
 

関連記事

EDITORS RECOMMEND〜編集部のおすすめ〜

キーワードで記事を探す