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春分の日に神秘的な体験を。“ご来光の道”を構成するパワースポット神社

2021年は3月20日に制定されている春分の日。“自然をたたえ、生物をいつくしむ”日として定められた国民の祝日だ。昼と夜の長さが等しくなるとされ、宮中では皇霊祭として歴代の天皇・皇后を祀る儀式が執り行われている。

 
この日には、太陽が真東から昇り真西に沈むため、パワースポットの上を太陽が通り、一直線で結ばれる。この現象は“ご来光の道”と呼ばれ、西から出雲大社(島根県)、大山(鳥取県)、元伊勢(京都府)、竹生島(滋賀県)、七面山(山梨県)、富士山、寒川神社(神奈川県)、玉前神社(千葉県)という8つのパワースポットを太陽が通過する。

 
今回はこれら8つのスポットから厳選した神社の由緒とその御利益について紹介する。

 

八百万の神が集う「出雲大社」(島根県)

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現存する日本最古の歴史書「古事記」にも創建が記載されている出雲大社。1744年に造営された高さ約24mの本殿は国宝に指定されており、太古の時代はその4倍の約96mという見るものを圧倒する高さを誇っていたという説もある。

 
出雲大社が主祭神として祀っているのは大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」に登場することでも知られている大国主大神は、数多くの女神との間に子どもをもうけたことから、縁結びの神といわれている。

 
境内には牛馬舎があり、ここに祀られている神馬の像は地元では「かねおまさん」の名で親しまれ、撫でることで子宝と安産に恵まれるといわれている。また、毎年旧暦の10月10日、現在の暦における11月には全国から八百万(やおよろず)の神が集まることでも知られ、出雲大社では各地から集う神を迎える「神迎祭(かみむかえさい)」、各地へ神を送る「神在祭(かみありさい)」が執り行われる。

 

出雲大社
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
アクセス方法:一畑電車 出雲大社前駅から徒歩約10分
URL:www.izumooyashiro.or.jp/

 

富士山信仰の総本宮「富士山本宮浅間大社」(静岡県)

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富士山はその美しさだけではなく、大規模な噴火により「神が住む山」として崇拝の対象でもあった。人々は富士山の噴火を鎮めるため、富士山麓に浅間神社(せんげんじんじゃ)を建立。この富士山信仰は全国に広まっていき、現在約1,300の浅間神社が存在している。その総本宮にあたるのが富士山本宮浅間大社だ。

 
富士山本宮浅間大社は主祭神として木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)、相殿神(あいどのしん)として瓊々杵尊(ににぎのみこと)、大山祇神(おおやまづみのかみ)を祀っている。

 
主祭神である木花之佐久夜毘売命は、大山祇神の娘にして瓊々杵尊の皇后である。懐妊時に自身の貞節を証明するために、戸のない産屋で、周囲に火を放って出産したという逸話から家庭円満・安産・子安・水徳の神とされ、火難消除・安産・航海・漁業・農業・機織などの守護神としても信仰されている。

 
境内には平安時代の歌人・平兼盛が「つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉」と詠ったという湧玉池や、桜の名所としても知られる桜の馬場などがある。

 

富士山本宮浅間大社
住所:静岡県富士宮市宮町1-1
アクセス方法:JR見延線 富士宮駅から徒歩約10分
URL:www.fuji-hongu.or.jp/

 

八方除のご利益がある「寒川神社」(神奈川県)

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具体的にいつ創祀されたかは明らかではないが、「総国風土記」によると約1,600年前、雄略天皇の時代からあると記載されており、関八州鎮護(かんはっしゅうちんご)の神として崇められてきた。

 
伝承では、武田信玄が小田原城に攻め入る際に、この神社に立ち寄り、兜を奉納したともいわれているほか、源頼朝や代々の徳川家といった多くの武将からの信仰を受けてきている。

 
寒川神社には寒川比古命(さむかわひこのみこと)、寒川比女命(さむかわひめのみこと)という二柱の神が寒川大明神として祀られている。

 
八方除(旅行や引っ越しなど、向かう方向の不吉や災難を払うために行う祈願)のご利益があるといわれており、地相・家相・方位・日柄といったことを原因とする、すべての災難を取り除くとされている。

 

寒川神社
住所:神奈川県高座郡寒川町宮山3916
アクセス方法:JR相模線 宮山駅から徒歩約5分
URL:samukawajinjya.jp/

 

“ご来光の道”の最東端に位置する「玉前神社」(千葉県)

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“ご来光の道”の東の起点となるのが、千葉県長生郡一宮町にある上総一之宮 玉前神社(たまさきじんじゃ)だ。

 
縄文・弥生時代から人々が暮らしていたという一宮町は、房総半島九十九里浜の最南端に位置する。玉前神社の歴史は古く、平安時代に編纂された「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」では、名神大社としてその名が記されている。

 
この神社の祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)。玉依姫命は清新・発祥・開運・再生といった物事が新たになる事象を守護しているといわれており、そのことから縁結び・子宝・出産・養育のご利益があるとされている。

 
上総一之宮 玉前神社の社殿は、黒漆塗りの権現造(ごんげんづくり)という特徴的な構造。境内には芭蕉の句碑や子宝に恵まれるという子宝・子授けイチョウがある。

 

玉前神社
住所:千葉県長生郡一宮町一宮3048
アクセス方法:JR外房線 上総之一宮駅から徒歩約8分
URL:www.tamasaki.org

 

春分の日に神秘的な体験を

春分の日は国民の祝日であるというだけでなく、神秘的な現象が生じる日でもある。ご来光の道を構成する出雲大社、富士山本宮浅間大社、寒川神社、玉前神社には、それぞれ縁結び・子宝・出産・八方除といったようなご利益が期待できる。新生活がはじまる4月を前に、パワースポットでエネルギーをチャージしてみてはいかがだろうか。
 
 

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