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新千歳空港から日帰りでも行ける!北海道の歴史がわかる観光地

旅行をする際に、その土地の文化や歴史を知っていれば、旅の体験はより深まるもの。一度訪れた場所でもまた違った見方や発見があるかもしれない。そこでここでは、旅行先として人気の北海道のなかでも、新千歳空港から日帰りで行ける歴史的観光地を紹介しよう。

 

北海道開拓の村

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空港から快速電車で約28分のJR新札幌駅。そこからバスに乗り換え20分ほどの距離にある「北海道開拓の村」は、北海道百年事業の一つとして設置された、約54haもの広大な野外博物館。明治、大正、昭和初期と3つの時代における、北海道開拓の歴史、産業、文化を伝える建物を移築・復元し、当時の暮らしを今に伝えている。

 
村内は市街地、農村、山村、漁村と4区画に分かれており、庁舎や学校、商店や民家など、さまざまな時代の生活を追体験できる。4月中旬~11月までは馬車鉄道、12月中旬~3月の土、日、祝日には馬そりが施設内を運行しており、開拓期の原風景に思いを馳せながら、施設内を散策することも可能だ。

 

札幌時計台

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北海道を代表する観光スポット「札幌時計台」には、空港から快速エアポートでJR札幌駅まで移動し、そこから徒歩10分ほどでアクセスできる。1878年、札幌農学校(現 北海道大学)の施設として、同校の初代教頭であるクラーク博士の構想に基づき建設され、現存する時計塔としては日本最古の歴史を誇る。

 
札幌農学校が現在の北海道大学に移転するまで、時計台で卒業式が行われており、この地から佐藤昌介や新渡戸稲造ら、多くの偉人が社会へと旅立った。1970年6月には国の重要文化財に指定され、札幌のシンボルとして愛され続けている。

 

サッポロビール博物館

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空港からサッポロビール園行きのバスで約65分のところにあるサッポロビール博物館。札幌におけるビール醸造は、1876年9月に完成した開拓使麦酒醸造所まで遡り、サッポロビールの歴史はここからスタートした。

 
同博物館の特徴的な赤レンガの建物は、1890年札幌製糖株式会社の工場として建築され、その後、札幌麦酒が買収し、大麦を麦芽にする製麦所へと改修。現在では、貴重な明治時代の建造物として北海道遺産に指定されており、レトロで重厚な外観はフォトスポットとしても知られている。

 

小樽運河

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四方を海に囲まれた北海道のなかでも、開拓における玄関口となった小樽港。当時港では、大型の船舶を沖に泊め、台船を用いた荷揚げが行なわれていたが、取り扱い荷量の増加により、運搬効率向上が求められていた。そこで海岸線を埋め立てて作られたのが全長約1,140mの小樽運河だ。

 
1923年に小樽運河は完成したが、戦後に入り港の整備が進むと、運河として役割が薄れていき、1986年には一部が埋め立てられ、現在では散策路、街園が整備された観光スポットとなっている。

 
散策路には63基のガス灯が設置されており、ガス灯がともる夕暮時には、運河に沿って並ぶ石造倉庫群がライトアップされる。小樽運河へは空港から快速エアポートに乗車しJR小樽駅で下車。駅から徒歩約10分という好立地のため、気軽に足を運べる。

 

ニッカウイ(ヰ)スキー(余市蒸留所)

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札幌がビールの街だとすると、新千歳空港から電車で約2時間の余市町はウイスキーの街だろう。その一生がドラマ化されたことでも知られる、“日本のウイスキーの父”にしてニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝がウイスキー造りの地として選んだのが余市だ。

 
JR余市駅から徒歩約3分にあるニッカウヰスキー余市蒸留所では、蒸留所内の見学が可能。ウイスキーの製造方法・工程を学べるだけでなく、ニッカウヰスキーの歴史、竹鶴と妻リタが暮らした私邸の一部も覗ける。

 

旧下ヨイチ運上家

旧下ヨイチ運上家

(C)余市町教育委員会

 
江戸時代に松前藩とアイヌ民族とで行なわれていた交易や、漁業経営を請け負った商人たちの拠点が運上家だ。なかでもJR余市駅から徒歩約25分の旧下ヨイチ運上家は、1853年に請負商人である竹屋林長左衛門により改築された当時の部材を使いながら現存する、唯一の運上家建築である。

 
石置屋根の造りは、内部の部材の多くが当時のまま使用されている。廊下の両側に位置する座敷には、風俗人形が展示され、当時の様子も窺い知ることができる。

 

歴史・文化を知ることで新しい北海道が見えてくる

北海道の開拓の歴史は本州とは異なり、多様性と独特の文化を育んできた。その独自性がまた北海道の魅力でもある。そうした土地の歴史と文化を知れば、いままで見えてこなかった、新しい北海道が見えてくるかもしれない。より北海道旅行を楽しむためにも、その歴史と文化を知る旅に出かけてみてはいかがだろうか。
 
 

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