旅の+one

お花見スポットとしても有名な日本の名城

凍えるような冬が明けると人々が心を躍らせる春がやってくる。この春の訪れを華やかに彩るのが桜だ。日本全国には花見の名所がたくさんあるが、なかでも周辺に多くの桜が植えられ、見頃には多くの観光客で賑わう名城を訪ねてみよう。(3月4日時点の情報です。イベント・施設が休止になっている場合があります。)

 

赤瓦の天守と桜が競演する会津若松城(福島県)

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1384年、葦名(あしな)直盛が館を建てたことから歴史がはじまった会津若松城。地元では鶴ヶ城の名で親しまれており、伊達政宗、上杉景勝、松平容保と多くの大名が治めてきた。その長い歴史のなかで、現代でも語り継がれているのが16〜17歳の男子で構成された白虎隊の悲劇だ。

 
1868年の鳥羽・伏見の戦いから始まった戊辰戦争では、会津藩が旧幕府軍として新政府に抵抗したために会津を舞台に激しい戦いが繰り広げられた。この戦争において自害してしまう白虎隊の姿は、テレビドラマをはじめ多くの作品で描かれている。

 
会津若松城がある鶴ヶ城公園は、「さくら名所100選」のひとつに数えられ、春になれば約1,000本の桜が咲き誇る。例年4月中旬~下旬に見頃を迎え、「鶴ヶ城さくらまつり」が開催されるなど、観光地としても賑わいを見せる。時期をずらしながら咲くソメイヨシノ、エドヒガン、タカトウコヒガンからのぞく、珍しい赤瓦の天守閣は、会津若松城ならではの美しい春の風景だ。

 

会津若松城
住所:福島県会津若松市追手町1-1
アクセス方法:JR磐越西線会津若松駅から周遊バス「ハイカラさん」に乗車し約20分(鶴ヶ城入り口)

 

多種の桜が咲き誇る小田原城(神奈川県)

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約100年にわたり関東で勢力を誇った北条氏が治めていたことで知られる小田原城。上杉謙信、武田信玄といった名だたる武将でも陥落できなかったことから、「難攻不落の城」とも言われる名城だ。

 
北条氏が豊臣秀吉の小田原攻めによって滅んだ後も、関東地方における防御の拠点として活躍したが、1870年に廃城。その後明治34年に、二の丸に御用邸が建てられるも、1923年の関東大震災によって大きく損壊し、江戸時代の姿は失われてしまった。

 
だが、1934年に隅櫓が、1960年には天守閣が再建。その後も銅門、馬出門が完成するなど、難攻不落の名城が現代に再現されている。

 
小田原城に隣接する小田原城址公園では、例年3月中旬から4月上旬にかけて、ヒガンザクラ、カワヅザクラ、ソメイヨシノといった多種にわたる桜が咲き誇り、桜の名所として人気だ。特に、毎年開催される「桜まつり」の期間中は、日没後にぼんぼりが灯り、本丸広場ではLEDライトを用いて時間帯ごとに色彩を変化させるライトアップが行なわれ、時とともに移り変わる桜を楽しめる。

 

小田原城
住所:神奈川県小田原市城内3-22
アクセス方法:JR小田原駅から徒歩約10分

 

池に写り込む桜も美しい姫路城(兵庫県)

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1993年に奈良の法隆寺とともに日本初の世界文化遺産に登録されたのが「白鷺城」の別名を持つ姫路城。白漆喰総塗籠造りの白い城壁が特徴的なこの城の歴史は、1333年に赤松則村が姫山に砦を築いたことからはじまったといわれる。現在の大天守は、池田輝政が治めていた1609年に建築されており、400年以上が経過した現在でも当時と変わらぬ美しさを誇っている。

 
姫路城には内堀内に約1,000本のソメイヨシノが、西の丸庭園にはシダレザクラが、そして三の丸広場には桜並木が広がっており、「日本さくらの名所100選」のひとつでもある。9つの庭園からなる池泉回遊式の日本庭園「好古園」の池に桜が写り込む様子は、日本情緒にあふれている。

 

姫路城
住所:兵庫県姫路市本町68
アクセス方法:JR姫路駅・山陽姫路駅から徒歩約20分

 

緑の桜が楽しめる名古屋城(愛知県)

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織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という三英傑との関わりが強い名古屋城。その前身は1521〜24年に今川氏の一族によって築城された那古野(なごや)城とされており、1546年には信長が主となるが、1582年に廃城。

 
その後、天下を二分した関ケ原の戦いによって徳川方が勝利。大阪城に居を構えていた秀吉の息子である豊臣秀頼への牽制として家康が築城したのが、名古屋城だ。2018年には「名古屋城本丸御殿」が完成。2020年以降には木造天守閣の再建も予定されており、当時の姿を取り戻そうとしている。

 
城の周辺は春になると、ソメイヨシノ、シダレザクラといった約10種、1,000本の桜が咲き乱れる。なかでも、4月中旬ごろは、緑色の花を咲かせる桜「ギョイコウ」が見頃。華やかな桜の隙間から、天守に座する豪華な金の鯱を眺められる。

 

名古屋城
住所:愛知県名古屋市中区本丸1−1
アクセス方法:地下鉄名城線市役所駅から徒歩約5分

 

桜と城壁のコントラストが鮮やかな彦根城(滋賀県)

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徳川家康の命によって1604年に着工された彦根城。当時この地には石田三成の居城であった佐和山城があり、それを一掃することが彦根城築城の目的であったともいわれる。

 
国宝に指定されている彦根城は、豊臣秀頼が居を構える大阪城を牽制するために完成を急ぎ、天守は大津城の天守を解体し、その材木を利用。さらに天秤櫓は長浜城から移築されたというが、意外にも全体が完成するまでには20年の年月をかけている。

 
彦根城には堀沿いを中心に約1,100本の桜が植えられており、白い城壁と桜のコントラストが鮮やか。堀沿いに広がる桜を、彦根藩主専用船を復元した屋形船から眺めることもできる。

 

彦根城
住所:滋賀県彦根市金亀町1-1
アクセス方法:JR彦根駅から徒歩約15分

 

歴史ある名城で歴史と桜に思いを馳せる

会津若松城、小田原城、姫路城など、今回紹介した城は日本の歴史に名を残す名城だ。これらの城が持つ深い歴史をたどりながら、日本人が愛してやまない桜を愉しんでみてはいかだろうか。はかなく散ってゆく桜と移り変わる時代の流れを重ね合わせて感慨にふけるのもいいものだ。
 
 

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