とっておきの話

手荷物はどうやって運ばれる?【地上のお仕事図鑑】

文/佐々木崇 撮影/中庭愉生

空港のカウンターでお客さまが預けた手荷物はベルトコンベヤーに載り、タグの情報から自動的に行き先に振り分けられます。そこからはスタッフが手作業でそれぞれの便ごとに分け、コンテナに積み込みます。こうして手荷物の詰まったコンテナは飛行機のお腹に入り、お客さまと一緒に空を旅するのです。

 
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▲ペットは、写真のように専用のケージを固定して輸送します。そのほか、サーフボードやスキーの用具なども特殊手荷物として扱っています。

 
私が担当しているのは、手荷物を国内線の飛行機に搭載する業務です。勤務は朝と夜の交替制。重さや大きさ、形状や材質などを考慮に入れ、手荷物を一つ一つ組み合わせてコンテナ内に積んでいく作業はパズルのよう。体力勝負の仕事なので、腰痛予防のためにも会社のオリジナル体操は毎日欠かせません。

 
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▲手荷物が積み込まれたコンテナを、飛行機の搭載口まで運びます。一つのコンテナに入る荷物は40個以上で、多いときは6連結になることも。

 
仕事をするうえで、チームでよく「お客さま視点」という言葉を使うのですが、私はさらに「視点のその先」を考えるようにしています。お客さまの手荷物を見て、その先に何があるのかな、とイメージするのです。例えば、ビジネスバッグ。持ち主は出張で急いでいるのかもしれません。卒業旅行シーズンのお土産袋。ただの荷物ではなく、一生の思い出になることでしょう。お客さまに直接関わる仕事ではありませんが、その分想像力を働かせます。そうすることで、手荷物の扱い方はまったく変わってきます。定時運航を守るためにスピードも意識しつつ、お客さまの大切なものを丁寧に届けたい。ペットを搭載する際、「どこに行くの?」とひそかに話し掛けたりもします(笑)。

 
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▲大型機はコンテナごと機内に搭載しますが、ボーイング737型機などの小型機では搭載口が狭いため、手作業で一つ一つ荷物を積み込みます。

 
積み込みを担当した飛行機が離陸する時は、駐機場で手を振ってお見送りをしています。「あ、もしかして、あの人があの手荷物の持ち主かな?」と想像しながら、窓越しのお客さまを見ているんです。機内から、窓を覗いてみてください。今日も地上で皆さまのフライトを見守っています。

 
mr.sasaki
佐々木崇 Takashi Sasaki
JALグランドサービス 東京支店
国内ランプサービス事業部
出身地:秋田県
趣味:読書

 

(SKYWARD2018年5月号掲載)
※記載の情報は2018年5月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 
 

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