とっておきの話

飛行機の経路はどうやって決まる?【地上のお仕事図鑑】

文/高坂裕樹 撮影/中庭愉生

飛行機は、見えない空の道を飛んでいます。いつでも最短距離で飛べることがベストですが、ある一定のルールを守って飛行することになっていて、それらの条件を考慮して飛行経路を決めるのがOCC(オペレーション・コントロール・センター)に在籍する私たち運航管理者の仕事です。

 
jetmap

▲飛行計画で使用するジェット気流図。陸の道と違い、飛行経路には高さ(高度)があります。気流は高度によっても変わるため、注意が必要です。

 
運航管理業務の内容は大きく分けて「飛行計画(フライトプラン)作成」と「飛行監視(フライトウォッチ)」の2つで、JALでこの業務を行うには国家資格の取得と社内審査の合格が必要です。まず飛行計画作成では、フライトの2~3時間前に、天気図などを基にフライト時の天候を予測し、飛行経路を決定します。この時、特に重要なのは上空のジェット軸。追い風に乗れば早く目的地に着けますが、向かい風なら到着時間が遅くなってしまいます。ジェット軸は常に位置が動いているため、同じ経路でも日によって飛行時間が変化します。また、低気圧の雲のなかを飛ぶと機体が揺れて快適性を損なうので、極力そのような場所は避けて計画します。

 
OCC

▲OCC内にある巨大モニターには各地のニュースや天気予報が流れています。各自のデスクにも複数のモニターがあり、常に目を凝らしています。

 
飛行監視ではその名のとおり、飛行状況をチェックし、経路上の天候と到着地の気象状況を都度モニターしています。例えば、台風は比較的動きが把握しやすいですが、突発的に霧が発生した時や、ゲリラ豪雨をもたらす雷雲が空港にかかりそうな時など、状況推移には常に注意しなければなりません。

 
saftydrive

▲飛行監視中にパイロットと通信。強い揺れの報告を受けた時は、後続便にも伝達します。これらの情報の蓄積が、安全運航につながります。

 
私が現在担当している国内線は飛行時間が短いので、計画からずれた場合の次のシナリオを短時間で判断する必要があり、そのためにも取り入れる情報を常にアップデートして状況変化にいち早く気付けるようにしています。運航管理者の仕事はイメージがしにくいと思いますが、わかりやすい情報提供を心掛け、皆さんがこの仕事をもっと身近に感じていただけるようになれば嬉しいです。

 
Mr.takasaka
高坂裕樹 Hiroki Takasaka
JAL OCC運航管理室第1グループ
出身地:千葉県
趣味:ドライブ

 

(SKYWARD2018年6月号掲載)
※記載の情報は2018年6月現在のものであり、実際の情報とは異なる場合がございます。掲載された内容による損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 
 

関連記事

RANKING

キーワードで記事を探す