明治・大正期に酒造工場として建てられ、国内で初めて大々的にシードル製造などを行ってきた、青森県弘前市の吉野町煉瓦倉庫。約100年の歴史を経て、新たに美術館として生まれ変わった。
予約制でプレオープン中の開館記念展「Thank You Memory ─醸造から創造へ─」(終了日未定)では、煉瓦倉庫や弘前の歴史に新たな息吹を吹き込む8名のアーティストによる新作を中心に紹介。建物の改修過程を記録した畠山直哉氏の写真や、弘前市民から提供してもらった100着におよぶ古着をもとに制作された尹秀珍氏による立体作品など、場所と建物の「記憶」に焦点を当てた作品が楽しめる。2006年に煉瓦倉庫で開催された展覧会を機につくられた、奈良美智氏による白い犬の立体作品《A to Z Memorial Dog》が再び登場するのも、ファンには嬉しいニュースだ。
歴史ある建物と向き合い、美術館の建築設計を手がけたのは、エストニア国立博物館のプロジェクトなどで世界的に活躍する田根剛氏。倉庫というダイナミックな建物を活かした、気鋭の建築家による展示空間も、もう一つの見所といえるだろう。
弘前れんが倉庫美術館
電話:0172-32-8950
住所:青森県弘前市吉野町2-1
開館時間:9:00~17:00(最終入館時間16:30)
休日:火(祝日の場合は翌日に振替)年末年始
入場料:企画展により異なります
URL:www.hirosaki-moca.jp
最新の開館情報は公式Webサイトを参照
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