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車窓から望む絶景に息をのむ。旅好きなら一度は行ってみたい世界の鉄道旅

せっかく海外旅行に行くなら、慌ただしく移動を繰り返すよりも、のんびりした時間を過ごしたい、そんな人におすすめしたいのが“鉄道旅”だ。ここでは、森や湖、切り立った崖の上など、めくるめく雄大な自然の中を駆け抜ける列車や、観光地と観光地を結ぶ便利な鉄道まで、世界のさまざまな鉄道の旅を紹介しよう。

 

絶景に出合える世界の鉄道旅

旅行先での移動手段際にレンタカーという選択肢もあるが、面倒な手続きや交通ルールの違いなどから海外での運転は不安視する人も多い。そんなときも鉄道旅なら安心だ。日本では出合うことができない絶景は、街とはまた違ったその国の美や歴史を発見させてくれるだろう。

 

【アメリカ】アラスカ鉄道

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全米唯一の州営鉄道である「アラスカ鉄道」。フェアバンクスからアンカレッジまでを約12時間かけて走る「デナリ・スター」の車窓からは、雄大な自然が残るデナリ国立公園や北米最高峰・標高6,194mのマッキンレー山を眺めることができる。

 
車両の上部全体がガラス張りとなっているドームカーもあり、季節ごとの美しい景色を肌で感じられる。ゴールドスター・サービスを利用すれば、大自然を眺めながら食事を楽しむこともできる。

 
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▲新緑に囲まれる夏のアラスカ鉄道。

 
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▲雪原を走るアラスカ鉄道。

 
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▲アラスカ鉄道で最大のビューポイントとなる、北米大陸最高峰のデナリ(標高約6,190m)。デナリは、先住民族コユコン・アサバスカンの言葉で「偉大なるもの」という意味がある。

 

アラスカ鉄道についてさらに知りたい方はこちら>>アラスカ 北の果てに生きる [Vol.2]

 

【スイス】ゴルナーグラート鉄道

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「ゴルナーグラート鉄道」は、ツェルマット(標高約1,604m)とゴルナーグラート(標高約3,089m)を結ぶ登山鉄道。1898年開業の伝統ある路線で、全長は約9km。途中の駅で降りてハイキングを楽しむ観光客も多い。

 
名物は中腹付近のリッフェル湖の湖面に映し出される「逆さマッターホルン」。「名峰へ走る鉄道を運行する」という共通点から、1991年に富士急行と姉妹鉄道提携を結んでいる。

 
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▲リッフェル湖に映る「逆さマッターホルン」。

 
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▲ゴルナーグラート駅からリッフェルベルクへのハイキングを楽しむことができる。

 
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▲ゴルナー氷河。

 

【中国チベット】青蔵鉄道

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中国・青海省西寧からチベット自治区・ラサまでの1,956kmを結ぶ「青蔵鉄道」。2006年7月に全通開業した本線は、「世界最高所の鉄道」、「世界最高所の駅」、「世界最高所の鉄橋」、「世界最高所のトンネル」、「世界最長の高原凍土トンネル」の5つの世界一を有する高原鉄道だ。

 
沿線には希少な野生動物が生息する「ココシリ自然保護区」や、世界で最も高所にある湖「ツォナ湖」(海抜4,594m)、標高7,111mを誇る「ニンチェンタングラ山脈」が広がり、旅する季節によっても景観が変わるのも魅力。

 
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▲青海湖の菜の花畑。

 
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▲世界でもっとも高いところに位置するツォナ湖(海抜4,594 m)。

 
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▲冬のチベット高原は一面、雪に覆われる銀世界に。

 

【メキシコ】チワワ太平洋鉄道

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メキシコ内陸部(チワワ州チワワ)と太平洋沿岸(シナロア州ロスモチス)を結ぶ「チワワ太平洋鉄道」。メキシコに現存する唯一の旅客鉄道で、路線の全長は約653km。始発から終点までの所要時間は特急列車で15時間ほど。

 
峡谷地帯を走る本線の目玉は、グランドキャニオンの約4倍の規模を誇る「コッパーキャニオン」。メキシコ北西部の雄大な自然が眼前に広がる。

 
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▲チワワ太平洋鉄道 ディビサデロ駅。

 
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▲アメリカのグランドキャニオンの何倍もの大きさを誇る渓谷コッパーキャニオンは、メキシコの観光名所の一つ。チワワ太平洋鉄道のクリール駅から訪れることができる

 

観光地と観光地を結ぶ便利な鉄道旅

旅先を満喫するのであれば、一ヵ所だけでなく、さまざまな観光地をめぐりたいもの。そんなときも鉄道を最大限に活用しよう。ここからは、観光地と観光地を結ぶ、便利な鉄道を紹介する。

 

【イタリア】フレッチャロッサ

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イタリアの主要都市を結ぶ高速列車「フレッチャロッサ」は、赤い矢という意味。その名の通り、真っ赤な車体が特徴だ。日本の新幹線のような鉄道で、ミラノ、ローマ、サレルノ、ナポリなどイタリアを代表する観光地を短時間でめぐることができる。

 
座席には、ビジネス、プレミアム、スタンダードがあり、バーやビュッフェが楽しめる車両を誰でも利用できる。都市部から都市部へ移動できるのも大きな魅力。イタリア旅行でいくつも観光地をめぐるには欠かせない列車といえるだろう。

 

【インド】ロイヤル・ラジャスタン・オン・ウィールズ

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インドには、鉄道の旅そのものを楽しむ高級列車が数多くある。なかでもラジャスタンを走る「ロイヤル・ラジャスタン・オン・ウィールズ」は、もっとも人気のある旅列車で定員は82名。通常は7泊8日をかけてインドの観光スポットをめぐるのだが、2泊3日の短期間のパックもある。タージマハルの寺院やダウラターバード要塞などインドの名所をめぐりながら、移動中はゆったりとした時間を過ごすことができる。

 
列車とは思えないほど絢爛豪華な車内には、スパも完備。マハラジャ気分を味わえる一生に一度の体験は、最高の思い出となるだろう。

 

【フィンランド】サンタクロースエキスプレス

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フィンランドの玄関口といえば、ヘルシンキ。ここからヘルシンキと並ぶ観光名所のひとつ、サンタクロースの住む村としても知られるロヴァニエミへは、「サンタクロースエキスプレス」に乗っていこう。

 
ヘルシンキから北へ約830km離れたロヴァニエミを結ぶ寝台列車の旅。オーロラ観賞や、サンタクロースに出会うことができるサンタクロース村へ12時間ほどで行くことができる。シャワー付き個室や食堂車もあるため、夜行列車の長旅でも快適に過ごせる。

 
夜に出発し、朝には到着するため、貴重な旅の時間を効率的に使うことができるのも嬉しいポイントだ。

 

海外で鉄道旅をする際の注意点

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日本での便利な生活に慣れてしまうと、海外との違いには驚くことが多い。鉄道旅行でも、それは同じ。古い車両も未だに多く活躍していることからも、海外での鉄道旅行はあまり時間は気にせず、のんびりと過ごすのがよいだろう。

 

時刻表どおりにはいかない……

例えば、日本に比べると、運休する頻度も多く、時刻表どおりに列車が発着することは、当たり前と思わないほうがよい。せっかく乗り込んだと思ったら、車掌のアナウンスをきっかけに乗客が続々と降りていくということもしばしば。そんなときはあせらず、怒らず、時に任せてアクシデントも楽しむように。あらかじめスケジュールも少し余裕を持ったものにするとよいだろう。

 

盗難には十分注意を

ノンストップで目的地まで向かう場合や、個室の列車であれば問題ないかもしれないが、海外での鉄道の旅では残念ながら盗難が多いのも事実。バッグごと盗難に遭うことも少なくない。貴重品は必ず身につける、荷物は手放さないなど、列車内でも最低限の防犯が必要だ。

 
飛行機での移動に比べて、時間もかかる鉄道旅。それでもその国々の鉄道に乗って、窓の外の美しい景色を眺めながらのんびり過ごす時間もまた、よき旅の思い出になるはずだ。
 
 

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