とっておきの話

パイロットになる道のり【キャプテンの航空教室】

文/中塚元輝 イラスト/高橋潤

突然ですが、皆さまはパイロットになるまでの道のりをご存じでしょうか。同じ会社のパイロットでも、資格の取得方法はさまざま。これまで航空大学校や国内外の航空学校、自衛隊、そして自社養成で操縦士の資格を取るのが主流でした。現在もそれらの道はあるものの、航空需要の拡大によりパイロット不足が懸念される昨今、私立大学で資格を取得してパイロットになる道が新たに増えました。私もその内の一人で、在学中の4年間で資格を取得し、日本エアコミューターに入社しました。

 
副操縦士として22歳から乗務し、一昨年30歳で機長になりました。入社してから機長になるまでの期間は、パイロットの訓練計画や人数、路線数、会社の事業計画などの理由により大きく異なります。機長になった今も日々勉強であり、お客さまによりよいフライトをご提供できるよう努めています。

 
大学での生活は、国内での座学と、アメリカでの操縦訓練がそれぞれ約1年半あり、日本とアメリカ両方の操縦士の資格を取得し帰国します。つまり、大学入学から3年~3年半で航空業に就くための資格を取るのです。今振り返ると本当に勉強と訓練漬けの大学生活でした。また訓練の途中にいくつもの試験があり、わずかな差でそれらを乗り越えられず夢をかなえることができなかった仲間もいました。それを目の当たりにして、パイロットはとても厳しい世界であることを実感したこともあり、大学で学んだフライトや訓練への向き合い方は私の基礎となり、しっかり身についています。

 
さて、2020年が始まりました。これからますます日本を発着する便数が増え、より多くのパイロットが求められるといわれています。大変やりがいのある仕事ですので、少しでもご興味がある方は、私たちと同じ空の道を歩んでみませんか。

 
mr.nakatsuka
中塚元輝 Genki Nakatsuka
日本エアコミューター
ATR72/42型機 機長
出身地:京都府
趣味:ゴルフ
座右の銘:素直な心

 

(SKYWARD2020年1月号掲載)
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