新潟県妙高市関山の大洞原地区は、遊休農地を利用して地域振興を図っている。訪ねた季節は晩春。交流施設である「ハートランド妙高」の近くには、黄色の絨毯を敷き詰めたように菜の花が一面に咲き、そよ風に揺れていた。広大な花畑の背景に、雪が残る妙高山の山容が美しい。花畑に沿って延びる小道を散策していると上空でヒバリが囀り、牧歌的な風景に癒やされた。
妙高戸隠連山国立公園
成り立ちの異なる火山・非火山が密集し、その間を縫って美しい高原や湖沼が点在する。糸魚川・小谷、妙高、戸隠・飯綱、野尻湖・黒姫の4つのエリアに分けられ、いずれも登山、トレッキング、スキーなどを楽しむ来訪者で一年を通して賑わう。また、厳しいながらも豊かな自然のもと、地域の人々が育んできた独自の文化や山岳信仰も見所。戸隠神社やその門前町などの景観から、そうした営みを知ることができる。
DATA|指定:平成27(2015)年3月27日 面積:39,772ha 地域:新潟県、長野県
環境省 日本の国立公園Webサイト
今月の一景へのアクセス
新潟空港からハートランド妙高…日本海東北道、北陸道、上信越道を利用し、約2時間10分。信州まつもと空港からハートランド妙高…長野道および上信越道を利用し、約1時間35分。
森田敏隆
もりた としたか/風景写真家。1946年、大阪府生まれ。国立公園の四季折々の絶景、棚田や桜などの日本の原風景を50年以上にわたり撮影し続け、80冊の写真集を発表している。
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