旅の寸景

朝日に染まる辺戸岬【眼福一景】

文・撮影/森田敏隆

沖縄県国頭郡国頭村の辺戸岬は沖縄本島の最北端に位置する。隆起したサンゴ礁の断崖からは、穏やかな日には眼下の海中まで透けて見え、天候に恵まれれば鹿児島県の与論島が見える。未だ明けやらぬ岬をヘッドランプと懐中電灯を頼りに歩き、断崖絶壁より海と満天の星が煌めく夜景を撮影していると、黎明の空は青いグラデーションからオレンジ色に染まり始めた。侵食や風化により先が尖った琉球石灰岩と、緑のクサトベラに覆われた岬の、神々しい朝景色だった。

 

やんばる国立公園

「やんばる(山原)」とは、「山々が連なり森の広がる地域」の意。国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がる沖縄本島北部に位置し、石灰岩の海食崖やカルスト地形、マングローブ林などの自然景観が見所だ。特筆すべきは、亜熱帯海洋性気候の森が育む生物多様性。日本全土の0.1%未満の面積に、ヤンバルクイナなどの多くの固有種が生息するほか、日本で観察されている鳥類の約半分、カエル類の約1/4が確認されている。

 
DATA|指定:平成28(2016)年9月15日 面積:17,311ha(陸域のみ) 地域:沖縄県
環境省 日本の国立公園Webサイト

 

今月の一景へのアクセス

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那覇空港から辺戸岬…沖縄自動車道を利用し、約2時間30分

 
森田敏隆
もりた としたか/風景写真家。1946年、大阪府生まれ。国立公園の四季折々の絶景、棚田や桜などの日本の原風景を50年以上にわたり撮影し続け、80冊の写真集を発表している。

 

(SKYWARD2020年2月号掲載)
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