半島彩発見

「旅するメーカーズディナー九州編」で、九州各地の美味を堪能

文/沼田実季 撮影/キッチンミノル

JALが『ふるさとプロジェクト』の一環として、俺の株式会社とタッグを組んで展開している「旅するメーカーズディナー」は、日本各地の豊かな食材を使った食事を通じて地域の魅力を伝える企画です。

 
2022年から開催してきたこちらのイベントが10回目を迎えるに当たり、JALが進めるもうひとつのプロジェクト「半島彩発見」のコンセプトとあわせて「九州」にフォーカスしたディナーショーが、2024年9月29日、東京・大手町にある「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」で開催されました。

 

 

九州の半島から選りすぐりの食材が集結

海に囲まれた日本には、全国各地に数多くの半島があります。「半島彩発見」は、三方を海に囲まれた半島地域の豊かな文化や伝統を、より多くの方に知っていただく機会を創出することを目的としたプロジェクト。

 
今回はライブ演奏も楽しめるレストラン「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」を会場に、九州の8つの半島にフォーカスして、各地の選りすぐりの食材を使った料理と九州産のワインなどが提供されました。

 

 
会場内では大きなスクリーンに九州の各半島の魅力的な映像が映し出され、まるで現地にいるような気分に。九州出身の客室乗務員で、『JALふるさとアンバサダー』として地域振興に携わる吉田瑞穂と信末桃子のナビゲートで、いよいよ九州へのおいしい旅にTAKE OFF!

 

 
メニューは、冷前菜、温前菜、魚料理、肉料理、デザートの全5品。もちろん、どの料理にも九州の新鮮な食材が使われています。

 
ソムリエで同店の支配人でもある長谷川純一さんのスピーチに続いて、大分県にある「安心院(あじむ)葡萄酒工房」の「安心院スパークリングワイン2022」で乾杯。

 

東松浦半島の海の恵みが詰まった冷前菜

 
1品目の冷前菜は、「フレンチと半島との出会い」と名付けられた佐賀県・東松浦半島からの一皿。ウニのムースに、トビウオの炙りと海水のジュレをあわせてカクテルに仕立てたものです。

 
「フレンチでトビウオを使うことは珍しいのですが、今回はJALさんとのコラボレーションということで『飛ぶ』魚を選んでみました」と、長谷川さん。これには会場も「ほお!」と、洒落た計らいに感心した様子。和んだ雰囲気で食事が始まります。

 

 
乾杯と冷前菜に供された「安心院スパークリングワイン2022」は、大分県宇佐市の安心院産シャルドネを100%使用し、シャンパーニュと同じ瓶内2次発酵で発酵・熟成させたスパークリングワインで、国内外のワインコンクールで多くの賞を受賞してきた逸品です。

 
「日本最高峰のスパークリング。きめ細かな泡立ちと繊細な味わいは、日本の食材によく合います」と、長谷川さん。

 

 
2種類目のワインは「安心院ワイン シャルドネ イモリ谷」。ここで、生産者の「安心院葡萄酒工房」と中継をつなぎ、工房長の古屋浩二さんが登場しました。現在仕込みの真っ最中という古屋さんですが、写真や映像、そして地図を交えながら、ワインの醸造方法や安心院という土地の特性などを熱心に説明してくださいます。

 
東京にいながらにして、まるで安心院のワイナリーを訪ねたような気分で生産者のお話と共に味わうワインの味は格別。参加者が直接古屋さんに質問をするシーンもあり、貴重な機会となりました。

 

大隅半島のブランド豚を温かい前菜に

 
オンラインでのワイナリーツアーを終えて2品目が提供されると、会場からは「かわいい」という声が。

 
温前菜「半島の旬」は、鹿児島県・大隅半島の「桜島美湯豚(さくらじまびゆうとん)」を、国産ポルチーニとサツマイモと一緒にパイ包み焼きにしたもの。ニンニクの風味が効いたスペイン風ソースが添えられています。

 
一つ一つ丁寧に豚の形に仕上げた料理は、うま味豊かな豚肉にキノコの香りとサツマイモのやさしい甘さが重なって、九州の秋を感じる味わいです。

 

魚料理には宮崎産ロゼワインをあわせて

 
続く魚料理「半島の幸」は、長崎県・西彼杵(にしそのぎ)半島で獲れた天然真鯛のポワレに、同じく長崎県の北松浦半島産のシイタケ「ひらどロマン」のコンソメをあわせ、熊本県・宇土天草半島にある「天草オリーブ園」のオリーブオイルをあしらった一品。

 
鯛の下にはグリルしたレタスが敷いてあり、鯛とシイタケのうま味にちょっとした苦味のアクセントを添えてくれます。オリーブオイルのグリーンな香りがまた秀逸。

 

 
魚料理には、宮崎県の「都農(つの)ワイン」の「キャンベル・アーリー ロゼ ドライ2023」をあわせます。

 
イベントに先駆け、長谷川さんは九州各地の生産者の元を訪ねてきました。会場では都農ワインの赤尾誠二さんに取材した際の様子が流れ、ワイナリーの土壌や気候、ブドウの特徴やワインの造り方などについての説明を、現地の風景と共に映像から知ることができました。

 
「ワインは地酒だから地元の食材と相性がいいはず」という赤尾さんの言葉に、目の前の料理とワインのマリアージュをより深く体験できたのではないでしょうか。

 

 
料理の合間には、司会の2人が映像にあわせて各エリアについての紹介を行います。九州出身というだけあって、街の豆知識やおすすめグルメなど、ガイドブックにはなかなか載っていない情報も。美しい景色と2人の愛溢れる説明に、次の旅のデスティネーションを九州に、と決めた人も少なくなかったはず!

 

いよいよメインの肉料理!宮崎牛を堪能

 
メインの肉料理は、2022年に「和牛のオリンピック」といわれる全国和牛能力共進会で史上初めて4大会連続の内閣総理大臣賞を受賞した日本一の和牛、宮崎牛を使ったもの。

 
料理の提供を前に、会場には生産者の「稲本畜産」を訪ねた時の映像が流れ、肉の塊を持った長谷川さんが客席を回りました。ため息が出るほど美しい肉に、次の料理への期待が高まります。

 

 
宮崎県・大隅半島産の宮崎牛のサーロインステーキに、ポム・パイユ(細切りジャガイモのフライ)と秋茄子を添えてエストラゴンの風味で仕上げた「半島の極(きわみ)」。

 
ジューシーに焼き上げたステーキとカリッと香ばしく揚げたジャガイモは相性抜群で、秋茄子の付け合わせに季節の香りを感じます。ソースには鹿児島県の「嘉之助蒸溜所」のウイスキーを使って、風味豊かな味わいに。

 

 
「今日の宮崎牛は、美しいサシが入った最上級の肉。この、質のよい脂にあわせてワインを選びました」と、長谷川さん。

 
「都農ワイン」の「プライベートリザーブ シラー2022」はスパイシーで黒コショウの風味を持つワイン。軽やかでエレガントな飲み口ながらも厚みのある香りと味わいで、長い余韻が楽しめます。

 
上質なステーキにあわせると、ワインがソースのように寄り添い、奥行きのあるおいしさに。まさに至福のマリアージュです。

 

迫力のフランベパフォーマンス

 
メインを堪能した後は、パフォーマンスタイム。このイベントではすっかりお馴染みになった「The Eatertainment Show(イーターテインメント・ショウ)」です。ピアノの生演奏が行われているステージの脇で、長谷川さんがデザートに提供するフルーツを美しい手さばきで手際よくフランベします。

 
長谷川さんは、フルーツカッティングやフランベ、テーブルセッティングなどのテクニックを審査するレストランサービスのコンクールで優勝経験があり、東京マイスターにも選ばれる第一人者。この日はデザート用のイチジクのフランベを大勢のお客さまの前で披露し、会場を賑わせてくれました。

 

 
舞台で演奏するのはピアニストの金山千春さん。数々のピアノコンクールやコンペティションでの受賞歴を持ち、国内外のコンサートで活躍しながら、アートや華道などさまざまなジャンルとのコラボレーションやイベントの音楽プロデュースも手がける音楽家です。

 
この日は、JALがスポンサーを務める人気ラジオ番組『ジェットストリーム』の名曲メドレーやポール・モーリアの名曲などを美しい音色で届けてくれました。

 

 
フランベパフォーマンスの後は、最後の一品、「半島の四季」。フランベした福岡県産のイチジク「とよみつひめ」を赤ワインとクレーム・ド・カカオでコンポートに仕立て、バニラアイスクリームとシェーブルチーズのサブレを添えたデザートです。

 
お好みで「シングルモルト 嘉之助」または栗風味の紅茶「マロングレイ」、コーヒーとあわせていただきました。

 
さて、九州の半島を巡るおいしい旅は、これで無事にLANDING。

 

 
この日、ディナーで提供されたワインとウイスキー。九州の気候と文化が生み出すお酒は、最近ますます注目されています。

 

 
最後は、この日の素晴らしい料理を作ってくれた神木亮シェフのごあいさつで締めくくりです。

 
10回目となった「旅するメーカーズディナー」のこれまでを振り返りながら、今回の地域「九州」の魅力を語ってくれました。

 
日本の各地には素晴らしい食材と文化があり、そしてそれを守り育む人たちがたくさんいらっしゃいます。

 
皆さまもぜひ、ご自分の舌で、その魅力を体験してみてください。

 

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