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【山形県】観光スポットおすすめ22選!【2024年最新版】

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東京から約3時間。東北地方の日本海側に位置する山形県。出羽三山をはじめとする勇壮な山々などの大自然、さくらんぼに代表される果物に美食、そして歴史文化信仰など、多彩な魅力が満載の地域だ。

 
この記事では、

 
・山形県で観光すべきスポット
・山形県内のエリアごとの特徴

 
を紹介していく。

 
これを読めば、自分の好みにあった山形のスポットを見つけられるはず。

 
それぞれのスポットには興味にあわせたジャンルがわかるマークもつけているので、参考にしてもらえたら嬉しい。

 

山形ってどんな場所?

県域の西側を日本海に面し、約8割を山地が占める山形県。蔵王、月山、鳥海、吾妻など日本百名山に数えられる山々に囲まれ、米沢、山形、新庄の各盆地と庄内平野を流れる最上川からなる自然豊かな地域だ。

 
全国生産量の7割を占めるさくらんぼの産地として知られるが、独特の盆地気候を生かして、ぶどうや桃、ラ・フランスなどの果物も多彩。また、庄内平野を中心に、日本でも指折りの米の生産地でもある。これらの収穫物によるワインや日本酒も名産品のひとつ。さらに日本海の海の幸の宝庫でもある。

 
変化に富んだ自然がもたらす、豊かな食にも恵まれた山形県。さらに松尾芭蕉が『おくのほそ道』の行程のうち、3分の1にあたる43日間を山形県内で過ごしたことからもわかるように、古くから文化性の高い地域でもあり、それらを今に伝える文物も豊富に残る。

 
県土面積が全国9位と広大で、地勢が変化に富み、江戸期の幕藩体制のなごりもあるため、食べ物や方言などの文化がエリアによって少しずつ異なるのも楽しい。

 
南から置賜(おきたま)、村山(むらやま)、最上(もがみ)、庄内(しょうない)の4つの地域区分に沿って、各エリアごとの見逃せないスポットを紹介していこう。

 
※掲載施設の情報は変更されていることがあります。お尋ねの際はあらかじめご確認ください。

 

置賜エリア

県の南部にあたり、最上川の源である吾妻連峰の裾野に広がる米沢盆地が中心のエリア。米沢は城下町として発展したエリアで、上杉家と縁が深く、神社をはじめ名所旧跡も多い。また、ぶどうなど果物の栽培が盛んで、全国的にも人気のワイナリーもこのエリアに。吾妻連峰の周辺は雄大な自然が広がり、滑川大滝をはじめ見どころも満載だ。

 

上杉神社

 
米沢城本丸跡で、現在は桜の名所でもある松が岬(まつがさき)公園内に鎮座する上杉神社。戦国時代の名将で、米沢藩の藩祖として敬われる上杉謙信公を祀る。神社の始まりは明治5(1872)年。当時は謙信と鷹山を祀っていたが、同35年には別格官幣社(べっかくかんぺいしゃ=国が管轄する官社の中で、皇室や国家に尽力した偉人をまつる)に昇格した際、祭神が謙信一柱となった。鷹山は同じ公園内の摂社・松岬神社に祀られている。

 
大正8(1919)年の米沢大火で焼け落ちたが、国の援助や米沢市民の尽力により、大正12年に現在の社が完成。設計は米沢出身で寺社建築の第一人者・伊東忠太が手掛けた。余談だが伊東は東京の明治神宮や築地本願寺などの建築も手掛けている。

 
上杉神社は米沢市民の心の拠り所のひとつであり、例年春の「米沢上杉まつり」や2月の「上杉雪灯篭まるち」などの催しでも知られる。

 
神社内の宝物殿・稽照殿では、直江兼続が所有していたといわれる「愛」の前立の甲冑をはじめ、謙信や景勝が所有していた甲冑類や刀などが観賞できる。

 

上杉神社|
住所:米沢市丸の内1-4-13
URL:https://www.uesugi-jinja.or.jp/

 

米沢市上杉博物館

 
松が岬公園に隣接する米沢城二の丸跡地に立つ「伝国の杜(でんこくのもり)」内にある博物館で、上杉家の歴史と文化をテーマにし、ゆかりある貴重な品々を収蔵する。

 
目玉は、国宝の「上杉本洛中洛外図屏風」。織田信長から上杉謙信へ送られたものと伝えられ、京の都の日常風景を描いた屏風には約2,500人もの人物が身分を問わず描かれるなど、当時の京都の様子を伺い知ることができる。普段はレプリカの展示で、春と秋に原本が展示される。また、その世界を疑似体験できる「洛中洛外図の世界」、米沢藩の名君として知られる上杉鷹山の藩政改革を紹介する「鷹山シアター」など、工夫を凝らした展示も数々ある。

 
ミュージアムショップには、上杉謙信や鷹山、直江兼続のオリジナルグッズなど、ここでしか入手できない品も豊富にある。

 

米沢市上杉博物館|
住所:米沢市丸の内1-2-1
URL:https://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/

 

白川湖の水没林


▲出典:山形県飯豊町URL

 
白川湖に春先の雪解け水が流れ込み、満水の時期を迎える毎年4月の中旬から5月の中旬にかけて、1カ月の期間限定で神秘的な風景が現れる。

 
新緑の柳があたかも湖から生えているかのような、幻想的な光景を見ることができる。白川ダム湖岸公園内には、ゴルフ場やキャンプ場が併設されており、カヌー体験のほか気軽にアウトドアを楽しむことができる。

 

白川湖の水没林
住所:山形県飯豊町数馬
URL:https://www.iikanjini.info/suibotsurin/

 

高畠ワイナリー

 
山形県南部の内陸部は果物の栽培に適した土地で、高畠町は明治初頭から栽培の歴史がある、ぶどうの名産地。中でもワインに使用されるシャルドネ品種、デラウェア品種に関して、市町村単位では全国一の出荷量を誇る。

 
この地元産ぶどうをメインにしたワイン醸造を高畠ワイナリーでは1990年に開始。現在では、自社農園や地元農家が栽培するぶどうや、さくらんぼ、ラ・フランス、桃などの山形特産のフルーツを使用したワインで高い評価を得ている。

 
高畠ワイナリーでは、敷地内のぶどう畑やワイン製造工程の見学を実施。こだわりのワイン製法を間近に見ることができる。併設のワイナリーショップでは高畠ワインを中心に、地酒、クラフトビールなど地元産のアルコールを販売。通年で4~6種のワインの試飲もできる。また、ワインに合うチーズやソーセージなども手に入る。

 
さらにグラスワインも楽しめるフード店舗もあり、ワインのほかジェラートやアイスクリームも人気。地元ソーセージメーカーとコラボした「高畠プレーンドッグ」やピザも味わえる。

 

高畠ワイナリー|
住所:東置賜郡高畠町大字糠野目2700-1
URL:http://www.takahata-winery.jp/

 

滑川大滝

 
落差80m、増水時には150m超にもなり、約45mの幅を持つ、東北地方最大規模の滝。「日本の滝百選」にも選ばれている。

 
滝というと水が落下する力強さや迫力がまず頭に浮かぶが、ここ滑川大滝は岩肌に絡み合うように流れ落ちてくるため、どこか優美さを感じる。

 
滝までは滑川温泉から登山道が通常ルートだが、吊り橋の老朽化のために通行禁止に。代替登山道があるが、滝に近づくには川に入って渡らなければならず、装備が必要となっている。

 

滑川大滝|
住所:米沢市大字大沢
URL:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_264.html

 

酒造資料館 東光の酒蔵

 
米沢市は山から湧出する豊富な水と良質な米に恵まれ、酒蔵に必要な安定した低温が得られる酒造りに適した地。この米沢で、400年以上にわたって酒を造りづづけるのが、清酒「東光」で知られる小嶋総本店。上杉家御用酒屋であり、江戸期に飢饉による米不足で禁酒令が出されたときも、藩内で唯一酒造りを許されたという老舗蔵元だ。

 
この小嶋総本店から歩いて数分のところにある「酒造資料館 東光の酒蔵」は、東北で最大級の規模を誇る酒造資料館。館内は、明治時代の酒蔵を彷彿させる空間が広がり、同店が代々受け継いできた酒造りの道具の数々を展示。仕込蔵は実際に酒造りをしていた土蔵を改修したもので、昔の酒造りの現場を臨場感たっぷりに再現している。

 
資料館には蔵元直営のショップを併設。無料試飲ができるほか、高級酒やコンテスト受賞酒の有料試飲も可能だ。専属スタッフのアドバイスで、お気に入りの一本を見つけるのも楽しい旅の思い出になるだろう。

 

酒造資料館 東光の酒蔵食|
住所:米沢市大町2-3-22
URL:https://www.sake-toko.co.jp/

 

村山地方エリア

蔵王、月山、朝日連峰などの山々に囲まれた県の中央部。県庁所在地の山形市があり、県人口の半数近くが集まる。松尾芭蕉の名句で知られる山寺をはじめ名所旧跡が多く、開湯1900年超になる蔵王温泉や銀山温泉、天童温泉など全国的に知られた温泉地も点在。また、樹氷で有名な蔵王連峰に広がる日本屈指のスキー場もこのエリアに。

 

銀山温泉

 
大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造建築の旅館が、銀山川の両岸に立ち並ぶレトロ感たっぷりの温泉街。江戸時代にこの周辺にあった大銀山「延沢銀山」がその名称の由来である。

 
日中の街並み散策では、立ち並ぶ旅館の壁にはカラフルな絵柄の鏝絵(こてえ)、アスファルトには雪の結晶を模した埋め込みタイルが見どころ。夕暮れ時には、ガス灯に火が灯り、あたりをボンヤリと照らし出す光景が郷愁を誘う。銀山川沿いの「和楽足湯」では、源泉を引いたお湯に浸かることもできる。また、徒歩圏内にカフェや食べ歩きなどの食スポット、みやげ物店も充実し、のんびり散策を楽しめる。

 

銀山温泉|
住所:尾花沢市銀山
URL:http://www.ginzanonsen.jp/

 

山寺(宝珠山立石寺)

 
山寺の通称で世に名高い宝珠山立石寺。貞観2(860)年に慈覚大師円仁が開いたといわれる古刹。松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に納めらた「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句は、ここ山寺での感興を詠んだものとして知られている。

 
奇岩怪石が連なる山全体が修行・信仰の場とされ、登山口から大仏殿のある奥の院までは、石段1,015段、徒歩約1時間の道のり。これが王道の参拝ルートで、石段を登ることで煩悩が消滅するとされる、ありがたい道のりだ。また、登る先々で振り返ればのどかな風景が眼前に広がる。

 
なお、山全体が信仰の対象であることから、立石寺は一山の総称であり、その名を冠した堂宇がないのも大きな特徴。本堂は、1200年前に比叡山延暦寺から移された不滅の法灯が今も灯され続ける「根本中堂」で、ここが中心道場となっている。

 
少し離れた場所で、山寺を一望できる高台にある「山寺芭蕉記念館」も併せて訪れれば、芭蕉の真筆のほか『おくのほそ道』関連の史料が見学でき、山寺参拝の興趣をより深めることができる。

 

山寺(宝珠山立石寺)|
住所:山形市山寺4456-1
URL:https://www.rissyakuji.jp/

 

舞鶴山(天童公園)

 
天童市の中心部に位置する舞鶴山は町のシンボル的な存在で、山全体が「天童公園」となっており、憩いの場として親しまれている。山頂は展望広場があり、遠くに月山や朝日連峰、眼下には最上川が流れる、山形ならではの景観が一望できる。

 
桜の名所としても有名で、4月初旬~中旬には約2,000本の桜が見頃を迎える。例年「天童桜まつり」が催され、その名物となっているのが「人間将棋」。将棋駒の生産量日本一を誇る天童市ならではのイベントで、甲冑や着物に身を包み武者や腰元に扮した地元の人が駒となり、招待棋士の号令に従って動き、勝負を展開する。2022年は、藤井聡太五冠が初めて登場。甲冑をまとい、対戦者の佐々木六段と対局し、「隙があるのではないか」と言いながら攻めるなど、武者言葉で会場を大いにわかせた。

 

舞鶴山(天童公園)|
住所:天童市天童城山
URL:https://www.city.tendo.yamagata.jp/tourism/kanko/maizuruyama.html

 

蔵王温泉

 
東北指折りの歴史と規模を誇る温泉地。開湯の起源は、日本武尊の東征の折りとされ、1900年の昔へと遡る。江戸期には修験道の本尊である蔵王権現への西側登山口として賑わい、大正期に温泉観光地としての基盤が整い、昭和期になると大規模なスキー場がオープン。東北屈指の総合山岳リゾートとして、季節を問わず人気を集めている。

 
湯量豊富な温泉は、強酸性の硫黄泉で、「美肌の湯]「美人づくりの湯」として知られる。そんな名湯が3つの共同浴場や足湯、日帰り温泉施設で楽しめるのも魅力。坂道と迷路のような小道を行きつ戻りつしながら、特色ある施設を湯めぐりするのも一興だ。

 

蔵王温泉|
住所:山形市蔵王温泉
URL:https://www.zao-spa.or.jp/

 

蔵王温泉スキー場

 
蔵王温泉の温泉街と歩みを揃えるように発展してきた日本を代表するスキー場のひとつ。12のコースと14のゲレンデからなり、単独のスキー場としては日本最大の面積を誇る。リフトだけでも32本、ロープウェイが3基、さらにケーブル1基とまさに大スケールだ。

 
最長滑走距離が10kmもあるコースや樹氷を見ながら滑れるコースをはじめ、コース内容も多彩。広く傾斜が緩やかで、初心者におすすめのコースもあり、スキーの技術や老若男女を問わず、誰もが楽しめるのも大きな特徴。標高の高い場所も多く、雪質の良さでも知られる。

 
スキーシーズン以外も、春の高原の草花観察や山菜採りをはじめ、夏の深い緑や秋の紅葉の中でのトレッキング、夏山リフトで中腹まで上り麓まで豪快に滑り降りる「スーパースライダー」など、多彩な楽しみ方ができる。

 

蔵王温泉スキー場|
住所:山形市蔵王温泉土合
URL:http://www.zao-ski.or.jp/

 

ドッコ沼

 
標高約1,400m、蔵王中央高原にある周囲約350m、平均水深2mの沼。沼底から枯れることなく水が湧き出ており、日差しによって水面が青色やエメラルドグリーンに煌めき幻想的。沼には水神様の伝説が残っており、より神秘性を増している。

 
沼までは、蔵王温泉街から蔵王中央ロープウェイを利用し、鳥兜駅で夏山用リフトに乗り継げば気軽にアクセス可能。鳥兜駅からトレッキングを楽しみながら目指すのものおすすめだ。豊かなブナの森林で森林浴をしながら散策できる。なお、沼畔には、テーブルや椅子があるので、のんびり休憩することも可能。

 
鳥兜駅に近接する鳥兜展望台から望む、眼下に温泉街、遠く月山をはじめ鳥海山や朝日連峰、吾妻連峰など山形を代表する山々が描く大パノラマも見逃せない。

 

ドッコ沼|
住所:山形市蔵王温泉
URL:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_12296.html/

 

山形県郷土館 文翔館

 
現在地にあった初代の山形県庁舎及び県会議事堂が明治44(1911)年の山形市北大火で焼失、そのあとに大正5(1916)年に建てられた2代目の庁舎で、1975年の県庁舎移転まで長年にわたり使用された。

 
1984年、国の重要文化財に指定されたのを機に、1985年から10年の歳月をかけ、当時の工法を元に忠実な復元工事が行われ、山形県郷土館、愛称・文翔館として無料公開に至った。

 
旧県庁舎は、英国近世復興様式を現代に伝えるレンガ造り3階建てで、外壁が石貼りになった重厚感ある佇まい。

 
内部は、西洋建築らしいムードあふれる玄関ホールをはじめ、階段手すりの装飾や踊り場のステンドグラス、天井の漆喰飾り、寄せ木貼りの床など豪華な装飾に目を奪われる。ガイドボランティアの案内で見学すれば、より細部まで楽しめるだろう。

 

山形県郷土館「文翔館」|
住所:山形市旅篭町3-4-51
URL:https://www.gakushubunka.jp/bunsyokan/

 

最上エリア

山形県内でもとりわけ山深く、原生林が多く残るエリア。日本海からの北西の季節風の影響で、日本でも有数の豪雪地帯となっている。地域の南部から西部にかけては、出羽山地を東西に貫く最上川が滔々と流れ、山峡の絶景を楽しむ「最上川舟下り」もこのエリアならでは。秘湯の趣きを残す、開湯1200年になる肘折温泉も外せない。

 

最上公園(新庄城址)

 
江戸期、新庄市一帯は新庄藩の城下町だった。その居城であった新庄城は、藩祖・戸沢政盛が築上し、以来240年以上にわたり代々領内を統治。ところが、戊辰戦争に際し庄内勢に攻められ、市街地もろとも焼失してしまった。

 
城の存在を伝える石垣や本末を囲む堀などが残り、現在は新庄の歴史を伝え、自然にあふれる公園となっている。新庄随一の桜の名所で、約300本のソメイヨシノやシダレザクラが春には満開となる。

 
園内には、戸沢家の氏神を祀る天満神社、戸沢家始祖・衡盛と藩祖政盛、11代正実を祀る戸沢神社、戊辰戦争以来の戦死者を祀る護国神社の三社が鎮座する。

 

最上公園(新庄城址)|
住所:山形県新庄市堀端町6-86
URL:http://www.city.shinjo.yamagata.jp/k001/020/010/020/2571.html

 

最上川芭蕉ライン 舟下り

 
松尾芭蕉が『おくのほそ道』に掲げた「五月雨をあつめてはやし最上川」の句で知られる最上川は、山形県内の南・吾妻連峰に発し酒田市で日本海へ注ぐまで、県内を約229kmにわたって流れる大河。山形県内のみを流れており、ひとつの都道府県のみを流域とする河川としては日本最長。県民の生活と切っても切れない「母なる川」だ。

 
200km以上を盆地と狭窄部が目まぐるしく入れ換わる中を流れ、変化に富んだ景観が続くのも大きな特徴。この景観を川面から楽しめるのが、最上峡芭蕉ライン観光舟下り。約12kmの距離を1時間ほどかけてゆったりと下る。周囲の雄大な自然もさることながら、船を操る船頭さんの舟唄やガイドも名物だ。かつての舟運の様子を彷彿させるような、緩やかな時間が流れる。

 
1年を通じて定期運行しており、四季折々の自然を満喫できるほか、冬期は「こたつ舟」も登場。雪に霞む山肌を眺めならの船旅も格別だろう。

 

最上川芭蕉ライン 舟下り|
住所:最上郡戸沢村大字古口86-1
URL:https://www.blf.co.jp/

 

肘折温泉

 
開湯は平安時代で、1200年以上の歴史を誇る古湯。名前の由来は、その昔、老僧が肘を折って苦しんでいたところ、こちらの湯に浸かったら、すぐに傷が癒えたというところからと伝わる。切り傷ややけど、骨折などの外傷や、胃腸病、皮膚病に効能が得られるとされ、昔から近隣農民が農閑期に疲れを癒やしたり、骨折や傷を癒やしたりと、湯治場として栄え、今もその面影を伝える。

 
現在も20軒以上の旅館があり、いずれも源泉かけ流しの質の高い温泉を提供。自炊をしながら長期滞在ができる宿もあり、温泉街の名物・朝市で食材を仕入れて食事の準備をするなど、伝統的な湯治を満喫することもできる。

 
山形でも屈指の山深い地域に位置し、積雪が3mを超えることもある全国屈指の豪雪地帯としても有名。豪雪地帯だからこそ楽しめる冬のイベントも多数行われている。

 

肘折温泉|
住所:大蔵村肘折温泉
URL:https://hijiori.jp/

 

観光さくらんぼ村

 
山形県はさくらんぼの生産量で日本一を誇り、全国の流通量の7割を占める。県内では明治8(1875)年から栽培が始まっており、まさに「さくらんぼ県」といえる。

 
栽培の中心となっているのは、県内中央部の山々に囲まれた土地。空梅雨が多いことが栽培に適しているという。村山市もそんなさくらんぼ栽培の適地のひとつ。市内にある「オクヤマ観光農園」「松原農園」「仁藤農園」「犬飼農園」の4つの農園が観光さくらんぼ村として営業している。

 
さくらんぼの旬は、6月中旬から下旬。この時期にさくらんぼ狩りを開催。時間無制限で心ゆくまでさくらんぼを堪能できる。リーズナブルにさくらんぼを購入できる直売所も立ち寄ってみたい。

 

観光さくらんぼ村|
住所:村山市内各所
URL:https://www.murayama-kanbutu.com/

 

庄内エリア

他の3エリアとは雰囲気が大きく異なり、広大な庄内平野が広がり、西側は日本海に面する開放的な雰囲気の地域。東側には修験道の聖地である出羽三山をはじめとした山岳地帯も。平野部では城下町だった鶴岡、港町として栄えた酒田の2都市を中心に、数多くの観光スポットが点在する。

 

羽黒山

 
羽黒山・湯殿山・月山は総称して出羽三山と呼ばれ、古くから全国有数の修験道の山として知られる。標高414mの羽黒山は、三山の神々を合祭する出羽三山神社が山頂に鎮座し、三神社同時に年中行事などが行われる。

 
山門から山頂への本殿へ続く石段は2,446段あり、古代から現存する石段としては日本最長とされ、今も山伏の修行が実際に行われている。参道の両側は杉並木が続き、神々しく凛とした空気を漂わせている。

 
参道の入り口に立つ「随神門」をくぐると空気が一変。聞こえてくるせせらぎの音は「祓川(はらいがわ)」のもので、戦後まもなくまでは参拝者はここで身を清めて参拝の途についた。その先には、参道のハイライトである「羽黒山五重塔」が見える。東北地方唯一の国宝・五重塔で、現在の塔は約600年前のもの。さらに歩を進めれば、休憩処の「二の坂茶屋」、その先にはかつて大伽藍を誇った若王寺宝前院あとの「御本坊平」、芭蕉も泊まったという別院紫苑寺の跡、通称「南谷」、パワースポットとして有名な「埴山姫神社」、そして山頂の「出羽三山神社・三神合祭殿」へたどり着く。なお、現在は山頂まで、有料道路を利用して車でアクセス可能だ。

 

羽黒山|
住所:鶴岡市羽黒町手向
URL:http://www.dewasanzan.jp/

 

出羽三山神社

 
羽黒山頂にある神社で、月山、羽黒山、湯殿山にそれぞれ大山祇命、大国主命、少彦名命の三神を祀る。三神を祀る。月山と湯殿山は冬季の参拝が不可能なことから、羽黒山頂に三山の神々を合祀することとなった。

 
月山神社は天照大神の弟神の月読命(つきよみのみこと)が、出羽神社は出羽国の国魂である伊氏波神(いではのかみ)と稲倉魂命(うかのみたのみこと)の二神が、湯殿山神社は大山祗命(おほやまつみのみこと)、大己貴命(おほなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三神が祭神となっている。また広大な山内には百八末社といわれる社があり、八百万(やおろず)の神々が祀られている。

 
ちなみに、出羽三山を開山したと伝わるのは、蘇我氏に弑逆された崇峻天皇の皇子で、蘇我氏の難を逃れてこの地へやってきた蜂子皇子(はちのこおうじ)。その際に、皇子を導いたのが3本足の霊鳥・八咫烏(やたがらす)という。現在は、サッカー日本代表のエムブレムの意匠としても有名だ。

 
なお、山伏修行の祈祷の場がある羽黒山参籠所「斎館」では、予約制で出羽三山山麓で採れる旬の山菜や筍を素材に、羽黒独特のしきたりを守り続けた精進料理をいただくこともできる。

 

出羽三山神社|
住所:鶴岡市羽黒町手向字手向7
URL:http://www.dewasanzan.jp/

 

鶴岡市立加茂水族館

 
日本海に面した海岸沿いに立つ、山形県唯一の水族館。クラゲの展示種類(60種以上)で世界一を誇り、「クラゲドリーム館」の愛称を持つ。

 
見どころは、世界最大級・直径5mの水槽「クラゲドリームシアター」で、約1万匹のミズクラゲが漂う。海中のように青くライトアップされた水槽をクラゲがゆらゆら泳ぐ様子はまさに幻想的。癒やしの空間としても高い人気を誇る。

 
そのほかに、アシカショーやウミネコの餌やり、地元庄内エリアの海の生き物の展示なども充実。館内レストランでは、地魚の海鮮丼などの魚介メニューのほか、クラゲを使ったクラゲラーメンやクラゲアイスなどのヘルシー料理も揃う。

 

鶴岡市立加茂水族館|
住所:鶴岡市今泉字大久保657-1
URL:https://kamo-kurage.jp/

 

山居倉庫

 
米どころ庄内地方で収穫された米を保管するため、1893年に建てられた米の保管専用の貯蔵蔵。最上川と新井田川に挟まれた通称・山居島にあり、船による米の積み下ろしに便利な立地。白壁の土蔵づくり12棟からなり、米の収容能力は18万俵(10,800トン)にもなる。夏の高温防止のために背後にケヤキ並木を配し、二重屋根で内部の湿気を防止するなど、自然を利用した先人の知恵が生きる低温倉庫だ。

 
12棟のうち9棟は、現役の農業倉庫として今も使用中。その他の2棟はみやげ物の購入などができる酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」として、もう1棟は米に関する資料や農機具を展示する「庄内米歴史資料館」として使用されている。白壁の土蔵とケヤキ並木が織りなす風景は、酒田で一番の人気フォトスポットであり、CM撮影などでも数多く活用されている。

 

山居倉庫|
住所:酒田市山居町1-1-20
URL:https://sakata-kankou.com/spot/30159

 

鶴舞園(かくぶえん)と清遠閣(せいえんかく)

 
1813(文化10)年、日本一の地主として知られた本間家が別荘として造った鶴舞園と清遠閣。戦後の1947(昭和22)年より「本間美術館」として一般公開され、2009(平成21)年には、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで鶴舞園が二つ星、清遠閣が一つ星、2012(平成24)年には鶴舞園(清遠閣を景観に含む)が、名勝に指定される。

 
鶴舞園は、鳥海山を背景にした庭園で、池を中心にぐるっと散策ができる。変化に富んだ地形に、全国から運ばれてきた銘石と石灯籠が置かれ、芸術的に高い評価を得ている。春は白ツツジ、夏は鮮やかな緑、秋は紅葉、冬は雪化粧など、四季折々の景観を堪能してもらいたい。

 
「清遠閣」は、大正ロマンを感じさせられる京風の木造二階建てで、明治維新後は昭和天皇が宿泊される等、迎賓館としても使われていた。東北諸藩からの拝領品や美術品が展示されている。また、中には喫茶室があり、鶴舞園を見ながらゆっくり過ごすことができる。

 

本間美術館|
住所:酒田市御成町7-7
URL:www.homma-museum.or.jp

 

1泊2日で楽しむ山形旅行

 
首都近郊からだと飛行機で1時間弱、思い立ったらすぐ行ける山形県。週末を使って、SNSやテレビで話題になった旬の味覚や景色、見どころなどを楽しみたい……。時には急な出発もあるだけに、持ち物は忘れず用意したいもの。

 

1泊2日旅行に必須の14の荷物チェックリスト|あると便利な持ち物も紹介

 

訪れる度に発見できる山形の魅力

 
山形の観光では、自然、食、温泉、歴史文化と、一度の旅では味わいきれない魅力を県内の各エリアで満喫できるだろう。季節や目的、滞在期間などにあわせたプランで、山形の旅をぜひ楽しんでほしい。

 
 

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