旅の+one

自動巻き腕時計を徹底解説!仕組みと歴史、扱い方と保管方法を知ろう

腕時計を手に入れようと思ったとき、まず、どのようなムーブメントを選ぶか迷うだろう。機械式か、クオーツか。さらには機械式の自動巻きか手巻きか。

 
今、メンズ腕時計では、機械式自動巻き腕時計の人気が高く、高級ブランドからカジュアルなブランドまで、幅広くラインナップされている。機械式とはいえ文字盤と針からなる時計はアナログなイメージかもしれないが、自動巻き腕時計は進化し続けている。

 
ここでは、知っているようで知らない「自動巻き腕時計」について、以下を解説する。

 
・時計のムーブメントについて
・歴史や特徴
・メリットとデメリット
・正しい扱い方や保管方法

 
デジタル全盛の時代でも、デリケートで手間がかかっても、愛され続ける自動巻き腕時計の魅力を知ってほしい。

 

ところで自動巻き腕時計ってどんなもの?

 
「自動巻き腕時計」は、身につけているだけで腕の動きによって自動的にゼンマイを巻いてくれる機械式の腕時計のこと。高級ブランドをはじめ、「自動巻き腕時計」は今や主流といえるほど種類が多く、デジタル化が進む現在でも、根強い人気がある。

 

まずは腕時計の「ムーブメント」の種類について知ろう

時計の「ムーブメント」とは、時計の針を動かすための部品や機械などの駆動装置のこと。腕時計のムーブメントには大きく分けて「クオーツ」「機械式」の2種類がある。「クオーツ」は電池の動力で動き、「機械式」はゼンマイのほどける力で動く。

 
「機械式」時計は、基本的に手で組み立てるため、修理も可能だ。また、クオーツに比べると力が強いため、太い針が載せられ、多機能モデルが多い。そして、動力となるゼンマイを手で巻き上げるタイプ「手巻き」と、腕につけることで自動的にゼンマイが巻かれる「自動巻き」に分かれる。

 

クオーツ

「クオーツ・ムーブメント」とは、水晶に電圧をかけた際に生じる振動数を利用して針を動かす仕組み。電池を動力にしており、取り扱いが便利なのが魅力だ。

 
電池交換は必要だが、一度の電池交換で3~5年程度は動くものが多い。誤差は機械式よりも生じにくく、安価であることも特徴。磁気の影響を受けにくいため、時間に正確さを求める方にはおすすめだ。

 
ただ、クオーツ・ムーブメントは、基本的には分解できないため、修理が難しい場合が多い。

 

機械式 手巻き

 
機械式腕時計「手巻き」は、リューズを手で巻くことで、ゼンマイを巻き上げる。そのため、毎日のように、巻き上げる作業が必要となる。時間のずれを少なくするには定期的に巻き上げることが大切。手間はかかるが、毎日、腕時計に手をかけることで、愛着がわき、コンディションもチェックできる。

 
また、手巻き式は自動巻きに比べてパーツが少ないため、薄型のタイプも多く、メンテナンスのコストを抑えることができる。

 
現在、各ブランドの機械式腕時計のラインナップは自動巻きが主流となっているため、選択肢は少ない。一方、アンティーク市場では、手巻きの機械式腕時計が主流であり、愛好家も多い。

 

機械式 自動巻き

機械式腕時計「自動巻き」は、身につけているだけで、自動的にゼンマイが巻かれる。そのため「手巻き」に比べて、時間が狂いにくい。しかし、「手巻き」に比べると複雑な仕組みでパーツが多いために、故障しやすかったり、メンテナンス代が高くなる可能性もある。

 
現在、機械式腕時計では、自動巻きタイプが圧倒的に多い。価格帯も幅広く、高級ブランドからお手頃なブランドまで豊富に揃う。

 

自動巻き腕時計の仕組みと、その歴史について紹介

自動巻きの技術が誕生したのは、なんと1700年代。以来、さまざまな技術の発明とともに自動巻き腕時計は進化してきた。その仕組みと歴史について紹介しよう。

 

自動でゼンマイを巻く仕組みの秘密は「ローター」にあり

機械式腕時計は、巻き上げたゼンマイがほどけていく力によって動く。手巻きではリューズを回すことで巻き上げるが、自動巻きでは「ローター」と呼ばれる振り子が内蔵されており、それが左右に動くことでゼンマイが巻かれる。

 

歴史とともに磨かれた自動巻きの技術、その起源は?

自動巻き時計を発明したのは、アブラアン-ルイ・ブレゲ。1780年にブレゲ社より自動巻き時計「ペルペチュエル」が登場した。その後、1926年にスイスのフォルティス社から世界で初めての自動巻き腕時計が発売される。

 

▲出典:ブレゲURL

 
1931年にはロレックスより、360度回転するローターを備えた「パーペチュアル」が登場。現代の自動巻き機構の原点ともいえる技術が生み出された。

 

ロレックス オイスター パーペチュアル 41

▲出典:ロレックスURL

 

素材:オイスター、オイスタースチール
直径:41mm
ムーブメント:パーペチュアル、機械式、自動巻き
税込参考価格:621,500円

 
高級腕時計の歴史については、こちらも参照

メンズ高級腕時計の定番ブランド10選|旅先でのステータスを上げる逸品

 

自動巻きのメリット・デメリット

 
では、クオーツや手巻きと比べて、自動巻きにはどのようなメリット・デメリットがあるのだろうか。腕時計選びのポイントにもなる特徴を見ていこう。

 

【メリット】当たり前だが巻かなくていい。止まらない

自動巻きの時計は、手巻き式のように、毎日リューズを巻く必要がない。腕につけていれば、針が止まることはない。基本的には毎日8~10時間ほど着用することで安定するといわれている。扱いやすいのは、日常使う腕時計には重要なポイントだ。

 

【メリット】手巻きに比べて精度が安定している

手巻きは、ゼンマイがゆるんでいく力を動力としているので、パワーが弱まっていくことで時間に狂いが生じる。一方で、日常の動きでゼンマイが巻かれる自動巻きは、手巻き式に比べると、精度が安定している。

 

【メリット】自動巻きが主流のため、選択肢が広い

現在、多くのブランドは自動巻きを採用している。高級ブランドからカジュアルなブランドまで、種類豊富な自動巻きモデルが揃う。また自動巻き時計には、日付表示や多機能モデルが多いのも特徴。

 

【メリット&デメリット】ムーブメントを鑑賞する

機械式時計では、その繊細なムーブメントを鑑賞したいと思うユーザーも多い。最近ではサファイヤガラスが普及し、裏側がガラス張りの「シースルーバック」を採用する高級時計が増えた。

 
自動巻きでは大きな「ローター」の存在が、ムーブメントの動きを隠してしまうといわれていた。けれども「シースルーバック」の普及により、ローターの装飾や、最小化した「マイクロローター」の採用など、各ブランドが独自に工夫している。

 
そのため、デメリットだった「ローター」が、機械の美しさを感じさせる要素として進化し、ムーブメントを楽しむためのメリットにもなっている。

 

【デメリット】ローターの搭載により、時計が厚く重くなってしまう

自動巻き式には、ローターなどの自動巻きの機構が搭載されているため、手巻き式に比べると、厚みが出たり、重くなってしまう。だが、ローターも進化しており、最近ではさらに高度な技術によって小型化された「マイクロローター」を採用している時計もある。

 

【デメリット】修理やメンテナンス費用が割高になることがある

手巻き式でも自動巻きでも、機械式の時計を長く愛用するには、定期的なオーバーホールが必要だ。けれどもシンプルな構造の手巻き式に比べると、自動巻き式は、パーツが多く複雑なため、故障の可能性が高くなる。そのため、修理やメンテナンス代が高くなることがある。

 
腕時計の修理やメンテナンスについてはこちらも参照

大切な腕時計を修理するには?依頼先と症状別の費用相場を解説

 

自動巻きの正しい扱い方

 
機械式腕時計での基本的な扱い方は、「自動巻き」「手巻き」のどちらでも共通している。ただ、時計が止まってしまった場合など、「自動巻き」ならではの注意点もある。精密な機械である腕時計と長くつき合うための、扱い方と注意点を解説する。

 

機械式腕時計で注意すること

<汚れ>
機械式腕時計は、ゼンマイや歯車など、金属のパーツで作られているため、使い続けるうちに部品の摩耗や「汚れ」など、劣化が生じる。そのため、定期的にオーバーホールを行う必要がある。

 
<衝撃>
精密機器である機械式腕時計は「衝撃」に弱い。ぶつけたり落としたりすることで、内部のパーツが破損してしまう可能性がある。テニスやゴルフ、野球など、腕を振るような激しいスポーツをするときは外しておこう。

 
<水気>
どんな時計でも気をつけなければならないのが「水気」。機械式の場合、内部に水が入ってしまった場合、金属パーツの腐食につながるため、すぐに修理に出したほうがいい。

 
また、防水性のあるモデルでも、「お湯」には注意が必要だ。水蒸気がムーブメントに入ってしまうことがあるからだ。防水性は、あくまでも水に対してであるため、入浴時などは時計を外そう。

 
<磁気帯び>
機械式時計で特に気をつけなければならないのは、「磁気帯び」。機械式はムーブメントの大部分が金属パーツでできているため、磁気の影響を受けやすい。

 
スマートフォン、パソコン、スピーカー、マグネットなど、磁気を発する製品の近くに時計を置くことで、部品が磁気を帯びてしまい、精度異常や動かなくなってしまうといったトラブルが生じることがある。

 

止まってしまった場合(1) リューズを巻く

自動巻き腕時計は、毎日着用していれば、止まってしまうことはほとんどないが、着用時間が短い、動きが少なかったなどで、止まってしまう場合もある。そんなときは、リューズでゼンマイを巻き上げることができる。

 
ただ、自動巻き時計の設計は、ローターの動きで巻き上げることが前提となっているため、振って巻き上げたり、ワインディングマシーンを利用したりするほうが腕時計への負担は少ない。リューズを使うのはあくまでも補助として考えるとよいだろう。

 
また、自動巻きは「巻き止まり」がないため、どのくらい巻いたらいいのかわかりにくく、注意が必要だ。多くの自動巻き時計は、30~40回ほど巻き上げることで、安定して動き始めるはず。

 
上限に達しても巻き続けた場合、ゼンマイが切れないように「スリップ機能」が作動するが、頻繁に作動させると時計に負荷がかかるため、巻き過ぎないように注意しよう。

 

止まってしまった場合(2) 時計自体を振って巻く

自動巻きは腕時計自体を軽く振ってから着用すると再び動き始める。落とさないようにしっかりと握って、文字盤が上になるよう水平方向に構えてから、少し斜めに傾け、左右に振る。そして秒針が動き出したら、時刻と日付を合わせて腕につける。

 
内部に負担がかかってしまうため、激しく大きく振ったり、垂直方向や上下に振らないようにしよう。

 

保管にはワインディングマシーンがおすすめ

複数の腕時計を持っている場合は、ワインディングマシーンがおすすめだ。これは、腕時計をセットして、モーターで回転させることで、自動的にゼンマイを巻き上げる動きを作り出すアイテム。

 
自動巻き腕時計を何日も使用せずにいると、時計が止まってしまったり、内部が劣化しやすくなるという問題がある。そのため、保管の際はワインディングマシーンを利用すると便利だ。

 

デジタルの時代にこそ身につけたい機械式自動巻き腕時計

 
今回は「自動巻き」の機械式腕時計について解説した。

 
手をかけることで愛着が増す、機械式腕時計の奥深い世界。そして1700年代に登場し、今も進化し続ける自動巻き腕時計。

 
メンテナンスが必要となる精密さ、そしてその美しいデザインに惹かれる時計愛好家は多い。デジタルの時代だからこそ身につけたいアイテムなのかもしれない。

 
ぜひ一生大切にしたくなるような腕時計に出会い、素晴らしい時間を過ごしてほしい。

 
 

関連記事

EDITORS RECOMMEND〜編集部のおすすめ〜

キーワードで記事を探す