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旅行パッキングの極意|荷物を減らすコツやスーツケース内の仕分けを解説

旅を楽しくスムーズなものにするために欠かせないのがパッキング術。システマチックでコンパクトな荷造りができるなら、移動時の快適さはもちろんのこと、時間の節約で旅に余裕ができたり、お土産を壊さず無事に持ち帰ったりと、多くのメリットが享受できる。

 
ここでは、

 
・旅先やスタイルにあわせた旅行カバン選び
・物を詰める基本の「き」
・パッキングに役立つグッズや考え方

 
など、旅慣れた『SKYWARD』編集部の経験から編み出された、旅行の際の荷造りのコツを紹介しよう。

 

パッキング、その前に。

パッキング術はそもそも旅行以前に「どんなカバンで行くべきか」を選択するところから始まっている。まずは旅先や旅の目的、自分のスタイルにあった旅行カバンを選ぶことから考えよう。

 
よほど身軽な旅でない限り、泊まりがけの旅行カバンはスーツケースないしはバックパックが二大候補。それに加えてボストンバッグあたりが主要な選択肢となるはずだ。

 

スーツケースのメリットとデメリット

 
飛行機や新幹線の旅など、長距離移動で最有力なのはスーツケースだ。キャスター(車輪)があって引いて運べるので少しぐらい荷物が多くても安心で、重たい荷物が苦もなく運べる点は大きなメリット。

 
また、堅牢で壊れ物も運びやすいので、お土産で酒類や陶器などを買った場合にも安心して持って帰ることができる。

 
サイズ選びの大まかな基準は1~2泊で25L程度、2~3泊程度で25~40Lくらい。それ以上の長旅や趣味のアクティビティーを兼ねた旅、ドレスコードのある旅など、荷物が極端に増える場合は海外旅行にも多用される60Lクラスまでもが視野に入る。

 
逆に1~2泊の短い旅が多い人や慌ただしいスケジュールになりがちな人などは特に、機内持ち込みが可能なサイズを一つの目安にするのも使い勝手がよくていいだろう。

 
ちなみに機内持ち込み可能サイズは通例、国内線100席以上の飛行機と国際線では「3辺の和が115cm以内」、国内線100席未満は「3辺の和が100cm以内」。いずれも重さは10kg以内となっている(前記はJALの場合。航空会社や時期、機材などによって異なる)。

 
なお、スーツケースの最大のデメリットは階段や石畳などのでこぼこ道に弱いこと。田舎への旅、移動・乗り換えが多い旅では機動力が下がるので注意したい。

 
また、容積が変化しないので適切なサイズを選ばないと「無駄に大きかった」「小さすぎて荷物が入りきらなかった」という事態になるのも、デメリットの一つといえるだろう。

 
スーツケース選びについてはこちらを参照

機内誌編集部が教える!自分に合ったスーツケースの選び方

 

バックパックのメリットとデメリット

 
普段の気取らない旅に最も活躍するのがバックパック。両肩で背負う構造ゆえに両手があき、身軽に動けるのが何より嬉しい。日帰りなら20L程度、1泊なら20~30Lくらいが一般的で、各ブランドともラインナップが多くある。

 
荷物の中身や体格などにもよるが、おおむね40L以上だと背負ったときにずっしりと重く感じるもので、そこまでの荷物があるならスーツケースも考えたい。

 
デメリットの第一は、スーツケースに比べて荷物を精査する必要があること。何しろ持ち物すべての重さが双肩にかかるわけだから、無駄な荷物で重たい思いをすることはできる限り避けたいものだ。

 
荷物の取り出し口が限られ、スーツケースのように全開できない点も要注意。奥に押し込んだものは取り出しづらいため、よく使うものを上にするなど詰め込む順序にも工夫が必要。

 
また、背面や側面に小さなポケットがあるものが多く、防犯面には気をつけたい。小さなポケットは便利でつい財布やチケットなどを入れがちだが、背負った際にうしろで誰かにジッパーを開けられても気づきにくかったり、どこかに置いて目を離した隙に簡単に開けられてしまう可能性もある。

 
そしてバックパックは基本的に「カジュアルなカバン」だ。高級ホテルや割烹旅館など一定の格式を備えた場所に出入りする際には、バックパックではなく、もう少しフォーマル感のある旅行カバンを選びたい。

 
バックパック選びについてはこちらを参照

バックパックやリュックサックは旅に最適!選び方とおすすめモデル8選

 

ボストンバッグのメリットとデメリット

 
例えば「高級割烹旅館に夫婦でのんびり1泊滞在するだけ」といったスマートな旅行には、ボストンバッグが役に立つ。ブランドものや仕立てのいいバッグなら、ほどよいフォーマル感とリゾート感を両立できる。バックパックほどラフでは困るがスーツケースをごろごろやるほどでもない……というときに、ボストンバッグは重宝する。

 
ただ、ボストンバッグはバックパックにも増して荷物を減らす必要がある。最低限の洗面用具・化粧道具と1泊分の着替えだけ、といった場合が妥当だろう。片方の肩に掛けるか片手で持つかというスタイルだけに、重量があり過ぎると途端に厳しい旅になってしまう。

 

物を詰める基本の「き」

いい旅の第一歩は荷物の上手なパッキング。ここではスーツケースの場合を代表例として、洋服や小物を上手に仕分け&収納するコツを紹介しよう。

 

旅立ちのパッキング

パッキングに最も影響するのはずばり「洋服のたたみ方」。これには流儀がいくつかあって、一概にどれが最善だとは言い難い。

 
小さくたためる術としてしばしば紹介されるのが「くるくる巻く」方法。Tシャツや下着などを巻いてたためば円筒状になり、わずかな隙間に無駄なく詰められる……というものだ。ただ一方でこれには服がシワになりやすいという欠点もある。巻くのは下着類だけにしておくなども一案だ。

 
また、順当なのは種類ごとに一枚ずつ重ねる方法。シャツならシャツ、下着なら下着、靴下なら靴下と、種類ごとにきれいにたたんで整然と詰める。ポイントは何より「丁寧にたたむ」こと。雑でぐちゃぐちゃなのが最も無駄にかさばるわけで、だからこそ丁寧さはパッキングの味方になる。

 
ちなみに、Tシャツの片方の肩と脇腹部分をつまんで一気にたたむ「Tシャツを一瞬でたたむ方法」は、パッキング時間の大幅短縮に役に立つ。長袖には転用しづらいがこの方法が活躍する機会は多いので、以下の画像を参考に覚えておくといいだろう。

 

1)Tシャツの着丈を等分し、肩をA、裾をC、着丈の真ん中をBとする。各位置を覚え、AとBを軽くつまみあげる。

 

2)A(肩)をつまんだ手を離さないままC(裾)もつかむ。

 

3)そのまま持ち上げた後、床面を使ってシャツの左隅を奥へとたたむ。

 

4)下ろして四角形に。

 

5)さらに半分にたためば完成。

 
また、衣類の整理や洗濯物の区別には、圧縮袋や旅行用品店などで売っている専用の仕分け袋を活用してもいい。

 
もう一つ留意したいのは、スーツケース内での荷室の使い分け。すぐに使いたい物は開いたときにすぐアクセスできる側、着替えや下着などの見られたくないものは小袋に収めたり、中央の布地を隔てた反対側に入れておこう。

 
空港で荷物の重量制限を超えてしまった際や税関検査のときなど、公共の場で開けることになっても恥ずかしい思いをしないような配慮もしたい。

 
また、帰りにお土産などの荷物が増えることを想定して空きを作っておくことや、立てたときに重いものが下になるように詰めるなどの工夫もぜひ。バックパックの場合は背中の中心部の前方に重心がくると、軽く感じられて背負うのが楽だといわれている。

 

帰り支度のパッキング

旅先での帰り支度が行きと違うのは、洗濯物などの汚れ物があることや、お土産で荷物が増えていたりすることだろう。

 
割れ物は柔らかいタオルやシャツ、エコバッグなどを活用して包み、壊れないようにパッキング。増えたお土産を帽子などの空洞に詰めたり、予備の靴の中にビニールに包んだ靴下などを詰めたりすると、スペースの節約と型崩れ防止の一石二鳥が期待できる。

 
酒類など瓶が割れたり漏れたりする可能性があるものは、衝撃から守る梱包に加えてジッパー付きポリ袋を活用すれば、万一の際にも被害が少なく済むことが多い。液体の化粧品なども同様だ。

 
また、洗濯ものの仕分けも重要要素。ランドリーネットやジッパー付きポリ袋、風呂敷など、自分なりの「洗うものと洗わないものを分けるアイテム」を用意したい。これがあれば帰り支度もしやすいし、帰宅後の片付けも早く済む。

 
帰り支度は行きより荷物が増えがちなうえ、短時間でのパッキングが要求される。そんなときにも慌てず済むコツは、「洗面用具と靴はスーツケースを開いた左側の下」「シャツは右上」といったように、だいたいの定位置を決めておくこと。お土産スペースも、あらかじめ空けておいた定位置に収める。

 
旅慣れた人の多くはそうしたシステマチックなパッキングを自分なりに編み出して、組み立てているものだ。

 

仕分けや軽量化に役立つ便利グッズ

 
この項では、スーツケース内の仕分けに役立つ便利グッズや、余分に持っていくと帰りに役立つものを紹介したい。

 

ランドリーネット

100円ショップなどで手軽に入手できるランドリーネット。複数持って行き、着終わった服をこれにしまえば、帰宅後はそのまま洗濯機にポンと入れるだけで済むなど便利。

 

ジッパー付きポリ袋

これは大小ともに持っておきたい。食品用の大きめのものは液体系のお土産の漏れ対策に便利だし、小さなものは化粧品や小物の仕分け、なくしそうなジュエリー・アクセサリー類の保管などにも役に立つ。

 
国際線搭乗時に飛行機内に「100ml以下の液体物」を持ち込むときは、容量1L以下の透明なジッパー付きポリ袋に入れて検査を受けることが義務付けられているので、そうした意味でも必携アイテムといえるだろう。

 

圧縮袋

最近では旅行用と銘打った「衣類圧縮袋」や「衣類圧縮バッグ」も販売している。空気を押し出して容積を減らし、衣類をコンパクトにできる。

 

風呂敷

風呂敷は多用途アイテムの代表格。洋服を仕分けたり、シワにならないようにシャツをくるんだり、皆に配る「バラマキ土産」をまとめたいときにも便利だ。そのほかにも大浴場に行く際に着替えを包んだり、肌寒く感じたときに急場凌ぎのストールとして……などという使い方もできる。

 

充電機器類を減らすためのグッズ

充電器は重たい荷物の筆頭だけに、持っていく電子機器類をなるべく同じUSB式充電器で充電できるよう統一するなど工夫したい。海外旅行の際の変換プラグは、一つで世界各国に対応できるアイデアグッズが定番だ。

 

試供品のコスメを活用

特に女性の場合は化粧品類がかさばるケースが多いはず。1泊程度の旅なら個包装の試供品を活用するのも一案。

 

エコバッグ

レジ袋の有料化で日常生活の必需品となったエコバッグは、旅のパッキングにも役立つアイテム。行きは荷物の仕分けに使い、旅先で荷解きした後はエコバッグとして活用。帰りは梱包に使ったり、丸めて荷物の間に入れて緩衝材の役割をさせるなど、意外に使い道が多いもの。

 

旅行中に洗濯をしてみる

 
旅行中に洗濯をするかしないかで荷物量はだいぶ変わる。特に3泊を超えるような場合はホテルのランドリーサービスなども上手に活用してみよう。

 

ホテルのランドリーサービスを活用する

ホテルのランドリーサービスは、専用のビニール袋に入れてベッドの上に置いておくと、朝引き上げてくれて夜には洗い上がっている……といったもの。

 
ホテルの格や国によって金額はまちまちだが、日本国内の中級ホテルでの水洗いクリーニングの場合、おおむね以下のような金額が1着あたりの目安。ワイシャツ、ブラウスなど300円~500円。ズボン、スカート600円~800円。下着、ネクタイ、靴下などの小物類150円~300円。プレスやドライクリーニングはもちろんこれよりも高い設定になる。

 
積み重なると決して安くはないものの、旅先での時間節約とプロの手による洗い上がりを考えるなら、時に応じて上手に利用してみたい。

 

コインランドリーを活用する

国内旅行の場合、ビジネスホテルや海辺のリゾートホテルなどにはコインランドリーがあることも多い。洗濯機1回300円程度、乾燥機は運転時間によるが数百円くらいからといった具合だろう。洗剤を100円ほどで別に購入するケースも多いため、最初から使うとわかっているなら小さなパックで自宅から持参する方法もある。

 

洗濯グッズを持っていく

ホテルや旅館の客室でふだんの暮らしと違って困るのは、「思った以上に洗濯しづらい」ことだろう。そもそも旅先の客室は非日常を楽しむ空間であり、だからこそ日頃の雑事の最有力(?)ともいうべき「洗濯」などは、しない前提で作られていることがほとんどだ。

 
そんななかでも「洗面ボウルでちょっとした服を手洗いしたい」という方は、洗濯グッズを持参する手もあるだろう。最初から小分けされた旅行用の洗剤、シリコン止水蓋(特に海外の安価な宿でゴム栓がない場合など)、下着類を干せる小さな洗濯ハンガーや洗濯バサミなどが挙げられる。

 
コインランドリーの場合も乾燥機で衣類の生地を痛めることが多いので、洗濯機だけ利用して干すのは自室でハンガーに……という使い方も現実的。

 

自分なりの流儀で、余裕を持ったパッキングを

 
旅の荷造りのコツをまとめるなら、以下が主なポイントになる。

 
・パッキングは自分なりのおおよその定位置を決めておく
・お土産を入れるスペースも事前に空けておく
・服や小物は袋類やインナーバッグを活用して種類ごとにまとめる
・「重たいものは下のほう」など、荷崩れしにくい詰め方に
・割れ物は柔らかい服などで保護

 
パッキングのための小袋類やインナーバッグ、専用ポーチなど、便利アイテムはさまざまあるが、最後に一つ注意したいのは「それらの重さも案外あるかも……」という落とし穴。

 
パーテーション(仕切り)があるインナーバッグなどはシステマチックなパッキングに大きく貢献する反面、あまりしっかりとしたものは、かえって荷物を重くする結果になる。

 
旅の作法は人それぞれで、なかにはホテルの客室に入った途端にスーツケースから荷物をすべて出して広げる人もいる。旅慣れた立場で言えば、なるべくなら荷物は無駄に広げず、「スーツケースが自分のタンス」と思えるような、何がどこにあるかわかり整然と物が収まっている使い方のほうがいい。そうすればあれもこれも出さずに済むし、帰る間際の荷造りにも慌てない。

 
ともあれ、理想は帰りにお土産をたくさん買ってもスーツケースが楽々閉まること。くれぐれも「スーツケースの上に自分ごと乗っかって、ようやく閉めた」なんてことにならないよう、余裕のあるパッキングを心がけたい。

 
 

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