北の大地! 遅い春の訪れを追いかけて。残雪と薄紅の桜が待つ、天然水で暮らす町、北海道・東川町へ【PR】

文/アントレース

▲大雪遊水公園のエゾヤマザクラと残雪の旭岳

大雪山連峰の麓に広がる北海道東川町では、本州の桜が散った頃にようやく春が訪れる。雪解け水が潤す大地に咲く桜、水鏡に映る白い峰々、そして豊かな地下水で淹れたコーヒーの香り。忙しない日常から少し離れて、北海道で「二度目の春」に出合う旅へ。

 

過ぎ去った春を追いかけて

▲旭岳の麓で咲く、「日本一開花が遅い」と言われるチシマザクラ

 
桜前線が北上し、春は足早に通り過ぎていく。満開を心待ちにしながら、気付けばもう葉桜になっていた。

 
しかし少し視点を変えれば、春はもう一度やってくる。本州の桜が散りはじめる頃、北海道の大雪山連峰の麓にある東川町では、ようやく桜の季節を迎える。蝦夷山桜(エゾヤマザクラ)や千島桜(チシマザクラ)が、残雪を纏った峰々を背景に咲き誇る。その光景は、桜を追いかけてきたかいがあったと思わせてくれる圧倒的な美しさだ。

 
旭川空港から車でわずか20分。アクセスのよさとは裏腹に、東川町には大都市の喧騒とはまるで異なる時間が流れている。

 

雪解け水が育む、遅くて美しい春

▲田植え直前の水田と残雪の十勝岳連峰

 
東川町を語る上で欠かせないのが、大雪山連峰の存在だ。標高2,000mを超える峰々に積もった雪は、ゆっくりと溶けながら大地へと染み込み、長い年月をかけて地下水となって町へと届く。その湧水の豊かさは格別で、東川町は上水道を持たない、全国でも珍しい町として知られている。

 

▲大雪旭岳源水公園

 
この「遅い春」を生み出すのも、大雪山の雪だ。山の雪解けが遅い分、麓の気温もなかなか上がらない。本州がゴールデンウィークを過ぎてすっかり初夏の陽気になる頃、東川の桜はようやく満開を迎える。見頃は例年5月上旬から中旬。雪山と桜が共存する北の春がこの町に広がる。

 

▲キトウシの森

 
キトウシの森は、その美しさをゆっくりと味わえる場所だ。丘の斜面に広がる桜の木々と、眼下に広がる田園風景、そして遠くに連なる大雪山の峰々。5月、雪解け水が田んぼに張られるこの時期、水鏡に映る残雪の山と桜の共演は、静かに私たちの心を動かす。

 

キトウシの森
住所:北海道上川郡東川町西5号北44番地
電話:0166-82-2632
URL:https://www.kazokuryokoumura.jp

 

▲写真提供:今田耕太郎

 

▲写真提供:今田耕太郎

 
桜を堪能した後は、同じ森の中にある温浴型複合リゾート「キトウシの森きとろん」へ。建築家・隈研吾氏監修の木の温もり溢れる施設で、ゆっくりと湯に浸かりながら山並みに沈む夕日を眺めて過ごすひとときも格別だ。

 

キトウシの森きとろん
住所:北海道上川郡東川町西4号北46番地
電話:0166-82-7010
URL:https://www.higashikawa-kitoron.jp

 

「写真の町」の絶景と、豊かな水のカフェ巡り

▲町内の小中学生に呼びかけて2013年に結成したひがしかわ写真少年団

 
東川町には「写真の町」という、ユニークな肩書きがある。1985年に宣言されたこの称号は、単なる観光スローガンではない。毎年夏には全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園」が開催される。また、40回を超える歴史を持つ「東川町国際写真フェスティバル」には、国内外から写真家や愛好家が集まり、日本でも珍しい本格的な写真文化を伝える場として定着している。

 
「写真の町」を名乗るだけあって、東川の風景はどこを切り取っても絵になる。5月の朝、田んぼに張られた水が大雪山を映し出す光景はその代表格だ。水面に映る残雪の山、空の青、水田の畔を彩る芝桜のピンク。3つの色が重なる瞬間を求めて、多くのフォトグラファーが夜明け前から三脚を立てる。

 
ただ、この町の春を楽しむのにカメラは必須ではない。豊かな地下水で淹れたコーヒーを手に、カフェの窓から景色をぼんやり眺めるだけでも、十分すぎるほど心が満たされる。東川には個性豊かなカフェが点在しており、地域の素材や水へのこだわりを大切にしている。日々の慌ただしさを手放して、ただカップを両手で包み、目の前の景色と向き合う時間。それだけで、旅に来た意味を感じられるだろう。

 

▲道の駅ひがしかわ「道草館」

 

▲産直コーナー

 
また道の駅ひがしかわ「道草館」は、旅の途中でひと息つくのにぴったりの場所だ。産直コーナーには、農産物や加工品など東川の恵みが並ぶ。山菜や地域食材を使ったお惣菜に目移りしながら、気付けばカゴがいっぱいに。中でもぜひ味わってほしいのが、地元産牛乳を使った名物ソフトクリーム「きらり」だ。

 

▲濃厚なのにどこか軽やかで、大雪山を眺めながら食べるその味は、東川の春の記憶としてしっかりと舌に刻まれるだろう。

 

道の駅ひがしかわ「道草館」
住所:北海道上川郡東川町東町1丁目1-15
電話:0166-68-4777
URL:https://www.welcome-higashikawa.jp/michikusa/

 

暮らしの美しさに触れ、名湯で旅を締める

▲天人峡(てんにんきょう)温泉・御やど しきしま荘の露天風呂

 
東川の魅力は、絶景だけではない。この町には、美しいものを生み出し、愛でる文化が根づいている。日本五大家具産地のひとつ、旭川地域で作られる「旭川家具」。その約30%が東川町で生産されており、町内にはクラフト作家の工房やギャラリーが点在する「クラフト街道」がある。職人の手仕事が光る椅子やテーブル、器や雑貨。手に取る度に、素材の質の高さと作り手の誠実さが伝わってくる。旅の思い出に、日常使いできる一点ものを探す楽しさは東川ならではの醍醐味だ。人口の半数近くが移住者というこの町には、全国から木工・陶芸・写真などのアーティストやクリエイターが集まり、独自の文化を育み続けている。

 
春の東川を締めくくるなら、旭岳温泉で過ごす夜をおすすめしたい。大雪山国立公園の懐に抱かれたこの温泉地は、5月はまだ雪が残り、湯船から望む山岳の景観が静かな別世界を感じさせる。硫黄の香り漂う温泉にゆっくりと身を沈めれば、旅の疲れがほどけていく。温泉に浸かると聞こえるのは、雪解けの水音と風の声だけ。渓谷美で知られる天人峡温泉もまた、柱状節理の岩壁に囲まれた秘境感が魅力で、あわせて訪れたい選択肢のひとつだ。

 
過ぎ去った春を追いかけて辿り着いたこの町で、心の余白が少しずつ取り戻されていく。もう一度春に会いたいと思ったなら、東川町へ。

 
 

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